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TV業界へ戻って来い!!ラーメンズ!! [芸人評]

ラーメンズ。
独自路線をひた走る、笑いの探求者だ。
彼らは少し前に大きな方向転換をした。
僕は彼らの舞台、CHERRY BLOSSOM FRONT 345より前を第一期ラーメンズ。
ATOM以後を第二期ラーメンズと勝手に呼んでいる。

第一期。
彼らはまず、゛新橋!゛というフレーズを前面に出すネタで注目をあびる。
同時期に爆バドや、いろもん内のコーナー、笑いの巣メンバとして少しずつテレビに出始めていた。
その当時、TV効果で舞台の客数が10倍に跳ね上がったそうだ。

新橋ミュージックホールという番組に出演したことがあった。
ビートたけし、トータス松本、ユースケがやっていた深夜番組で
シンバシ!!ネタをショートバージョンで披露した。
たけしは彼らを

”飛び道具ネタだな”

と評した。
その時ラーメンズ小林の顔が一瞬曇ったように見えたのを
僕は今でも忘れられない。

そんな矢先、彼らはテレビから姿を消す。
自ら身を引いたのだ。
理由は一つ。
ラーメンズのネタはテレビ向きではない。

最近の若手はショートコントやギャグを必ず持っている。
何故ならテレビという市場でそれを求められるからである。
今のテレビは編集を重ねて作りこむものが多く
編集しやすいネタ、つまりショートコントやギャグが喜ばれるという仕組みだ。
(また当時のTV業界は今のように”ネタ”をきっちり放送してくれる番組が
ほとんどなかった事も記しておきたい。)

第一期ラーメンズのネタに編集出来るものは少ない。

あるインタビューで彼らは答えた。
舞台のネタを切り売りしているのがTVのラーメンズだ。
本物は舞台で見て欲しい。
そこでしか本物のラーメンズは見れないと。

彼らのネタは緻密だ。
”こんなところに前フリが転がっていて、ここで落とすのか!!??”
という驚きを何度となく味わった。
その緻密さゆえにTVでの編集を許さないネタになっている。

また、ゲラゲラ笑える面白さだけでなく、笑いの物悲しさを
上手く表現できるのも彼らのずば抜けた能力のひとつだ。
僕は第一期の舞台で笑い、その余韻で切なさを覚えた。

このまま、揺るぐことなく進むと思っていた彼らは
ATOMから方向転換をする。

第二期。
自分で否定したはずの
”TV的なネタ”
を舞台上で多く演じるようになる。
ATOM以降のネタは編集しても楽しめると思われる作品がかなり多い。

爆笑の数は増え
余韻は少なくなった。

あるラーメンズファンサイトがあった。
そのサイトの最後の言葉を書き留めておきたい。
”意味のない箱を見せられているようだ”

僕が感じた物はそこまで極端ではないが
言いたいことは痛いほど良く分かる。
しかしそんな風にラーメンズを諦められないのだ。
彼らはここで止まる芸人ではないと信じている。

そこで、声を大にし叫びたい。

”TV業界へ戻って来い!!ラーメンズ!!”

今のラーメンズが演じているものを舞台でやる必要はどこにもない。
だとすれば、今やっている事をとことん突き詰めてほしい!!
そう、彼らは笑いの探求者なのだ。
この中途半端な状況を打破するには、それしかないと信じている。
(まだ、公演中の”アリス”を見ていないので、これが正しいか分からないのだが。。。)

その後に何かが待っているような気がする。

以下、僕が思うラーメンズの名作です。

【第一期の名作】
読書対決(news)
器用で不器用な男と不器用で器用な男の話(鯨)
日本語学校アメリカン(椿)
蒲田の行進曲(CHERRY BLOSSOM FRONT 345)

【第二期の名作】
新噺(ATOM)
バニーボーイ、帝王閣ホテル応援歌(CLASSIC)
study、QA(Study)


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コメント 15

ゆず。

初めまして私もラーメンズ好きです。
あんまり昔の事までは知りませんがこちらの記事、
楽しく読ませて頂きました。
by ゆず。 (2005-02-09 18:56) 

すなけし

ゆずさんはじめまして~
今も昔もラーメンズは面白い!!期待してしまうのです。
そんな気持ちをぶつけてみました(笑)
もしよかったら、昔のビデオも見てみてください!!
by すなけし (2005-02-09 22:42) 

hirorock

おお!良いこといいますね!
ラーメンズファンとして狂おしく共感できます!

ラーメンズは「コント屋」もとい「お笑いアーティスト」と思っています。
彼らの舞台大好きです!
by hirorock (2005-03-01 01:31) 

すなけし

hirorockさんこんにちは。
お笑いアーティスト。。。良い響きですね!!
彼らにしっくり来る感じがします。
by すなけし (2005-03-01 12:49) 

切り裂きジャック

「お笑いアーティスト」と言うと、難しそうな感じがしますが、「日本語学校アメリカン」みたいなバカコントもあったりして、誰にでも楽しめるのがラーメンズですよね。
by 切り裂きジャック (2005-03-12 19:38) 

すなけし

切り裂きジャックさん、こんばんは。
バカも演劇も出来るのが彼らのすごいところだと思います!!
日本語学校シリーズは秀逸ですね。
by すなけし (2005-03-13 21:47) 

切り裂きジャック

日本語学校シリーズは結構見てますが、「日本語学校」をまだ僕は見たことがありません。どのDVDに入ってるんですか?
by 切り裂きジャック (2005-03-16 21:57) 

すなけし

日本語学校アメリカンが椿、日本語学校フランスが零の箱式、
にっぽん語がオンバトのDVDに収録されています。
それ以外にどんなバージョンがあるかは分からないです。。。
by すなけし (2005-03-16 23:23) 

切り裂きジャック

僕はラーメンズのネタで一番「蒲田の行進曲」が好きです。珍しく片桐さんの方がかっこよくて、小林さんがいじめられる側にまわっているネタで、これが一番面白いと思います。すなけしさんはどのネタが好きですか?
by 切り裂きジャック (2005-03-17 22:22) 

すなけし

基本的には記事で紹介したネタが好きですが
鯨の”バースデー”もかなり好きです。
by すなけし (2005-03-18 19:06) 

切り裂きジャック

鯨では「器用で不器用な男と不器用で器用な男の話」が僕は一番好きですね。ちょっと「バニーボーイ」に似てるし、最後の方は感動的だったし、オチではその空気を一気に変えましたからね。あれは傑作だと思いますよ。
by 切り裂きジャック (2005-03-19 14:32) 

切り裂きジャック

皆さんは「お笑い芸人人気投票」というホームページを見たことがありますか?僕は毎日それでラーメンズに投票してます。皆さんも是非!
by 切り裂きジャック (2005-03-20 17:24) 

すなけし

「器用で不器用な男と不器用で器用な男の話」は傑作すぎます。
ラーメンズらしい一品ですね。
by すなけし (2005-03-20 18:37) 

COCO

すなけしさん、始めまして。COCOといいます。
こちらにはバナナマンの検索で飛び込んでまいりました。
わたしもお笑いが好きなのですが、うまく言葉にできず、ただ単に「面白い」だの「つまらない」だのという表現しかできず、もどかしく思っていました。
こちらでの記事をいくつか拝読させていただいて、すなけしさんの熱意と語彙に満ちた評に、今までお笑いに感じていたもやが少し晴れました。ありがとうございます。

あ、そしてラーメンズですが、小林賢太郎はまだまだやってくれるとおもいます、舞台で。
すなけしさんのいう第二期の単発ぶりはきっと計算だと、私は信じています。
それでは、長々と、どうも失礼いたしました。これからもご拝読させていただきます。
by COCO (2006-03-21 02:00) 

すなけし

>>COCO さん
はじめまして。
”もやが晴れた”なんて、こちらこそ、とても嬉しいコメントありがとうございます。

僕も小林さんに期待しまくってますよ!!!
期待が大きすぎてラーメンズに飢えてるくらいです。
5月にアリスのDVDが発売されるようなのでいまからわくわくしています!!
by すなけし (2006-03-23 01:36) 

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