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プロフェッショナル [つぶやき]

小田さんのMCで印象に残った話がある。
最近は、いわゆるタイアップがらみの話が持ち込まれることが多くて、新曲もほとんどそれをきっかけに作る。その「お題」をスタッフから言われた途端にアイデアというか着想、「ここら辺を探すと、ぴったりな言葉がありそう」というのを体の細胞がもわもわもわって探し出すんだよね。でも、「その話、なくなりました」った言われた途端にまた、それがしゅわしゅわしゅわしゅわーって消えてっちゃうんだよね・・・
最近は何もないところから曲を作ることはほとんどなくて、誰かみたいに(と言いながら「愛するこ~とに~」と松山千春の歌を歌いだす)自然に降ってくるなんてことは、ほとんどないからね。
というような話だったんだけど、そのもわもわもわ、しゅわしゅわってゼスチャーがおかしかったのもあるんだけど、小田さんの職人っぷりが伺えるエピソードだなあ、と感心したのだった。小田さんのタイアップ曲は、そのCMやドラマの雰囲気やテーマにぴったり寄り添うようなものでありながら、その曲としてもきっちり成り立っている。だから、アルバムに入っていても「いわゆるタイアップでござい。」と言った顔をしていない。普通"全曲タイアップ”なんてアルバムは、なんだかてんでばらばらな曲の寄せ集めになりそうなものだが、1枚のアルバムとしての世界観が見事に感じられる。それもこれも「お題」に対して、小田さんが自分と言うフィルターにきちんと通したものを生み出すからなんだろうな。

その、”探す感じ”が、おこがましいのだが、共感するところがあり、印象的だったのかもしれない。過去、洋楽のコンピレーションを作っていたとき、「お題」、たとえば"女性ボーカル”とか”映画音楽のラブソング”のようなテーマが与えられると、「自社音源の核はこれ、他社で入れられるならこれ。そのうちどの曲は収録が実際に可能か。それ以外にどのあたりを探せばお題にふさわしい楽曲を探せるか。過去、それに似た企画は出ていないか、出ていたとしたらそれとどう差別化できるか。」といったことをまさに細胞レベルで考え始める。
何年か同じことをやっていると、過去に日本で発売されたコンピレーションは一通り頭に入っているし、それらのデータからどの曲がコンピに収録可能か、どの曲を入れたら”おいしい”かということも大体頭の中でデータ化されている。
まあ、もともと自分から何かを生み出すような類の仕事ではないから全く「一緒です」なんて言えるレベルではないのだが、「どこを探すと答えがありそうか」を知る、というのはとっても共感できた。
でも、自分の場合は、ものの数年で、「何を作っても同じネタ(曲)が出てきてしまう」「新しい、売れそうなお題が思いつかない。(売れそうなお題は、どれも以前にやったような気がしてしまう)」という壁、というか煮詰まりで作れなくなってしまった。何十年も人々に新たな感動を与え続けられる小田さんはやっぱり”プロ中のプロ”なんだな。

で、またちょっと違う話になるんだけど、「プロフェッショナルって素晴らしい」と最近思ったこと一つ。先日、買い物に行ったときのこと。
”あんまり時間ないけど、ちょっと下見していこう”と覗いた、「さくらや時計館」。もともと”電気屋さん”のイメージもあるし、いわゆる"ジャンパーを着たお兄さんがパンフ片手に説明してくれる”ことをイメージしていた。1Fには想像通りのお兄さんがいて、パンフをくれたのだが「3Fにはもっとありますから」と何度も言われ、なんとなくエレベーターで行ってみた。
お目当ての電波時計は、今一番の売れ筋だけあって、エレベータ出てすぐの棚に陳列されている。それを覗き込んでいると、20代と思しき女性店員がすっと声をかけてきた。その声のかけ方も自然で、何となく会話をしていくうちに自分の希望を洗いざらいしゃべっている。
「CITIZENのEXCEEDの電波時計がいいんだけど、最上位機種のレディースモデルは文字が金だったり、ダイヤが入っていて嫌だ。もっとシンプルで見やすくて、カジュアルにも合うものがいい。」というと、メインのカウンターに案内され、幾つか見せてもらう。そのたびに感想を言うと、適切に受け答えしてくれる。おまけにそのとなりにある時計にちらっと視線を走らせたら、「それは、電波時計ではないのですが、EXCEEDの最上級のもので、このような違いがあります。」と、またわかりやすく解説。値段と機能とランクとデザインの違いが、他社も含めあっという間に把握できた。

そうなると、自ずと買いたい商品が絞られ、気がつくと購入の手続きをしている。購入するために入ったのではなかったが、これだけ気持ちよく短時間に買い物が出来るなら、何の文句もない。正直言って”さくらや”にこれだけの接客が出来る人がいるとは予想外だった。最近は、デパートの買い物でも不快なことがあったりもするが、ハッピーな気持ちで気に入ったモノを手に入れられて、「これぞ、プロフェッショナルな仕事やなぁ(なぜか関西弁)」と思ったのであった。

あんまり関係ないと思われるかもしれないけど、どの道を進んでも
プロの仕事というのは、他人に満足を与える素晴らしいもんだな、ということだ。
私も、今の仕事のプロになるように頑張ろうっと。


2005-12-13 11:00  nice!(0)  コメント(5)  トラックバック(0) 

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yoko

全く同感!!この間ビッ○カメラに行った時に一人目の店員に対しては「そんな読めば書いてあることを聞きたいのではな~い!!」と憤りを感じ、二人目の店員さんに対しては「プロとはこういうものだ。」と思い感動した。聞いた質問に対して必要なことを分かりやすい言葉で教えてくれました。現在の職場環境かもしれないけど、プロフェッショナル意識の低い人を見るとかなり頭にくる。逆に良く勉強していて意識の高い人に出会うと自分も見習わねば!って切に思います。まだまだ実践できてないけどね~^^; 
by yoko (2005-12-13 19:47) 

おれんじ

コンビニのレジ打ちひとつとっても「プロ」を期待している。
だらだらと不機嫌顔で会計されると気分が悪くなる。
どんな立場でも給料もらってる以上、プロ意識を持って欲しいものだ。
(その点、ディズニーランドはいつでもどこでも合格点)
by おれんじ (2005-12-13 21:54) 

先輩

ビッグカメラでは、「そんなことも知らないでここに来たの?」という感じの
横柄な店員に接客されて、気分が最悪だったことがある。
そのテの店って、そういう店員多くない?
コンビニではなぜかカレーに箸とフォークをつける店員にあったことがある。
(フォークは先割れスプーンじゃないやつね)
どうやってカレー食うんじゃーっ!!
by 先輩 (2005-12-13 22:07) 

つう

こんにちは!「こっそり」とか書いときながらまた来ちゃいました(^^;)
コメント&TBありがとうございました。
こちらも遅ればせながら、ひとつ前の武道館の記事にTBさせていただきます。
よろしくお願いします。
小田さんの「もわもわ〜しゅわしゅわ」の動き、面白かったですよねー。目に焼き付いて離れません(笑)

「プロフェッショナル」とても興味深く読みました。
小田さんのこと、仕事上の「プロ」のこと。
どんな仕事でも、プロとして極めることはできますよね。
そういえばさいきん細胞さわさわしたことないなあ…と思い当たり、考えさせられましたです。
by つう (2005-12-14 13:41) 

sumibozu

つうさん、TBありがとうございました。
そう、小田さんと比べることはおこがましいのですが、
エッセンスでも見習いたいものですよね。
あそこまで「頑張る」のは、難しいですけどね・・・
小田さんの話を聞くたびに、あー、頑張らなくては・・と思わされます。
何で、あそこまで頑張れるんですかねぇ(ふー)
by sumibozu (2005-12-15 16:14) 

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