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ホントにファイナル?~バイオハザードⅢ [cinema]


753さん、実は「続編もの」って好きなんです。
ただしコレには2つ条件があって、

1.前回出演のキャラはちゃんと前回のキャストをあてる。

2.前回のキーキャラはむやみやたらにいなくなった事にしない。

というのを踏まえていなければなりません。
もちろん「007シリーズ」のような例外はありますけど f^_^;)
また上記に加えて、可能な限り監督や脚本についても前作と同じスタッフであれば
more betterです。

さて“続編に名作無し”という格言があります(※ホントか?!)
これはどんな大ヒットを飛ばした作品でも『2』は大概はずれるということから来ております。
それでも例えば「ターミネーター」については“2”の方が評価が高いですし、
「ゴッドファーザー」は唯一でありますが、“Part.2”についてもオスカーを
受賞しています(※“Part.3”もノミネートまではされましたし)

この話しはまた機会があったらということで、本日は“ミラ=ジョボヴィッチ”さんの
看板シリーズ『バイオハザード』最新作のお話です。
日比谷スカラ座にて観てきましたヨ!

ワタシ、このシリーズって“シガニー・ウィーバー”『エイリアンシリーズ』
比較してしまうんですよね f^_^;)

「闘うヒロインが、得体の知れないバケモノとサバイバル」

というテンプレートはハリウッドではB級モノから面々と受け継がれてきたものですが、
「エイリアン」のようにシリーズ化されるまでヒットしたものは決して多くありません。
そんなこんなで久しぶりのヒットシリーズなわけですが、やはりというか当然と言うか
ワタシ的な結論としては

「1よりも2の方が面白かった(好きだ)けど3はいろいろとひねった結果、スベった」

ってトコでしょうか?

今回の記事は「ネガティブ&ネタばれ多め」でお送りしますので、コレ以降は
自己責任にてお進みください m(_ _)m


エイリアンもバイオ~も“1”においては、ヒロインと敵側モンスターの基本スペックを
描写していって前半はキャラ立てし、後半はホラータッチのサバイバル劇となっています。
メインヒロイン以外は(ほぼ)全滅するところとか、ある限定された閉鎖空間でストーリー
が進行するなどの部分が共通項となっています。

“2”に物語りが進むと、ヒロインとモンスターについて観客は既知であるとして、舞台や
周りを囲む人物の描写に時間をかけることが出来るので、世界観をもう一段階広げることが
できます。
そのため、エイリアンでは海兵隊員に強い個性を与えることができ、バイオ~では“カルロス”
“ジル・バレンタイン”のように印象に残るキャラクターを追加することが出来るわけです。
これにより、戦闘はソロからパーティプレイになり、チーム戦の様相も呈してきます。
ドラマシークエンスについても、より濃い人間関係が描写できるようになるため、厚みが
増してきます。

また絵ヅラ的にも前作を凌がなければならないということと、前作では“得体の知れない”
というモンスターがすでにネタばれしているということから、火力がUPします ( ̄▽ ̄;
まあラスボスは両者ともパワーアップしていますが、やはり“得体の知れなさ”は感じられ
ないので、ホラー要素が少なくなり、戦争(または怪獣)映画よりになって
しまうのは当然の帰結なのかも知れません。

さて“3”なんですが、ここから舞台をどちらに飛躍させるかがまず問題です。
『更に括りを広げる』か、『世界観からひっくり返してしまう』か。
後者に挑戦したのが「エイリアン3」で、前者でシナリオを立てたのが今回の
「バイオハザード3」ですね。ここからはバイオ~の方にしぼって話をします。

作品の舞台を

「研究施設」→「ラクーン・シティ」

と広げてきた本シリーズは3において

「地球全体」

としています。
まずここでの失敗は、世界観を映像で認識させようとしたときに、少なくとも2~3時間の尺の
映画という媒体において「地球規模」というのはピンと来ないものなのです。

例えば「インディペンデンス・デイ」においても、地球全土を侵略しているはずのエイリアン
ですが、映像として作品のステージになるのはアメリカ国内ばかり。
一応、他の国々の状況もカットインされていますが、それがきちんと作用しているかは疑問です。
たぶん、一般の人はそこまで広い規模のものの見方を要求されないから、そのように言われても

「ふーん、あ、そう」

くらいにしか思えないんでしょうね。
これは良いとか悪いとかではなく、現実社会においても他の国で大地震が起きて、多数の死傷者が
出てもぴんと来ない感覚と似ているでしょう。
一般人の認識力の限界といったところでしょうか?

ですので1~2の間の舞台の広げ方は正解なのです。
1においては目隠しをされて限定した状況しか見えない状態で舞台を設定し、その目隠しが取ら
れて見えてくる広さというのが2の舞台規模であるということです。
よってこれ以上、世界を広げても認識できる範囲は大差ないということなんですよね。
この辺から考えてもこの3での舞台設定があまり意味を成していないことがわかります。

またこの広がった世界観を描写するためなのか、今回は砂漠がメインステージです。
これがまた逆効果になっています。
“バイオ~シリーズの怖さ”というのは

「ドアを開けた向こうの恐怖」

に集約されているのです。
目隠しを一つ取るたびに目にする世界にどんな未知のものが潜んでいるか。
これこそがバイオの怖さの真髄ですので、だだっぴろいところでゾンビが出てきても怖さが
無いんですよね。デキの悪いカンフー映画の百人組み手を観ている感じでした ( ̄▽ ̄;

むしろ冒頭の、地下室での「アリスとゾンビ犬とのバトル」や、地下研究室における
「タイラント戦(※でもエンカウントするまでかな?)の方がバイオらしい雰囲気に
なっていました。
とはいえ、やっていることは1、2の焼き直しなので、目新しさは無いのですが。。。

さてサブキャラについてです。
前作に引き続いて“カルロス・オリヴェイラ”、“L.J”、そして
“アイザックス博士”がキャスティングもそのままに続投です。
つか“ジル・バレンタイン”“アンジェラ”は? ( ̄▽ ̄;)(; ̄▽ ̄)
今回は“クレア・レッドフィールド”という原作ゲームではお馴染みのキャラクター
(※でもジルのときとは違って、ビジュアルは似ていません。名を借りたのみのようです)
が追加されるんですけど、この立ち位置って前作のジルのそれですよね?
やはりオトナの事情が発生しちゃったんでしょうか。。。

それにアリスに匹敵する能力とかをもってるっぽいアンジェラがいなかったになっています。
これは上手く脚本に組み入れる方法が思いつかなかったのかなぁ。
逆に考えれば、そこを上手く扱えると物語りが上手く転がった気もするのですが。

また前作から続投の“カルロス”と“L.J”は特にコレといった見せ場も与えられず退場します。
カルロスはそこそこ重要な役割なのかもしれませんが、この役ってわざわざ前作から引き続き
出てきたキャラクターにやらせるものなのかと考えると疑問が残ります。
(※ぶっちゃけカルロスじゃなくてもいいんじゃね?と思います)

L.Jについてはもっと悲惨です。
ぶっちゃけ犬死っつか迷惑かけて死んじゃいます ( ̄□ ̄;
アンタ、もう10年とかゾンビと闘っているのに、かまれちゃったらどうなるかってこと、
一番良く知っているんじゃないの?
それなのに黙っていて、最もしちゃいけないタイミングで発病するもんだからカルロスを
道連れにすることしかしてませんヨ!

今回はL.Jに想いを寄せるという設定の新キャラが追加されていたのに、その彼女を命懸けで
助けるとかしないし、そもそも一戦闘員って感じになってしまってホント前回の設定とか
全く考えていません。

例えば噛まれてしまっていつ発病するかわからない。
だからその想いを寄せてくれる新キャラのピンチを命と引き換えに救う。
とかなっていれば、ベタですけどそこそこのドラマにはなったと思うんですよ。
それすらやらないというか、一番やっちゃいけないパターンで退場っていうのはホントに
なんなんだかって感じです (`□´)!
冒頭でワタシ、「前作のキャラを意味無く、いないことにしない」と言いましたけど、
だからといって出しといてこんな扱いするのはもちろん論外です。

もう一人の続投組、アイザックス博士は今回、タイラントとなってアリスのラストバトルの
相手を務めます。
ここからしてどこからつっこもうか迷うとこですが、それ以上にこのシリーズのどんづまり感を
感じさせるのがアリスの強です。

2のラストカットにおいて、アリスはモニター越しに得体の知れない超能力っぽい力で
監視員を殺害するのですが、今回、この力を持ってしてバトルしちゃうんです。
こうなるともうなんでもアリアリなんですよね Σ( ̄▽ ̄;
アリスがどんなピンチになっても死ぬ感じがしません。
つかもう銃もナイフもパンチもキックもいりませんヨ! ヽ(´▽`)ノ

一応エンドマークにおいてはまだアンブレラ社の存在は確たるもののようですので、続編の
入り口は残されています。
でもワタシこの続きの監督(または脚本)をやれと言われたら。。。断りますけどね f^_^;)
いや、こんな投げっぱなし(ジャーマン)な終わり方されて続きやれって言われても
無理っスよ。面白く作れる要素が無いですもの。。。

最後に焼け石に水ですが、よかった探ししてみました。

・ミラ=ジョボさんのアクションシーンはかっこよかった。

以上(※それだけデスカっ!)
あ、そういえばもいっこあった。

・ミラ=ジョボさん、無事にお産が済んでよかった☆

……いやそれ映画と関係ないから。

それにしても、あのラストカットには度肝を抜かれました(いろいろな意味で)
なぜか正確に再現されていた「東京メトロ」のマークに対して、この漢字、なんて読むの?
というでたらめな駅名(※漢字が5~6個並んでいたので、上海かと思いましたヨ)
そしてその地下にあるアンブレラ社の秘密会議室。。。

ねー、やっぱ“4”やるの?
もう盛り上がらないと思うんだけど。。。
でもミラ=ジョボさんがアリス続投なら観に行っちゃうんだろうなぁ Σ( ̄▽ ̄;

 


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コメント 8

こんばんは^^
続編の2つのポイントは同感です!

「バイオハザード」はPS2のゲーム版の方が馴染み深いです
人の横で見ていて遊んでいる本人より驚き、奇声を上げ
「お願いだから、あっち行って本でも読んでて^^;」
って言われたことがあります><
あのゲームの実写版なのですよね・・少し怖いです@@;

753さんは色々なジャンルの映画を見るのですね
色々参考にさせて頂きます^^
by (2007-11-20 21:10) 

kyojikun

うわ~~ん、これから観に行こうと思ってたのに、ついついついつい最後まで読んじゃったよぉ(T▽T)
でもいつも言ってるように理解力不足のわたしにはこのくらい突っ込んだ解説を読んでから観に行く方が正解かもしれませんヽ(´ー`)ノ
ミラ=ジョボビッチ、いいですよねぇ(←メチャクチャ大雑把な表現・・・)
バイオハザードのアリスもかっこよくて好きだけど、わたしはフィフスエレメントのリールーが一番お気に入りかなぁ(*^ー^*)
by kyojikun (2007-11-21 00:48) 

スポーツの世界にも(2年目のジンクス)てのがありますが、映画も
そういったジンクスがあるのですね。
by (2007-11-21 10:49) 

和-nagomi

>Bettyさん、こんばんは (´▽`)ノシ
続編についてはワタシ的にはこの2つのポインツを押さえてあれば、
そこそこ楽しんじゃいます☆
そういう意味では2に対するハードルは低いですね。
でもさすがに3ともなると、コレすら守るのが困難になるようで。。。

バイオハザードのゲームは“2”と“3”はやりました(゜∀゜)b
PS2のも2本ほど。。。積んでます ( ̄▽ ̄;
初めてやったときは独特の操作感に慣れるのがまず大変だし、いろいろと
出てきてはびっくりびっくり~(したしたー)

ワタシの映画観はかなり雑食です。ぶっちゃけポルノ以外はなんでも観ますよ?
(※ぶっちゃけすぎです)
もちろん、プライオリティの関係から見送る作品もたくさんありますが f^_^;)


>けちゃっぷさん、こんばんは(´▽`)ノシ
そ、それはすいませんでしたぁっ!!! m(_ _)m <全力でジャンピング土下座
つかですね?あの映画、つっこまずにはいられないんですヨ!
もうそれはがまんできなくて。。。
というわけで、ご覧になる際には怖がるとかではなく、つっこみながらご覧になる
のが正解かと ( ̄▽ ̄;

実はフィフスエレメント、観てないんですよ ( ̄▽ ̄;
ジャンヌダルクもですけど。
ミラ=ジョボさんというと、ワタシ的には

「キャノンのCMで中田(英)と仲良し」

という印象が一番大きかったりとか。。。f^_^;)


>多夢さん、こんばんは (´▽`)ノシ
映画の2作目については大概、前作が当たっていればいるほど酷評される傾向があります。
まあ、ワタシのハードルはあのように低いものですから、ここだけ超えていればそれなりに楽しいと思っちゃいますけどね b( ゜ー^)⌒☆
by 和-nagomi (2007-11-21 23:14) 

ken

バイオハザードごときにここまで深い考察、おみそれしました。
これで「3」は観なくても済みそうです(笑)。
僕は「2」でジル・バレンタインが出てきて、かなり感激したクチなので
それ以上、バイオらしさを感じられない作品なら、観る必要はないなと思うわけで。
逆にゲームをもう一度やりたくなりました(笑)。
by ken (2007-11-22 01:09) 

和-nagomi

kenさん、こんばんは m(_ _)m
ついうっかり長文になってしまいました。駄文にてお目汚し失礼しました f^_^;)
ワタシも「2」を観たときには“ジル・バレンタイン”のそっくりっぷりに
びっくりびっくり~(したした~)ですヨ! (≧▽≦)b
元々のデザインがアメリカ人女性をモチーフにしているとはいえ、衣装も合わせて
あそこまできちんと似せてくるのに、ハリウッドもこまかい仕事ができるんだなぁと
感動したものです。
それだけに今回、彼女がどう関わってくるか楽しみだったのですが、いない事に
なっているとは。。。(┯_┯)

ワタシもPS2版の“コード・ベロニカ”と“4”を積んだままなので、
お口直しに始めようかなぁ (´-`)oO○
by 和-nagomi (2007-11-22 21:20) 

hash

こんにちは。
映画はイマイチでしたが、このブログは素晴らしいですね。
監督や製作者(ミラ・ジョボさんの旦那ですよね)に読ませたいです。
by hash (2007-11-23 15:07) 

和-nagomi

hashさん、こんばんは m(_ _)m
ただのつっこみ文章ですので、お褒め頂くほどのことでは。。。( ̄▽ ̄;
確か脚本もミラ=ジョボさんのダンナだったと思います。
書いてみたけど、OKでたけど、面白くなさそうだから他のヒトに監督を
投げちゃったとか?!( ̄▽ ̄;)(; ̄▽ ̄)

つかあの引きは次回があるんでしょうねぇ、舞台はシリーズの生まれ故郷であるココですか?アリス、大量発生ですか?
もしそうなったら、よりぐだぐだになりそうな予感が。。。f^_^;)
by 和-nagomi (2007-11-23 19:58) 

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