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ふるさと切手「東北のくだもの」の発行 [郵便局]

4月27日付で日本郵政公社より、6月28日(火)に発売される「東北のくだもの」の発行についての報道発表がされています。
(報道発表の全文はこちら

りんご・青森
りんご・岩手 さくらんぼ もも
 ぱっと見は「優しいタッチと明るい色使い」で描き、「メルヘンタッチに描いて」いる作風が非常に可愛らしいですし、こういった感じの作風の切手というのは今までにありそうで無かったところだと言えましょう。
発売後、結構好感度が出そうな気もしますし、場合によっては早々と売り切れる可能性も高いでしょう。
(発行枚数1,000万枚のうち東北管内のみで600万枚という内訳が出ていますので、そうなると管外に割り当てられる数は少ない計算になり、下手すると主要な中央郵便局では数日で売り切れる可能性もあります)

#一応、例によって「雑貨屋の簡易郵便局」にて「ふるさと切手&風景印絵柄対応表」を更新して掲載していますので、こちらもご覧下さいませ(^^)。


 まあ、この切手は作風の可愛らしさばかりに目を惹かれがちなのですが、よくよく見てみると、この切手は最近(特に今年発行)のふるさと切手の傾向をふんだんに散りばめていると言えます。その理由として....

1)連刷として発行される
 「連刷」というのは1つのシートに数種類の切手が印刷されているものを言うのですが、この「東北のくだもの」も4連刷(1つのシートに4種類の切手が印刷されて収められている…この場合だと「りんご・青森」「りんご・岩手」「さくらんぼ」「もも」の4種類の切手が印刷されて収められているということです)の作りになっています。
そして、今年になって発行される(発行予定となっている)もので、既に絵柄や料金などの詳細が分かっているものは、4月27日現在で「東北のくだもの」を入れて全12種類になるのですが(詳細はこちら及びこちら)、「連刷」で無い切手(1シートに1種類だけ有る最もスタンダードな形)というのは12種類のうち3種類(「琉球舞踊と「国立劇場おきなわ」」「ゴーヤー」「国土緑化」)だけしか無いということになります。
(3種類のうち「国土緑化」は昔からのシリーズ物なので、オリジナルとなると沖縄の2作品しかなくなる)

では、何故どれもこれも「連刷」切手ばかりなのか....前にも触れたことがあるのですが、Blog「札幌日記録」のエントリー「信州、北陸の花切手も4種連刷…連刷切手が多い理由」に興味深い考察が載っています;
ふるさと切手の連刷切手発行は「切手を利用して手紙を出す利用者の立場を考えていないやり方である」。

では郵政の各支社は、切手利用者や現場の郵便局側の立場を「無視」して、なぜそこまでして「連刷」の形態で発行したがるのか?
あくまで、私の推測ですが、いわゆるいろんなふるさと切手が入った「切手帳」という形態で販売するとき、1種より4種の方が多くの種類の切手を「売りさばく」ことができるから…だと思います。それも、郵政公社本社が切手収集家などからの「切手乱発」という批判を受けて、ふるさと切手の発行件数を実質「1年度1支社1題材」という方針にしたため、各支社は1件でたくさんの種類を発行できる「連刷切手」にこだわるのでしょう。
まあ、平たく言えば1つの切手で種類を増やせばそれだけ売れる、ひいては儲かるということなんでしょうね。
確かにこうした「連刷」でも原則は1枚だけとかバラで買うことも出来ますが、大阪中央郵便局とかではそれが出来ませんし、他のところでも良い顔はされないでしょう。
本来は自分の好きな絵柄だけ買って使いたいのに、他の絵柄も買わないといけないという場合にもなってしまう…ということにもなりかねません。
また、切手を保存させておきたいという場合でも、1シート1種類だけだと1枚だけ買って終わりですが、今回みたいに1シート4種類もあると4枚買う必要が出てきますし、極端な話去年発売された「四国八十八ヶ所の文化遺産 第1集」だと20枚(1シートまるまる)買わないといけないという羽目になってしまいます。
こうした形態が本当によくないのかどうかはここでは断言しませんが、少なくともどの切手も「連刷」だというのは、郵政公社支社の事情ばかりが先行しているだけでなく、何か郵政公社各支社の横並び的な物を感じてならないのは店主だけでしょうか。
(そう考えると、「連刷」に拘らない沖縄はえらい!!とも言えるのでしょうか(^^;)


2)以前に取り上げられた絵柄を再登場させている
 今回の「東北のくだもの」で取り上げられている絵柄の中で、「りんご・岩手」以外は既に以前に題材として取り上げられたことがあるものです。
・りんご(1989年 ふるさと切手・青森県 62円→1998年に額面80円にて再発)
りんご
・さくらんぼ(1989年 ふるさと切手・山形県 62円→1999年に額面80円にて再発)
さくらんぼ
・もも(1990年 ふるさと切手・福島県 62円)
もも
#他に「りんご」が題材になっているものとして、2002年に発行された「東北四季物語」(ふるさと切手・青森県 80円)もあります。

意地悪な見方をすれば「題材に描くネタがないのか」と思ってしまわざるを得ません(^^;;。

これを前述した、今年になって発行される(発行予定となっている)もので、既に絵柄や料金などの詳細が分かっているもの12種類で挙げると、「東北のくだもの」の他には、「北海道の花」では「ハマナス」「ラベンダー」「スズラン」が、「国土緑化」では「アヤメ」が、「関東花紀行II」では「ツツジ」が、「信州の花」では「リンドウ」が、「北陸の花」では「チューリップ」が、「九州の花と風景」では「ウメ」「雲仙ツツジ」「リンドウ」「ブンゴウメ」「高崎山」「ハマユウ」「ミヤマキリシマ」が、何からの形で以前に取り上げられた題材のものです。
(過去の題材については、「雑貨屋の簡易郵便局」内の「ふるさと切手&風景印絵柄対応表」をご参照下さいませ)
つまり、12作品中7作品が過去に取り上げられた題材を再度取り上げているということになります。 もっと地元の風物や特産などで題材になっても良い物はいくらでもあると思うのですがねぇ....


3)50円切手にて発行される
 今回の「東北のくだもの」は50円×4種類での発行ですが、前述した今年になって発行される(発行予定となっている)もので、既に絵柄や料金などの詳細が分かっているもの12種類を見てみると、12種類中「山梨の花」(80円×4種類)以外は全て50円切手なんですよね。
端的な理由は前述した「連刷」が多くなることで、少しでも金額的負担を少なくすることも挙げられるでしょうし、この頃特に多い花切手が慶弔の知らせ等大量に切手を使用する際に使えることを考えると、慶弔用で大量に使用できればその分大量に売れやすいことも考えられます。
(確かに結婚の知らせとかで花切手を使う人は多いですよね)
以前はふるさと切手では、50円切手は年に数回位しか発行されませんでしたし、滅多に発行されない分たまに葉書用(50円、古くは41円)が出ると大事に使っていたものでしたが....
#因みに、ふるさと切手で最もプレミアのつく一つとされている「サギソウ」(1991年 ふるさと切手・東京都 41円)がプレミアの付く理由として、慶弔用や企業の葉書通知(暑中見舞や年賀など)で大量に使用され、未使用の物が殆ど残らなかったためと言われていますが....
ただ、通常例えば仕事で切手を使うとなると、圧倒的に封書(80円)扱いになるでしょうし、実際に職場の郵便発送で50円を使うことはそう無いと言えるのでしょうが....また、これも人によりけりでしょうが、慶弔など特段の案件がない限り、一般的に封書より葉書を出す機会というのは恐らく少ないと思うのですが....
それを考えると、どれもこれも50円切手というのはどうかなとも思いますし、また何か郵政公社各支社の横並び的な物を感じてならないのは店主だけでしょうか。


 何かあれこれ批判的な意見になってしまいましたが、せっかくいいなと思える題材なのに、こういった形で切手に対する郵政公社のあり方が見えて来るというのは残念に思います。


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happylamune

うわー、かわいい切手ですね。でもいろいろと思惑があったりもするんですね。わたしは、気に入った柄だけ、局のかたに切ってもらうので、後ろに並んでいる人に迷惑をかけています。
by happylamune (2005-07-12 13:13) 

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