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i.LINK(TS)端子の現状 時代の先を歩みすぎたソニー? 2007年春

2007年春、i.LINK(TS)端子が
再び脚光を浴びはじめています。

ソニーではすっかり日陰者、
というか
過去の遺産になりつつあるムードですが・・・

シャープでは
移籍したチームで大活躍している
ベテラン選手のような扱いでしょうか?

今回は、HDMI端子に押されぎみ?
と思われていた
i.LINK(TS)端子の逆襲について
いろいろ調べてまとめてみました。



ちなみに今回は、
デジタル放送のハイビジョン録画やムーブで利用する
i.LINKの「TS端子」についてです。

i.LINKには、同じ差し込み形状でも
主にハンディカムと接続するのに利用する
DV端子と呼ばれるものもあります。

同じi.LINK、同じ差し込み形状ですが、
互換性はありません。

このあたりのi.LINKの種類や役割は、
このページが判りやすいかなあと思います。

http://www.geocities.jp/

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第1章
さて数年前、どこよりも率先してi.LINKを
採用していたと言えるのがソニーでした。

RDZではじまる型番の
ハイビジョンスゴ録の登場前のことです。

ソニーの薄型TVと接続して、
各種デジタル放送のハイビジョン画像を
録画する役割を果たしていたのが、
i.LINK TS端子接続のHDDでした。

VRP-T1
VRP-T3
VRP-T5
と3代続きました。

最終のT5ではムーブにも対応しています。


このi.LINK接続のHDD、
こんなメリットがありました。

*iLINKコード1本での簡単すっきり接続
*薄型テレビ側のリモコンから操作可能
*薄型TV上にオンスクリーンのメニュー表示
*TV側の番組表から簡単録画予約




特にフルダブルチューナーの薄型TV、
*地上デジタル×2、
*BSデジタル×2、
*110 度CSデジタル×2、
*地上アナログ×2

という豪華なチューナー機能を搭載した
薄型TVと接続したときには、

*TV側のチューナーを録画に利用するため、
  複数のB-casカードが不要となり有料放送視聴時にお得!

という大きなポイントもありました。

たとえばBRAVIAのVシリーズと
ハイビジョンスゴ録を購入したとします。
WOWOWをBRAVIAで視聴し、
ハイビジョンスゴ録で録画しようと考えたら、
2枚のB-CASカードでの視聴契約が必要です。


ところが
「フルダブルチューナー」+i.LINK(TS端子)のTVなら、
i.LINK TS端子接続のHDDレコーダーと
組み合わせることが可能です。

すると1枚だけのB-CASカードの視聴契約なのに、
WOWOWなどの有料放送をTV側で視聴、
HDD側で録画ができたのです。

関連記事:
フルダブルチューナー 真のメリット(経済面)
http://blog.so-net.ne.jp/sonyandvaiofan/117

i.LINKのTS端子に
対応しているソニー製のTVリスト

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同じ頃、VAIOでも
i.LINK(TS端子)で接続して、
VAIOのHDDを
デジタル放送録画用に利用するという
アイディアを採用しているモデルがありました。

type Xと、一部のRZシリーズです。


デジタル放送の録画に対応する
i.LINK端子(i.LINK(TS)端子)を搭載。

「VAIOデジタルTVユニット」と組み合わせて、
地上/BS/110度CSデジタル放送をVAIOに録画。

だけでなく

地上/BS/110度CSデジタルチューナー内蔵テレビと
VAIOを接続し、
各種デジタル放送を録画可能でした。



i.LINK経由でつないで、
テレビ側で受信するデジタルハイビジョン放送を録画、
録画した映像は、
そのまま同じテレビへi.LINK経由で出力できたのです。

VRP-T1
VRP-T3
VRP-T5
など
前述のi.LINK接続HDDと
全く同じ役割ができたのです。

振り返ってみると、
これがソニーと「i.LINK TS端子」の
蜜月でした。

ソニーでは、VRP-T5を最後に
デジタル放送録画用のi.LINK TS端子利用の
HDDを発売していません。

デジタル放送の録画に対応する
i.LINK TS端子を
搭載するVAIOも消滅です。

BRAVIAのX2500で
i.LINK端子がとうとう「0」になりました。

我が家が、
ソニーがi.LINKのTS端子に
見切りをつけたのかなあ
と強烈に感じた出来事でした。

関連記事:
http://blog.so-net.ne.jp/sonyandvaiofan/220
BRAVIA X2500の得たものと失ったもの

http://blog.so-net.ne.jp/sonyandvaiofan/242
KDL-46X2500 接続端子 徹底研究

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第2章
アイオーデータ機器のRec-POTの
登場が、
2005年~2006年の出来事です。

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我が家でも以前、
Rec-POT  HVR-HD250Fを
便利+コストパフォーマンス
から利用していました。

Rec-POTは、
ソニーの純正品ではないのに
ソニー純正のVRP-Tシリーズを
使用するときの利点が
そのまま残っていたのです。

関連記事:
http://blog.so-net.ne.jp/sonyandvaiofan/2006-01-12-1
HVR-HD250F 操作性(ディスクモード) [編集][Rec-POTハイビジョン録画]  

2007年春現在、
主要な薄型TVの発売元である
シャープ、東芝、ビクター、Panasonic、日立などでは、
上位ラインアップのモデルにi.LINK端子(TS)を
まだまだ残しています。

少し前のソニーのi.LINK(TS)端子の対応TVも
十分なターゲットとして、
HDDの大容量と低価格を武器に、
着々と浸透しつつあるのが、
Rec-POTなのでした。

関連記事:
http://blog.so-net.ne.jp/sonyandvaiofan/148

600GBで49800円!ハイビジョン録画の価格破壊、
HVR-HD600LE [編集][Rec-POTハイビジョン録画]  

ioPLAZA限定ですが、
大容量1TBハイビジョンレコーダーも新登場しています。
大容量1TBで 79,800円、
これはすごい・・・

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第3章
そして2007年春、
i.LINKの活躍が以外なところ、
シャープ製品から
聞こえてくるようになりました。

【ハイブリッドダブレコ】
AQUOSとの連携で
シングルチューナーのレコーダーでも
ハイビジョン2番組同時録画ができます。


シングルチューナー機でも、
HDMI接続に加えi.LINK接続することで、
AQUOSのTV側のデジタルチューナーを
まるでレコーダーの2つめのチューナーのように
利用できるのです。

シャープのi.LINK利用は、
HDDだけでなく、
ブルーレイディスクにも及びます!


【ハイブリッド録画】
AQUOSとAQUOSブルーレイの組み合わせで、
ハイビジョン番組を
ブルーレイディスクに録画できます。


AQUOSファミリンクでハイビジョンをBD録画できます。
AQUOSブルーレイBD-HP1は、
録画もできるブルーレイディスクプレーヤーです。

AQUOSで見ているハイビジョン番組を録画したいと思ったら、
BD-HP1付属のファミリモコンで、
「ファミリンクi.LINK録画」ボタンを押すだけで、
ブルーレイディスクに録画を開始します。


【簡単BDダビング】
AQUOSハイビジョンレコーダーで
HDDに録画してあるハイビジョン番組を
AQUOSブルーレイにダビングできます



AQUOSファミリンクで、
大切な録画をBDに残すことが可能です。

AQUOSブルーレイBD-HP1は、
録画のできるブルーレイディスクプレーヤーです。
AQUOSハイビジョンレコーダーの
HDDに録画したハイビジョン番組を、
i.LINK経由でブルーレイディスクに
移せます。


シャープのi.LINK活用は、
PCにも及んでいます。

2007年のVISTA搭載モデルから、
インターネットAQUOSでも
i.LINK接続を採用してきました。


AQUOSのテレビチューナーで受信したデジタル放送を
パソコン部に内蔵の「i.LINKデジタル録画ユニット」に
そのまま録画できます。

AQUOSの高画質映像がそのまま録画できるだけでなく、
パソコン部のCPUに負担をかけないため、
録画中のパソコン操作もスムーズという
メリットです。

これって、
数年前のVAIOが採用していた
i.LINK(TS端子)で接続しての
デジタル放送録画の仕組みと
やっていることや考え方が
同じなのです。

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ソニーが中心となって
命名した「i.LINK」でしたが・・・

そのソニーは「i.LINKのTS端子」を
すっかり見限ったのでしょうか?
薄型TV、レコーダー、VAIO、
全てのラインアップから外していきました。

一方、その「i.LINKのTS端子」が
影の切り札となっているのが
シャープ製AV機器の、
現在の状況と言えるでしょうか?

シャープの最近のi.LINK(TS端子)が使える製品群、
正直なところ、
こんな製品があったら便利だなあ、
というツボにぴったりはまった製品ばかりです。

なにより消費者視点、合理的、
無駄な出費を省いてくれる、うれしい機能です。

シャープの着眼点と
煉り込まれた戦略が光ります。

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さて、HDMIでの機器コントロールなどに
注目が集まりますが・・・

この「i.LINKのTS端子」、
これからのソニーの方向性をうらなう
試金石になるかなあ、
と我が家では勝手に想像しています。

去年の記事になりますが、
WEB上に興味深いインタビューがありました。

少々長いのですが、
引用します。

質問:
IEEE 1394端子を使って、TSのムーブやダビングを受ける、
という機能を、これまでのスゴ録シリーズでもやっていません。
ユーザーのニーズとしては多いと思いますが、
対応の予定はありませんか?

高岡:
議論はしました。
一番要望が多いのは、D-VHSへの対応ですね。
しかし、コピーワンスになってしまったので、
ムーブできないコンテンツも増えてしまいました。
他社のHDDレコーダではムーブ対応のものもありますが、
今のところは対応していません。
また、ソニーのレコーダ同士についても、
今後検討しなければ、とは思っています。

松岡:
CEATECでも、
この件はずいぶんお声をいただきました。
D-VHSやRec-POTへの対応については、
ニーズがあるのも理解しています。
ただ、動作検証も難しく、
すべてを「出来る」といっていいか……悩ましいところです。
今回、特にRec-POTに関するお話をずいぶんいただいたので、
考えなければ、と思ったのも事実です。

ただ、今回の機種では出来ること、
出来ないことが非常に多く、
そこで不完全に対応してしまっても混乱を招きそう、
という判断もあり、
「今回はやらない」ということにしました。

うちはこれまでTS出/入力をやってこなかったのですが、
ニーズを考えると、検討しなければな、と思っています。

参考ページ:
目指したのは「Blu-ray」に特化したレコーダ
-ソニー商品企画担当者が語る「BDZ-V9/V7」
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20061026/rt015.htm

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さて例年通りなら、
そろそろソニーから
新しい薄型TVやレコーダーの登場時期です。

シャープ、Panasonicについで
HDMIの機器コントロールを採用してくるのは、
間違いのないところでしょう。

このi.LINK(TS)端子、
ソニー製品への
まさかの復活はあるのでしょうか?
我が家の注目ポイントなのでした。


関連記事:
http://blog.so-net.ne.jp/sonyandvaiofan/2006-03-08
i.LINKとハイビジョン

http://blog.so-net.ne.jp/sonyandvaiofan/220
BRAVIA X2500の得たものと失ったもの

http://blog.so-net.ne.jp/sonyandvaiofan/242
KDL-46X2500 接続端子 徹底研究


参考ページ:
http://www.vaio.sony.co.jp/Products/VGX-X90P/feat3.html
http://www.sony.jp/products/Consumer/wega/special/vrp-t5/
http://www.sharp.co.jp/familink/bd-dub.html
http://www.sharp.co.jp/familink/bd-rec.html
http://www.sharp.co.jp/familink/hybrid.html
http://www.sharp.co.jp/i-aquos/index.html
http://www.sharp.co.jp/i-aquos/products/ax120s/hd-rec.html
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2007/0228/sharp.htm
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20070315/ce14.htm
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20061026/rt015.htm


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コメント 5

こんちゃん

現状は、HDMIとi.LINKの出来ること出来ないことが
不明確ですからね。
メーカーによってそれぞれの志向があって、
最終的には最適化されれば、最も使いやすくなると思いますね♪
by こんちゃん (2007-03-27 08:12) 

メリーの昼寝

こんばんは。
今回の記事もとても興味深く読ませていただきました。
それにしても現在TVを中心としたAV・PC機器の一番核心となるリンク機能について分かり易く的確に考察されていますね。いつもながら感心しています。(凄い!!)
実は私自身もBDレコーダーの選択で最終的に SONYのV9とPanasonicのBW200で迷ったのですがやはり2層未対応(PCのBDドライブではちゃんと対応しているのに・・WHY?)とまさしく今回のi-LINK(TS)未対応からBW200にしてしまったという経緯があったのです。
V9は使い勝手のよい高度な録画編集機能があり最後まで迷いました。本来自分達の作った素晴らしい規格技術を放ってしまってSONYは随分勿体無い事しているなぁと正直思いますね。(涙)
BDレコーダーはもう一台欲しいのでV9の次期後継機に期待しています。
by メリーの昼寝 (2007-03-27 23:09) 

sonyandvaiofan

V9の次期後継機に期待、
我が家もです!

コメント、
ありがとうございました!
by sonyandvaiofan (2007-03-28 06:13) 

虎

お久しぶりです。
私もインターネットaquos、注目してるたのですが、kakaku.comなんかでも書かれているように、どうもi.link受けが出来るとは言え、それを可能にさせるTVはかなり限られてしまうようですね。願わくば、HVXの受けが出来るなら、一方はRec-POTに、もう一方はPC-AXに、なんて出来るといいですね。(もちろん、同時録画は不可ですが。)
by 虎 (2007-04-04 00:00) 

sonyandvaiofan

i.LINKは互換性が
どうにもネックなんですよね。

ソニーがTSを積極的に採用しない
原因の1つです(たぶん)。

シャープのように、
対応機種をしぼってしっかり互換性を保証していく方法は、
対応機種を持たない人にはそっぽを向かれてしまいます。

対応機種を広げると、互換性の検証や、
実際の互換性に問題がでてきてしまう(たぶん)
のです。

BRAVIAのJシリーズ、
リンク関連はDLNAでしたね。
(i.LINK搭載はなし)

次期スゴ録ではどうでしょう?
発表が楽しみですね。

コメント、
ありがとうございました!
by sonyandvaiofan (2007-04-04 07:35) 

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