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あ)愛の流刑地 [映画(あ]

冬香は、幸せだったろうか?・・・・「Yes」。

この映画は、正直なところとてもレビューしにくい。
いままでの映画は、自分の体験から通じる話ができるものだったが
それが一縷もないからだ。いや・・・あるのだろうか?
いや・・・ある。
あるから書きにくいのか?
いや、ないだろう。あると思い込みたいだけなのだろう。

最愛の人は、家庭があるなしに関わらず現れる
映画のなかで女は2タイプあるとママさんとトヨエツが
話していたが、ああいう話でいうならば他の例えをだしてみる

最愛の人が現れたとき、それにどう対処するかということだ

100人中97人は、
自分の持つ「今」の責任を鑑みて踏みとどまる。それが普通の
対応だ。ま、端的な話『我慢を』し拒絶するわけなのだが
その女の代表は、劇中のなかでは美雪(女検事)だろう
一般的にはこれだ。
「橋」は渡らない。そして後悔だけはずっとその人を苦しめる

そして、100人中2人は、その「橋」を渡りきってしまう。
…もともとの2つの家庭は崩壊する。
劇中ではでてこない

そしてあと一人は…橋の途中で立ち止まってしまう
もともとの家族を裏切れない自分と
最愛の人との逢瀬に身をゆだねる自分の
両方を抱え込むことになる。
冬香である

この世に果たして何人の
『冬香』がいるのだろうか?

不倫は、ゆるされないがどうにもならない恋というものが
どの世にも発生するものだ。だから、このような『話』が潰えることがない

美雪は冬香を蔑んでいたのか?
いや、むしろ羨ましさを感じていたのかもしれない。

現実社会において、その『危機』がおきるときは、どちらかが
相手の想いを推しとどめるものだ。しかし、菊治は美雪の手をひっぱって
しまった。

======
菊治は、幸せになったのだろうか?・・・・『No』。

「貴方は、殺されたいほど人を愛したことがあるのか!」

冬香は、どうにもならないこの世の精算をするべく、
一度菊治に心中を持ち賭けるが、そのかわしかたが
さらに冬香を追い込むことになった。

このあたりから菊治と朱色会はちょっと考え方がちがうな
と想い始めて感情移入が難しくなっていった。

愛する人を殺す?

うーーむ。かわしたセリフが耳に残っている。それと犯行が
どうしても合致しない。

「ずっと生きていたい。君といっしょに。」

問いかけに対して、いろいろ自分のおんなに言えることは
あったのではないかとはおもう。

ころしてといわれてころしてはせわない。

さて、映画の話にもどそうか?

=====
しのぶ。おまえこんなにすごい女優だったのか?

しのぶの濡れ場シーンにはまいってしまった。
「なぜ彼女はこれほどに情熱高く演じたのだろう。」

・・・という疑問がそれを観たものとして頭から離れない。
 24hほど考えた答えが下の結論だ

「銀幕をみる男たち」に何かを伝えたかったのではないか?

…つまり
「オンナというものはこれほどに悦びを表す生き物なのです。
 あなたは、見たことがあるの?」

自問自答してみる。そしてげんなりしてしまう。ぐはぁ

正直これほど、男女の営みは美しくはならないが映画とはいえ
すばらしい演技だな。
冬香を演るために生まれてきたようなはまり役だったと思います。
しのぶは…冬香そのものに成りきっていた。

=====
トヨエツもすごかったねぇ。いくつもの血を吐くようなセリフは
観客の心に突き刺さる。本映画を代表作としてもいいのではないか?

~~~~~~~
わるかった演技者

2人の滑舌の悪い弁護士と検事はホントにミスキャスト。
映画の緊張感がきれてしまうほどで、
なんでこの演技でOKがでたのか不思議なくらい。

よかったもの

夕日・朝日・紅葉などを織り交ぜた映像表現。
2人の心の感情がよりいっそう引き立っておりました。

トヨエツのシャツがいつもぱりっとしていたのは拘留・係争中の被告としては
不自然なきもしたが娘さんが毎日着替えをもってきののでしょう。

・・・そして、残されたひとびと

トオルさんの演技については私よりも(↓
http://moviessearch.yahoo.co.jp/userreview/tyem/id325798/rid158/p3/s0/c21/

評価:83点

皆さんにお勧めしますというセリフがでないけど。
不倫というものを深く考えさせられる映画となっています。
今不倫中の方々も。そして「不倫」に気がついていない方々にも
いろいろな面で考えることができる映画です。

いささか総括が不確定ではあるけれど、こんなところで。

http://www.dailymotion.com/relevance/search/hirai/video/x5sgvn_ken-hirai-elegy-pv-alternative-angl_music
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コメント 2

ta-ka-ya-0914

こんばんは。

的確な映画の捉え方だと思いました。
菊治と冬香の会話がほとんどない事と、
それぞれの家庭の描写が欠落しているため、
二人の関係を観客が埋めて観なければならない作品だと
思います。つまりは、観る人の現状や経験、考え方で
様々な受けとり方のある作品だと僕は思いました。

分かりやすい反面、難しい作品ではありますが、
娯楽映画としては秀逸なものかと思います。

嫌いではないけれど、観終わって時間が経てばたつほど、
人に勧める気分は薄らぎますね。
by ta-ka-ya-0914 (2007-03-07 22:04) 

朱色会

こんばんは。takayaさんコメントありがとうございます。
>埋めて観なければ
ハゲしく同意です。観客が、自分の人生のなかから、物語を補完して初めて自分の映画となるのです。なんせ、2h程しかないのですから。。
このことについては拙も書いておりますのでよろしければご覧ください。↓
http://shuseki-kai.cocolog-nifty.com/blog/2006/01/post_8fd4.html

・・・この映画のテーマは「不倫」。演者とはうらはらに、観客側で『気持ちイィ』という人は少ないでしょう。。
by 朱色会 (2007-03-09 00:06) 

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