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ぶ)ブラック・ダリア 【THE BLACK DAHLIA】 [映画(は]

鑑賞記:『スクリーンから沸きかえる煙は、ある時間から晴れていった。』

「ブライアン・デ・パルマ。」一度聞いたら忘れることがないこの名前の監督は…
常に「問題作」を我々に供してくれる。
http://moviessearch.yahoo.co.jp/detail/typs/id950/tm/

その作風はひとことでは、朱色会も言い尽くせない
スタイリッシュ
斬新にて難解
音楽やカメラワークに拘る

そして、公でのハリウッドでの成功者にもかかわらず、私生活においては女性遍歴もすこぶるすごい。ちょい悪とはいい難い。本悪オヤジといっていい「巨匠」だろう。(←いちおう褒めてます
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%96%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%87%E3%83%BB%E3%83%91%E3%83%AB%E3%83%9E
http://cinema-magazine.com/contents/film.htm

・・・・さて、いつもご愛顧いただいている映画ブログだが、今回の読者は、女性に限らせて
いただく。そのわけは、つぎのゲートを潜る女性だけが理解できればいいことなのだ。
それから、この映画を既に観ていることが条件だ。
この映画をみてから進んでください。見る前に見ると、ダイナシになること請け合いますよ。

尚、この映画の配給は、東宝東和東和東和系(笑なので、
いつも上映前にやる観る人の気持ちをズダボロにしてくれる『Save Our Movies』の
事前上映は、ありません。よって安心してご覧いただけます。

それでは、はじめます。
ゲート。オープン。。。

=====================[ ]========================
貴方は、女性ですね。いちおう。念のため、検めさせて頂きます。
その証拠を見せてください・・・・良し。
…では続けます。あ、そのままで結構です(笑


さて、この映画ブログを訪れた女性達の望みは何かというと

この映画、どう解釈すればいいの?

ってところだ。確かにもずく酢のように
人間関係とかいろいろなストーリーが絡まっていて
くんずほぐれつ状態になっている

ところで、映画監督というものは2タイプあるというのは
以前どこかで話したと思うけど

・分かりやすく噛み砕いて順序立てて説明してくる優しい監督

・分かるやつだけわかればよし!っているとても映画リテラシー
 を求めてくる監督

とあることは書いたけど、間違いなくブライアンは後者。

もずく酢は、その想いを隠すための蓑と考えてよい(きっぱり
もちろんその中には、2つに真ん中から切断されたうら若い
(映画志望の)(美しい)死体も含まれる。

タバコもそうだね。
ほんと、この映画タバコすっぱすっぱスっているか
ヤっちゃってるかどちらかだけって感じだけど。。。
これも彼ならでは目くらましというやつだな。
(あと、タバコについては混沌と表現者として苦悩も表している)

・・で、じゃどこを探せば、宝箱に到達できるかというと
こういう場合は10中8,9はセリフに託される。
朱色会がこれだと捕らえた繰り返されたセルフは、

「Choose Me.(あたしを選んで。)」

・・・彼は、1940.9.11生まれ。そしてショービジネスに
ほとんどを自分の人生を費やしている。
この映画は、女優、いや女性の本質とは何かを、彼の人生経験から
導かれた結論を、あの事件を題材にして表したものだと捉えた。
このくらいの年になるとなにを描こうとも怖いと思わなくなる。

そして口はばかることもなくなってくる。
映画監督の集大成も近いこと
は自覚してくるから、総括として、「女性とは何か」
をこの映画で表そうとしたのではないか?

表現者たちは、ときどき女とはなにか?どういう考えに基づいて
判断行動するものかを表すときがある。

・xxxのxxxx
・xxxxのxxxxなんかもそうだ

この映画でも幾人かの女性が登場する。何人かは、普通の女性ではなく
トンデモな方たちではあるが、ひとりひとりの行動に注視していくと
それほどの破たんはない。

こんな考えにたつと
もずく酢が、そうめんくらいに見えてくるから不思議だ。

話の突端は、3カクものかと朱色会もおもいました。(3人の後ろの女性に注目。ハイッテます。)

腐ったりんごと父親に言われた娘は
何かを求めて放浪する
行き着く先は、・・・それほどの変わりはない。

お金持ちの娘達っていつも幸せそうじゃないな
まさかこれって真実なのだろうか

この人は完全にあて馬でしたね。
完全に観客をツリましたね。うまいな。

EVPおじさん。引っ張りだこです。
今回は司法解剖官。うまい。

こまやかな人物設定、関係表現もうならせます。

たとえば、朱色会が眉をひそめた東洋人が被害者の事件のくだりは
最初は人種差別かと憤りましたけど、あとで考えれば
あの当時で、儲けていた商人は、中国人だったのです。
こまやか。

また、バイプレーヤたちも要所要所できらきらと輝いている
単位時間あたりのきらめき量は、主役達にひけをとらない
すばらしい。

・・・・朱色会がなぜこのブログを女性限定にしているかというと
このことに気づいた女性たちが、
いっしょに来た男性にバレたくないだろうと考えるからだ。

映画が終わり、彼氏の態度がかわってしまった場合は
バレてしまったと考えた方がいいだろう。だから、
この映画の主題は、女性たちだけの秘密にしておこうね。
・・・朱色会も黙っています。

ココダケの秘密にしておこう。
しいぃぃぃぃぃ・・・それでは、お集まりの皆様、ご唱和のほどを。。。

人生において、女性は須く「女優」であり、
そして男性は、それを観る「観客」である。
ーー朱色会ーー

評価:95点

最近は、「優しい」映画が増えた。本編は、そのアンチテーゼと
とるにふさわしい、「厳しい」映画だ。そしてそのあんばいが
とても突き抜けているため、このブログで読まないで分かる
人は少ないだろう。ということで5ポイントマイナスさせてもらった。

最後に、
カメラテストで、女性は「まるはだか」にされたと
男性は思っている。
・・・ちがうね。
それは、男性ならではの『答』なのだ。。。

http://c-cross.cside2.com/html/b00hu001.htm

「ミステリアスな女」という表現がある・・・・
惜しいな。主語と述語が逆だ。


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コメント 12

ミチ

こんばんは♪
TBありがとうございました。
お恥ずかしい事にもずく酢のままでした。
「分かるやつだけ付いて来い」風の作品についていけたことがないんです(泣)
by ミチ (2006-10-14 23:10) 

朱色会

ミチさん。こんばんは。コメントありがとうございます。

今回は料理に照らしてみたわけですが、観客が受け止める「料理」は千差万別だとおもうんです。もずく酢だって全然かまわないと思いますよ。今の時期、キリッと冷やしたポンシュに合いますから・・・・。
by 朱色会 (2006-10-14 23:22) 

あむろ

こんばんは。
TBありがとうございます。
「もずく酢」とはうまい例えですね。

画面のあちこちに見え隠れする「B」と「D」。
あれか?それともこれか?と考えながら観ていましたが、うまく裏切られました。
またデ・パルマに(いい意味で)だまされました。
by あむろ (2006-10-15 01:03) 

朱色会

あむろさん。コメントありがとうございます。

・・・アノ人は、観客を翻弄するのが「キャリー」の頃から好きでしたから…
女のカラダに『自分の名』を刻印するものは、よき人とは言えませんね。
そういえば・・・Brian De Palma…
by 朱色会 (2006-10-15 01:22) 

睦月

こんばんわ!
一応女なので、この記事に入らせてもらいました!・・・良かったでしょうか?即刻退場はご勘弁を(泣)。

朱色会さんのコメントで初めて気づきました・・・≫そういえば・・・Brian De Palma…
うわあ!こえーぇ!こえーぇよお!『BD』の真の正体はああ・・・・!!

すみません。ふざけました。
睦月、もずく酢大好きなので・・・もずく酢のままでもいいかなあなんて少し投げやりな態度をお許しください(苦)。

しかもデ・パルマ監督作品とはすこぶる相性が悪いんですよね、私。
ダメな自分・・・。

ちなみに高校のころ、シャーペンの先端を使って自分の腕に好きな男性のイニシャルを彫っている友達がいました。そういうのはどうなんでしょう?
by 睦月 (2006-10-16 01:31) 

朱色会

睦月さん。いらっしゃいませ~…そのままで、けっこうです(笑
もちろん。もずく酢のままでいいのです。朱色会だって今まで、もずく酢はおろか
「ところてん」もたくさんいただきました。

>シャーペンの先端
うおおおぉぉぉ!「命」説か!!睦月さんっ、ま、マサカ?・・・やはり、今回の結論はあながち外れていないことが確認できましたよ。あながち。。

「もずくずくずくぅ~♪」
by 朱色会 (2006-10-16 07:56) 

パピのママ

始めまして!、もずく酢大好き小母さんでもいいですか?
素晴らしいの一言!、見応えのアル画像と記事のコントラス、吸い込まれるように何度も見直しました。
朱色会にハマってしまった私、TBさせて貰いました。またお邪魔させて下さい。
by パピのママ (2006-10-17 09:44) 

朱色会

パピ子さん始めまして!よろこんでいただけたようで朱色会も恭悦至極でございますよ。どんどんハマってください。朱色会は映画以外にもいろいろWebでブログ記事を上梓していますので、そちらもよろしければご覧くださいませ↓
http://blog-search.yahoo.co.jp/search?p=%BC%EB%BF%A7%B2%F1&cop=
by 朱色会 (2006-10-17 11:54) 

葉月

はじめまして
素晴らしいブログですね。
写真がとても綺麗なので、見ていて飽きません。
キャスト陣の配色がほんと見事な映画でしたね。
by 葉月 (2006-10-22 15:37) 

朱色会

葉月さん。こんにちは。初めまして。
ご訪問ありがとうございます。拙のブログ記事が、あなたのワインのつまみにでもなればこれ幸いです。貴方のように映画→酒にたとえるブロガさんをしっています。ノラネコさんです。『ノラネコの呑んで観るシネマ』
http://noraneko22.blog29.fc2.com/
ま、ご存知でしょうが(笑 コメントありがとうございました。
…この映画は、登場人物が多いですが、みなさん、キラキラ要所要所で輝いていました。これこそ監督の手腕の発揮というものだと思います。
by 朱色会 (2006-10-22 18:23) 

HARRY

はじめまして(*´∀`)

今更ながらですが、レンタルで観まして、TB先を探してウロウロ・・・
女性ですので読ませていただきました♪

なるほど納得・・・・こういう見方もあるとため息が・・・

また遊びにこさせていただきます(*´∀`)
by HARRY (2007-07-31 12:37) 

朱色会

HARRY さん。コメントありがとうございます。お返事が遅れて申し訳ありません・・・そのままで、けっこうです(笑

難解と思える映画は、実は、捉え方ひとつで煙が消えていくものです。ほのほとんどは、表現者たちが演者たちのことばに託してくるので、台詞に集中することでほとんどの謎は解けていくのです。・・・なんてね。。

また、来てください。
by 朱色会 (2007-08-02 01:23) 

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