チャイコフスキー交響曲第5番 [古典音楽]
チャイコフスキー後期交響曲で、第4番の次にハマったのは第5。
第4とは違い、第1楽章は仄暗い管の演奏で始まる。「悲愴」になると、更に暗い始まりだが・・・独特のスタート。とはいえ、これはベートーベンの「運命」や「田園」と同じで、メインのテーマを最初から奏でるタイプ。このテーマが本楽章内で鮮やかに雄々しく展開されていく。
第2楽章は、個人的には第5ではもっとも美しいと思う。仄暗い弦の前演奏で始まり、管により本楽章のテーマが吹かれる。またテーマの展開のされ方が素晴らしく、第1楽章とは違い哀愁が漂っている。ちょっと音楽を聴きたいときなどは、この楽章だけ聞くこともある。
第3楽章は、一般的にはこの交響曲の特徴といわれる、いわゆるワルツの楽章。最初の頃はこの楽章が一番美しいと思っていた(実際美しい)が、交響曲の構成楽章としては浮いている感じ。面白いんだけどね。
第4楽章は、他の楽章とは違い、最初から弦によりテーマが強奏される。ファンファーレ風の楽章。
第5についても、ムラヴィンスキーが圧倒的だ。彼にとっては、チャイコフスキーとショスタコーヴィチの第5は名刺代わりの演奏であり、特にチャイコフスキーの5番は、100回以上演奏していることもあり、異日録音でも10種類を軽く超える。同日異盤ともなると、とてつもない数が存在する。
第4とは違い、第5についてはグラモフォン盤ではなく、メロディアによるレニフィル大ホールでのライブ録音を推薦したい。
僕が一番好きなのは、1973年4月29日のステレオ録音。同じ日には、同じく世紀の名演奏であるベートーベンの第4も演奏/ライブ録音されている。(前日の28日にも、名演奏であるブラームスの第4もライブ録音されており、録音においては1つのピークといって良い時期だろう)
この演奏は同日異盤が多数存在するが、現在、この日の演奏で一番手に入れやすいのは次のCD。ただし9枚組ということもあり、万人には勧めにくい(8枚目)が、ALTUSによる丁寧なCD化により他盤と比較しても文句なしの最良盤である。
ムラヴィンスキー&レニングラード・フィル/リハーサル&コンサート「ロシア編」(9CD)
- アーティスト: ムラヴィンスキー&レニングラード・フィル
- 出版社/メーカー: ALTUS
- 発売日: 2006/03/22
- メディア: CD
この曲は一時期相当ハマっていたこともあり、他の指揮者によるものも聞いてみたが、ムラヴィンスキーに迫るモノもない。圧倒的な、ダントツの一位といえる。
ただ、彼の第5には多数の録音が存在することから、対抗しうるのは今後発掘される可能性のある彼の異録音ではないだろうか?
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