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病床の天才ギタリスト。Jason Becker [音楽]

 この人もその凄さについてはもう書き尽くされてるんですけど書きます。最近出たDVD見たら、やっぱり凄かったですしね。Marty Friedmanとの超高速&変則ツインリードで有名になったCACOPHONY(カコフォニー)でデビューして、その前後に出したインストのソロが知ってる人は知ってる(当たり前?)のスーパーハイテク作品。

  Jason Becker 『PERPETUAL BURN』 (1988年作)

 考えると、もう20年近く前になるんですね。この時、ジェイソンは若干19歳。今聴くと、作曲とかプロダクションとか少し弱い感じもしますけど、ことギターテクニックということになると、強烈なインパクトです。この時のテクのまんま、現代にタイムスリップしてきても、今でも第一線のトップクラスのはず。DVDはカコフォニー時代のライブ映像少しと、クリニックの映像が中心ですが、スウィープピッキングが得意なのか、いろんなパターンのフレーズをえらいスピードで弾いてました。

 スウィープピッキングというと、そんなに巧くない人がやると、タッピングと同じで、「ここでスウィープを入れよう!」という感じでプレイがいったん切り替わって、スウィープ用のフレーズに移行するような感じが残ります。また、この奏法は隣り合った弦を次々に鳴らすため、リズムキープが難しいとされます。しかし、ジェイソンのスウィープピッキングは流れるようにフレーズの中に織り込まれていて、スムーズでかつよくギターが歌ってました。

 このアルバムの後ぐらいにDavid Lee Rothに見出されて『A Little Ain't Enough』に参加するんですが、その頃にALS(ルー・ゲーリック病)を発病してしまうのです。全身の筋肉が少しずつ弱っていって、やがて亡くなる難病です。デイブのアルバムに参加している頃には既に調子が悪くなって、椅子に座ってプレイすることが多くなっていたとか。このアルバムも買いましたが、あらゆるテクニックをがむしゃらにぶつけるようなそれまでの弾き方から一変、かなりゆったりした弾き方をしてました。

 あのマーティをして「彼は天才」と言わせた天賦の才能。病気にならなければ、ロックの歴史に残るような凄いプレイをもっと残したはず。あるいは、エレクトリックギターの奏法の可能性をさらに広げるような凄いプレイをたくさん残したはずです。ジェイソンは今も闘病中だそうです。


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コメント 2

sorapapa

来ましたね、ジェイソン!
しかし、例のDVDには改めてぶったまげました。
あそこまで綺麗にしかも余裕で連続高速スウィープ奏でるギタリストってそうはいないですからねえ。
つくづく病に倒れずにデイヴバンドでワールドツアーに参加して欲しかったなと。。。
マーティーと同じ位、いやひょっとするとそれ以上に有名なギタリストになったかもしれないのに、、、
by sorapapa (2007-03-19 23:35) 

しまうま

 sorapapaさん

 ポジションの横と縦の移動のスムーズさ、あんなに速くて正確なプレイは見たことないです。クリニックの様子も何だかフレンドリーで気さくな感じで、ジェイソンがマーティをはじめ、大勢のミュージシャン仲間に好かれているのが分かるような気がしました。 

 クラシックっぽいプレイもさすがという感じでしたが、ジェイソンは5歳からクラシックギター好きのお父さんに特訓を受けたとか。ここはやはり、sorapapaさんも空ちゃんに英才教育を…。 
 とりあえず、小学校出るまでにイングヴェイは完コピ、とか。お遊戯(ダンス)のBGMはELPとかUKあたりの超絶変拍子の曲で入ってリズム感を鍛えるとか……。たぶん奥さんに怒られるでしょうが…^^;
by しまうま (2007-03-20 13:47) 

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