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映画「DOWNFALL (Der Untergang)」 [映画]

今日はイギリス人とドイツ人の友達と3人でアカデミー賞の外国語映画賞にもノミネートされた、アドルフ・ヒトラーの最後の日々を描いたドイツ映画「DOWNFALL (Der Untergang)」を観てきました(リンク先は英語の公式ページ)。

単純な「悪」としてでなく、より人間的なヒトラーを登場させたことが一番話題になっている映画なのですが…それでも結構イカレテル性格だったような(笑)そんなに騒ぐほどの新解釈じゃなかったと思いますよ。私はどっちかというと、ナチスの中心、ヒトラーの周辺にいる人たちの内にも急進派と穏健派、人道をとく者、総統に心酔する者、様々な意見があって、それぞれの「正義」に従って行動しているということを見事に映像にしていたのが凄いと思いました。登場人物が多いのですが、話の核になる人たちは皆キャラが立っていたので出だしから楽しめました。俳優もヒトラーのブルーノ・ガンツ(Bruno Ganz)をはじめ皆さん好演でしたが、私的には「戦場のピアニスト」でも主人公を助けてくれるドイツ人将校役が素敵だったSS将校ヘルマン・フェゲライン役のトマス・クレッチュマン(Thomas Kretschmann)がかっこよくてお気に入りでした☆(右の写真から公認ファンサイトへリンク)

1945年のナチス・ドイツ、既に対ロシアの戦況が悪化して、降伏寸前の状態のベルリン。参謀達がベルリンを離れるようにと進めるのにも拘らず、断固としてベルリンを離れず既に失ってしまった軍隊を対ロシア攻撃に駆り出そうと狂気じみた命令を出し続けるヒトラーの参謀本部が主な舞台です。主人公はヒトラーの秘書をしているトライドゥル・ユング(Traudl Junge)アレキサンドラ・マリア・ララ(Alexandra Maria Laraが好演していました。

映画の初め、真っ暗な画面に彼女本人の声だけが響いてきます。「私は、気付かないうちに自分の望まなかった場所まできてしまっていた。」という告白は、ありきたりな言葉だけに重みがありました。映画はヒトラーが自殺してドイツが降伏するまでの正に「凋落(Downfall)」する様子を追っているので、楽しい場面は無い、兵士はばたばた死んでいく、ヒトラーはだんだん追い詰められる、というとっても重た~い2時間半ですが、私は集中力も途切れることなく見ることが出来ました。あえて文句をつけるなら、登場人物達が各自の信念を最後まで貫きすぎて、ちょっと美化しすぎかも。実際はもっと「情けないなぁ~」という人もいたでしょう、人間だし。とにかく、重たい話ではありますが、所々で息抜きできるシーンを入れたりしてストーリーも良く出来ていたので、見る価値のあるお勧め映画です。

余談:最後の上映を見たら終バスを逃したので、ミニキャブ(小型タクシー)を使ったのですが、運転手が、つい1週間前に「1984」を観てロンドンから帰って来た時に使ったキャブのお兄ちゃんでした(笑)「また(彼の会社)使うからね~」って言って降りたけど、こんなに早く再会するなんてことあるんだ~!とお互いびっくり。今回は「次はいつ出かけるつもり?」と聞かれてしまったわ(笑)


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