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Dmitri Alexeev [音楽鑑賞]

今日の記事も愛する人を亡くしたらどんな曲を聴いて癒されたいかシリーズの流れですが、大幅に脱線することをまずお断りします。(笑)

 

心がしくしくする時、悲しみに打ちひしがれている時に合うのはやはりフォーレだなあ・・・と感じています。

前の二つの記事ではフォーレの宗教的な合唱曲でしたが、死や宗教とは無関係の歌曲・・・これまたいいです。

たとえ楽しげな曲でも激しい曲でもフォーレの歌曲には疲れた心を包み込んでくれる深さがあるような気がします。

何度も取り上げたので今更ご紹介するまでもないのですが、昨日は久しぶりにバーバラ・ヘンドリックスのフォーレを聴きました。

Faure: Melodies

Faure: Melodies

  • アーティスト: Gabriel Faure, Alain Lanceron, Michel Dalberto, Barbara Hendricks
  • 出版社/メーカー: EMI
  • 発売日: 2001/04/03
  • メディア: CD

こちらで全曲試聴できます。

彼女以外の演奏もだいぶ聴けるようになりましたが、やはり彼女のフォーレは絶品です。(伴奏はあのミシェル・ダルベルト先生です!)

 

ついでに久しぶりに彼女の黒人霊歌も聴いてみました。

 
深い川(黒人霊歌集)

深い川(黒人霊歌集)

  • アーティスト: ヘンドリックス(バーバラ), アレクセーエフ(ドミートリ)
  • 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
  • 発売日: 1999/12/08
  • メディア: CD

こちらで全曲試聴できます。

黒人霊歌ではこのCDがおススメです。

バーバラ・ヘンドリックスのソウルフルでありながら繊細な歌も素晴らしいですが、ドミトリー・アレクセイエフの伴奏が素晴らしいのです。

録音された当時(1983年)、アレクセイエフは旧ソ連の人間でした。(今はロシアで活動しているのでしょうか?)

旧ソ連のピアニストが奏でる黒人霊歌なのに、驚くほどその精神が溢れているのです。

本場の歌い手であるバーバラ・ヘンドリックスをして「とりわけ黒人霊歌のパートナーとしてかけがえのない人だということもさとったのです。と申しますのも、彼の即興演奏がわたくしを鼓舞し、わたくしの解釈をもっと自由なものにしてくれたのですから。」と言わしめる演奏なのです。

この録音の前にヘンドリックスのソ連演奏旅行があったようですが、土壇場になって予定されていたピアニストの代役を務めたことがこの二人の共演のきっかけのようです。

ブックレットの演奏者紹介で「・・・ご両人の共感度はまことにすばらしく、アレクセーエフのピアノを得たことによって、バーバラの歌唱がどんなに生きいきと、はずみの付いていることか!・・・」(三浦淳史)と書かれているのにも納得できます。

このCD自体、なかなか手に入れられずやっと購入した・・・といういきさつがあるのですが、ネットで簡単に手に入れられるようになった今、伴奏者であるドミトリー・アレクセイエフのことが非常に気になって検索してみました。

日本での演奏会があるのかどうかわかりませんが、結構活躍しているようですね。

やはりロシアの人なのでショスタコビッチとかラフマニノフとかがお得意なのでしょうけれど、私はショパンのCDに目が行きました。

Chopin: Waltzes

Chopin: Waltzes

  • アーティスト: Fryderyk Chopin, Dmitri Alexeev
  • 出版社/メーカー: Angel
  • 発売日: 2001/02/27
  • メディア: CD

こちらで全曲試聴できます。

ジャケットからして心惹かれますが・・・このワルツばかりのCD、試聴してみて無性に欲しくなりました!

正確なテクニックに加え、変な感傷を排除した明快な演奏。

ちょっと今まで聴いたことのないショパンだな~という感じがします。

試聴でも良さそうな雰囲気は伝わりますが、上の黒人霊歌でもあれだけの演奏を聴かせてくれるドミトリー・アレクセイエフ。

失望することは消してないと思います。

・・・ということでこれから注文予定なのですが、高いかも・・・という予想を裏切り、何と新品でも900円台!(4000円台もありましたが・・・。)

え~、なんでこんなに安いの~???

彼をご存じない皆様のために・・・

彼は1969年のロン=ティボーで第2位。

1970年ジョルジュ・エネスコ第1位。

1974年チャイコフスキー第5位。

1975年リーズ国際ピアノコンクール第1位(33カ国95人の応募者。リーズでソ連のピアニストが優勝したのは、彼が最初だったようで、内田光子さんはその時第2位だったようです。)

1976年のロンドンデビューの際、『ザ・タイムズ』紙で「音色のニュアンスもけっして気ままに選ばれることがなく、装飾もまた計算されないまま現われるということがなかった。・・・」と評されているのも黒人霊歌の伴奏で納得です。

 

上で取り上げたバーバラ・ヘンドリックスの「黒人霊歌」のCDは声楽関係者の間ではポピュラーなものですし、ドミトリー・アレクセイエフの名もこの名盤の伴奏者として知られているのでしょうけれど、案外ソロは聴かれていないのでは・・・と思います。

私もこれからどんどん聴いてみたいと感じますが、多くの人にもっともっと知られてほしい名ピアニストだと思っています。

 


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コメント 5

Cecilia

xml_xslさん、niceありがとうございます!
by Cecilia (2007-09-20 14:14) 

nyankome

>正確なテクニックに加え、変な感傷を排除した明快な演奏。
>ちょっと今まで聴いたことのないショパン
私もこんなショパンは初めてです。Ceciliaさんにヒットしたのですね。
自分の感性にピタッとくる演奏に出会えたときは幸せですよね。
by nyankome (2007-09-20 20:30) 

Cecilia

nyankomeさん、nice&コメントありがとうございます!
ショパンが・・・というより、Dmitri Alexeevにヒットした・・・という感じです。
ショパンは通して聴いてみないとまだよくわかりませんが、試聴する限りでは私の感性に合っています。
とにかく黒人霊歌の伴奏は素晴らしいですよ!
by Cecilia (2007-09-21 08:14) 

Papalin

> 旧ソ連のピアニストが奏でる黒人霊歌
確かに意外ですね。
by Papalin (2007-09-22 04:22) 

Cecilia

Papalinさん、nice&コメントありがとうございます!
この黒人霊歌集はPapalinさんには是非聴いていただきたいです。
とにかく伴奏がかっこいい!
私は調べて楽譜を手に入れようかと思っています。(ブックレットをよく見たら手がかりが書いてあったので。ただかっこよく伴奏できる人はいそうにないですが。)
ヘンドリックスは声が美しいだけでなく、精神性が声にもろに出ていると感じます。
ブックレットを見るとおうちが教会(黒人の教会ですね。)だったようですが、黒人霊歌の中で育った人の歌はやはり本物です。
黒人霊歌はジャズの原点・・・ということをあらためて感じさせられるし、こういうのを聴くとそこらへんで聴くゴスペルは上面だけの”まがい物”としか思えないです。
by Cecilia (2007-09-22 09:33) 

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