Let the bright Seraphim [声楽]
前の記事の続きです。
私のブログの記事やカスタムペインにはいろいろな絵画を載せています。
ほとんどがバロック・ロココの絵画で、このブログでよく取り上げる古楽と呼ばれるジャンルに関わりのあるものが多いです。
私のアイコンのSanta Ceciliaは聖人(聖女)と呼ばれる人間ですが、聖人や天使の絵もよく登場します。
しかしプロテスタント教会には「聖人」は存在しません。
又、「天使」に関しても神学的には様々な解釈があるようです。
しかし天使の絵画は美しいものが多いです。
又イラストなどに描かれる天使は非常に可愛らしいですね。
私は今でも天使の絵画・イラストは大好きです。
学生時代、大学の礼拝のポスターや宗教関係の新聞にカットを描くように頼まれたことが何度かあります。
そのような時、天使を描こうとしていたら厳しく注意されたことがあります。
担当の職員の方は牧師の資格を持つ方だったので、そのようなことに敏感だったのでしょう。
・・・ということで、それ以来天使の絵を描くことには抵抗感ができてしまいました。
無関係の方には、どうでも良いと思われることかもしれませんね。
さて・・・天使には様々な階級があるようです。
最近の記事で取り上げたケルビムは位の高い天使ですが、ケルビム・・・とくればセラフィムを忘れてはいけません。(対の存在として讃美歌などによく登場します。)
詳しいことはウィキペディアでもご覧下さい。
前の記事でご紹介したジョン・ミルトンの詩の下線部分にはセラフィムとケルビムが登場します。
そして・・・セラフィムと言えば忘れてはならないのがヘンデルのLet the bright Seraphimというアリアです。
私がはじめて聴いたのはキリ・テ・カナワの演奏でした。
- アーティスト: Olga Hegedus, Johann Sebastian Bach, Cesar Franck, Charles Gounod, George Frideric Handel, Felix Mendelssohn, Wolfgang Amadeus Mozart, Henry Purcell, Franz Schubert, Barry Rose
- 出版社/メーカー: Philips
- 発売日: 1990/10/25
- メディア: CD
11曲目で試聴できます。
この曲はキリ・テ・カナワの十八番らしくいろいろなCDに入っています。
トランペットを演奏する天使が登場しますが、トランペットが入った華やかで力強い曲です。
ヘンデルは英国国教会で活躍した人でしたね。
宗教曲・・・というよりも英国王室の威光を感じる作品です。
二度目に聴いたのはキャスリーン・バトルがウィントン・マルサリスと共演している演奏です。
- アーティスト: Johann Sebastian Bach, George Frideric Handel, Luca Antonio Predieri, Alessandro Scarlatti, Alessandro Stradella, John Nelson, Anthony Newman, Orchestra of St. Luke's, Kathleen Battle
- 出版社/メーカー: Sony
- 発売日: 1992/04/21
- メディア: CD
こちらは1曲目で試聴できます。
キャスリーン・バトルはヘンデルの歌をよく歌っていて、私はそれでヘンデルが好きになったようなものですが、この曲に関してはキリ・テ・カナワのほうが合っていると思います。
バトルのヘンデルでは「もしユバルの竪琴があったら」というアリアなどが彼女に合っていると思います。
どちらにしてもこの演奏もなかなか魅力的でマルサリスのトランペットが素敵です。
以前2人が練習している様子をテレビで見たことがあるのですが、もう一度見たいですね。
前の記事で載せたジョン・ミルトンの詩(下線部の前半)がこの歌の歌詞ですね。
このアリアはヘンデルのオラトリオ「サムソン」の中の曲でした。
Handel: Oratory Samson (in English)
- アーティスト: Handel, Pratchke, Chance, Lebroque, Budday
- 出版社/メーカー: Orchard
- 発売日: 2000/05/02
- メディア: CD
全曲試聴できます。(このアリアは最後から2曲目)
この曲は結婚式にもよく使われているようで・・・NAXOSのCD(Wedding・・・とあるもの)を見ると下の載せたもの以外にもたくさん入っています。
- アーティスト: Marc-Antoine Charpentier, Jeremiah Clarke, Gabriel Faure, Giovanni Gabrieli, George Frideric Handel, Felix Mendelssohn, Wolfgang Amadeus Mozart, Johann Pachelbel, Sergey Rachmaninov, Franz Schubert
- 出版社/メーカー: Naxos
- 発売日: 2006/01/17
- メディア: CD
A Bride's Guide to Wedding Music
- アーティスト: Johann Sebastian Bach, Ludwig van Beethoven, Georges Bizet, Luigi Boccherini, Johannes Brahms, Marc-Antoine Charpentier, Fryderyk Chopin, Jeremiah Clarke, Claude Debussy, Theodore Dubois
- 出版社/メーカー: Naxos
- 発売日: 2002/02/19
- メディア: CD
両方とも同じ人の歌のようです。(全曲試聴できます。)
(追記)先ほどから追記ばかりしています。
この曲は故ダイアナ妃とチャールズ皇太子の結婚式でキリ・テ・カナワが歌ったらしいのですが、そうだったのですか!
そうだとしたらいろいろなことが納得できますね。
ウィントン・マルサリスは間近で聴いたことがあるのですよ。(大阪ブルーノート)循環呼吸でブレスなしに吹いていてびっくりしました。
キャスリーン・バトルのCDは何枚か持っていますが、クリストファー・パークニング(ギター)と共演した「アヴェ・マリア」では、可愛い声でダウランドを歌っています。
by nyankome (2007-03-15 20:37)
こういう風に宗教曲を調べてみると、曲の理解度が深まりますねぇ。
↑のバトルさんとマルサリスさんのCD、持ってます~。
ほんとにトランペットが華やかで、結婚式に合っていますね。
同居人がジャズを聴きますので、クラシックと、ジャズのマルサリスさん両方の演奏を聴いて楽しんでます。
by スザンナ (2007-03-15 23:01)
一般的な日本人よりはキリスト教に詳しいつもりなので、
西洋の絵画を見るのに有利だな…なんて思っていましたが、
プロテスタント信者の私には、聖人という落とし穴(?)がありました(笑)
ウフィッツィからダ・ヴィンチの『受胎告知』が届いたようですね。
フィレンツェ見たときはマリアさまに注目したので、今度はガブリエルを
じっくりと見て来ます。
by のの (2007-03-15 23:56)
nyankomeさん、nice&コメントありがとうございます!
マルサリス、聴かれたのですか~!
うらやましいです。
私はブルーノートには行ったことがないですが、夫は何度か行っています。
バトルのそのCDは一度だけレンタルして聴いた記憶があります。
そのダウランドをもう一度聴いてみたいですね。
バトルみたいなオペラ歌手はいませんよね。
自然な声だな~と感じます。
by Cecilia (2007-03-16 08:29)
スザンナさん、nice&コメントありがとうございます!
私はバトル&マルサリスのこのCDは持っていないのです~!
欲しくなりました!
トランペット・・・と言えば、結婚式でよく演奏されるパーセルのトランペット・チューン、クラーク(?)のトランペット・ヴォランタリー、ヘンデルの「メサイア」の中のトランペットが活躍するバリトンのアリアといい・・・英国音楽でトランペットは活躍しますね。
これも近いうちに記事にしたいと思っています。
by Cecilia (2007-03-16 08:38)
ののさん、nice&コメントありがとうございます!
↑でスザンナさんへのコメントにも書きましたが、私は長いことトランペット・ヴォランタリーもパーセルだと思い込んでいましたが違う人の曲だったのですね。
ダ・ビンチの「受胎告知」・・・朝日新聞で見ました。
東京が近ければ是非行きたいところですが・・・。
マリアに関してもカトリックとプロテスタントでは捉え方が違いますよね。
by Cecilia (2007-03-16 08:44)
ご紹介のヘンデルのサムソンは,あのメサイアの直後に作曲されたオラトリオで,確かミルトンの3つの作品を用いたテクストにより作曲され,劇的オラトリオとされているものの一つですね。
このメサイアとサムソンが作曲されたという1741年は,ヘンデル最後のオペラ,デイダミア(リンクさせていただきました。)
http://www.amazon.com/Handel-Deidamia-Complesso-Barocco-soloists/dp/B000296HDS/ref=sr_1_1/002-3215962-1336009?ie=UTF8&s=music&qid=1174134487&sr=1-1
が作曲された年でもあり,この後ヘンデルは,多くの英語による優れたオラトリオを作曲し評価され,最後は偉大な英国の作曲家,ジョージ・フレデリック・ハンドルとして,ウエストミンスター大聖堂に埋葬されるという名誉を得たのですね。
ヘンデルは確かにかなり優れた音楽家でしたが,彼の伝記によると,七転び八起き,困難を克服した不屈な闘志と,周りをパッと明るくする持ち前のユーモアによって,すばらしい友人,知人,パトロンを得られたことも,彼が忘却されなかった理由の一つだったと思います。
当方,ヘンデルの音楽も,伝えられる人物像も,ともに大好きです。
長々と失礼いたしました。
by fallschirmjager (2007-03-17 21:54)
fallschirmjagerさん、コメントありがとうございます!
試聴しようと思ったら調子が悪くてなかなかできませんが、早く聴きたいです。
昔英会話を教わったイギリス人の先生方が「ハンデル」と呼んでいましたね。
大学時代毎年メサイアを演奏しましたが、そのことが私にとっても誇らしい思い出です。(今はしたくてもできませんから。)
ヘンデルやバッハの音楽・・・下手な説教を聞くより余程キリスト教の真髄がわかるのでは・・・と感じる私です。
以前「ロデリンダ」をテレビで見ましたが、(演出はともかく)気に入りました。
私もヘンデルの音楽、伝えられている人物像共に好きです。
by Cecilia (2007-03-18 10:18)
どうもです。
一ヵ月後にリコーダーを演奏するのですが、昨年末からちょっとヘンデルに拘っています。年末の年越しミサでは、イ短調を演奏させてもらいましたので、今回はヘ長調のソナタを演奏します。同時代のテレマンのソナタと比べますと、使っている音も低く、落ち着きがあって、いまはとてもお気に入りです。ちなみにアンコールがあったら、オン・ブラ・マイフを"歌う"予定です。あひゃ!
音楽と美術、芸術、Ceciliaさんはリンクされていて素晴しいです。私も画は好きですが、なかなか連鎖しません。(笑)
牧師さん・・・なにも、自分の目に囲いをつけなくてもいいのにねって思いました。
by Papalin (2007-03-19 23:55)
Papalinさん、nice&コメントありがとうございます!
ブログもHPも拝見させていただいています。
そちらのブログは記事ごとにスキンが変わるのですね!
驚きです。
それとカトリックでいらっしゃるのでしょうか?
ミサのなかでヘンデルのソナタやオンブラ・マイ・フ・・・プロテスタント教会では考えられません。
一度知人の結婚式でリクエストがあったので、式の中でオンブラ・マイ・フを歌いましたね~!(深く考えたらアレかもしれません。)
礼拝でリコーダーを吹いたのはクリスマスに聖歌隊の「牧人ひつじを」のオブリガートを担当したことだけです。
地方の教会だと仕切りたがり屋のおばちゃんなどがいるので、なかなか思うようにはいかないのです。
Papalinさんのブログ・・・すごく充実していて見始めると止まりません。
by Cecilia (2007-03-20 08:44)
プロテスタントです。
ノルウェージャン・ミッションです。
でもなぜか「ミッドナイト・ミサ」でした。
いわゆる形式ばったミサではなく、村の小さな教会に信徒が集まって、過ぎた一年間の"証し"をし、みんなで一緒に年を越す、という集まりです。だから名前はどうでもよいのです。僕は形にとらわれないこの教会が大好きです。
仕切りたがり屋のおばちゃん・・・近くの教会などで、その手の話をよく聞きます。幸いなことに、この教会にはいません。(^-^ ) ニコッ
> 見始めると止まりません。
聞き始めても止まらないので、中毒になりませんよう。(笑)
しかしCeciliaさんは、よく勉強していらっしゃる。
by Papalin (2007-03-20 21:48)
Papalinさん、再コメントありがとうございます!
ノルウェージャン・ミッションというのは初めて聞く派ですね。
私はいろいろと渡り歩いたのが自慢で(!?)、教会ごとによく歌われる讃美歌が違うのを肌で感じてきました。
機会があったらそれについて書きたいのですが・・・。
ノルウェージャン・ミッション・・・というと何となく「バベットの晩餐会」に出てくる教会をイメージしてしまいます。
ちょっと調べてみますが違うのでしょうね。(映画ではかなり保守的でしたから。)
家庭的で暖かい教会なのでしょうね。
仕切りたがり屋のおばちゃんのような存在が必要な時もありますが、そのせいで皆が物を言いにくくなっているのも事実だったりで、私は以前その方と大喧嘩をしたことがあります。(引っ越した今となっては懐かしい・・・)
昨日は急にクリーガー(クリーゲル)のメヌエットが気になって検索しまくりましたが、どう検索してもPapalinさんが出てきましたよ。
それで聴かせていただきました。
又あらためてコメントに伺いますが(コメントはso-netのほうでさせていただきますね。)、これはもともとリコーダー曲だったのでしょうか?
ピアノ曲集にも入っていますが(プレ・インヴェンションとか)、チェンバロ曲だったのでしょうか?
非常に気になっています。
それとパーセルの曲を使ったブリテンの「青少年のための管弦楽入門」に使われたあのロンドも調べていたら、Papalinさんが・・・!
by Cecilia (2007-03-21 06:53)