王は太鼓をうたせた・・・『アンジェリク』に登場するシャンソン [声楽]
ずっと気になっていた曲がありました。
『アンジェリク』という漫画(木原敏江)の中に出てくる「王は太鼓をうたせた」です。
この漫画と原作については以前書きました。
美しい金髪と碧の眼を持つヒロインアンジェリクにルイ14世が興味を示す場面で出てくる曲です。
原作のルイ14世はもっと誠実なところもあるのですが、漫画の中では好色な王という側面が強調されていて、ちょっと残念です。
この曲が出てくる時、アンジェリクが従兄のフィリップと夫婦関係にありました。
「余に忠誠心があるのなら、美しい妻を譲れ。」・・・そういう場面ですね。
検索してみて結構有名なシャンソンだということがわかりました。
フランス語では "La Roi A Fait Battre Tambour"です。
※試聴できるものを以下に掲げます。
イブ・モンタンも演奏しています。 ♪
日本人のシャンソン歌手中津洋子さんの弾き語りはこちらです。 ♪
この方の演奏は私好みです。 ♪
一番当時の演奏に近いと思ったものはこちら。 ♪
追記(8・20)
昨日は時間がなかったので書けませんでしたが、日本語による歌詞です。(漫画の中に出てくるものです。)
ドラムを叩けと王は言う
わが美女どもを集めよと
侯爵 知るなら余に告げよ
中でもひときわ美しい雪白の肌のあの乙女は?
「陛下あれこそわが花よめ。花も恥らうわが花よめ!」
侯爵そなたは運がよい。あんな美人を妻にして。
そなたのまことを示したくば、今彼女をば余に譲れ。・・・・
「陛下はわれらが君主なれば、いかなるお求めにも応じます。
もしこれがほかの男なら横恋慕などはねのけますが」
「さらばわが恋わが命。何にも勝るわが希望よ。
主なる王には仕えねばならず、長い別れもやむなし。」・・・
王妃は送る。庭の白百合。
毒入りの花の香をかぎ、侯爵夫人はたおれて死んだ。
ほほえむ王妃の足もとに。
nyankomeさんが教えてくださったこのサイトに、フランス語の歌詞、楽譜、カラオケがあります。他のシャンソンもたくさん載っています。
秋田文庫から出ている漫画のあとがきで篠沢秀夫先生(学習院大学教授)がこの曲に触れていらっしゃいます。
この王様(アンリ4世)がよくいえば元気で庶民的、悪くいえば色好みで、町人の女房にも手を出し、またガブリエル・デストレを公式の恋人にしていました。この美女が、マルグリット、つまり悪名高い王妃マルゴの手先に暗殺されたといわれます。それを歌ったのが『アンジェリク』の中で何度も出てくる「王は太鼓をうたせた」に始まる古い民謡です。
篠沢先生はこの作品の背景についても詳しく書いていらっしゃって勉強になります。
こちらの第二巻のほうに篠沢先生の解説があります。
- 作者: A・ゴロン, S・ゴロン, 木原 敏江
- 出版社/メーカー: 秋田書店
- 発売日: 1995/05
- メディア: 文庫
シャンソンが古い歴史を持つことを、リュートを始めてから知りました。
この曲も17世紀のものなのですね。
シャンソンのHPを見付けました。
http://www.geocities.com/Vienna/Choir/7173/accueil.html
MIDIによるKARAOKEもあります。
by nyankome (2006-08-19 11:47)
nyankomeさん、nice&コメントありがとうございます!
情報をありがとうございます。
検索の過程でちらっと見たHPでした。全部はわからなかったので、教えていただいて感謝しています。楽譜もあって勉強になりますね。
ピアフも歌っていましたね。
by Cecilia (2006-08-19 13:44)
Cecilia様 初めまして、中津洋子と申します。
私の弾き語り「王は太鼓を打たせた」をアップしていただいてありがとうございます。とても嬉しいです。
来週からカルチャーセンターのお教室でこの歌を練習するので、曲の資料をネットで探していたところ、 Cecilla様のブログを見つけました!
Cecilla様ブログ素敵ですね、ゆっくり拝見させていただきますね。
by 中津洋子 (2014-03-29 17:22)
中津洋子さん、コメントありがとうございます!
この記事はもう8年も前の記事だったということに驚いています。
この頃はブログ記事に時間をかける余裕があったのですが最近はまったくの放置状態になっています。
この曲をどうしても聴いてみたいという思いで散々調べて書いたことが昨日のように思われます。
動画の演奏者ご本人からコメントをいただけるなんて大感激です。
せっかくコメントいただきましたのにお返事が遅くなり申し訳ありませんでした。
by Cecilia (2014-04-15 12:06)