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こうして戦争が身近に感じられるようになるのか [ロンドン同時多発テロ 現地レポート]

僕は今回の事件は「ひとつの戦争のワンシーン」だと思っている。つまり、今回のロンドンの同時多発テロは「テロ」という特別に卑劣な行為なのではなく、普通の「戦争行為」であると、僕は認識している。ただ、今回のケースは、ひとつの国と国が戦っているという構図ではない。

今日、とある日本人の方と話していて、話題がテロに移った。ぼくが「この戦争が早く解決しないだろうか。この戦争が終わらないとテロは止まないだろう」と言ったら「なんの戦争?」と言われてしまった。

うーん。ロンドンのテロ事件については、もう少し書いておかなければならないような気がする。日本語で書かれているいろんな人のブログや、ニュース記事を読むにつけ複雑な気持ちになってくる。それはもちろん僕がロンドンに住んでいて、乗りたくもないバスや地下鉄に毎日乗らなくてはいけないという、そういう日常生活的なリアリティーと、日本にいるひとたちのそれとのギャップなのかもしれない。日常生活のなかで、自分が殺されるかもしれないという感覚と、殺されても誰にも文句をいえないのだという覚悟は、意外としんどいものだ。

テロの日常化ということは、とりもなおさず、戦争中なのだということをロンドンにいながら、少しずつ日常の生活レベルで感じることができるようになるということだ。そんなものは感じないでいいのなら、感じないにこしたことはない。それを感じなくて良いのが「平和」である。東京でも日常的に戦争を感じるようになるのだろうか。僕はそれを恐れる。

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コメント 11

あいみん

なかなか読みごたえのあるプログですね。日本に住んでいると日常的に命のやり取りは感じられない。その事は「平和」であり良い事だとは私も思います。
テロはあくまで「一つの兵法」であると思います。自分より強く組織化された集団に立ち向かうには有効な手段である事も唯一の損害を与える方法である事も。だからこそ単純なテロ=悪、テロとの戦争=善と言う構図はテロと言う方法を使う集団と国の暴力組織である軍隊との「戦争」に他ならないだと思う。
元々戦争なんて物に正義も悪も無い。単純に効率良く合理的に相手に人的・物的被害を与えられるかだけなんじゃないかな。
願わくば殺される覚悟なんかしなくて済む世界が訪れて欲しいものですね。
by あいみん (2005-07-24 19:00) 

三平太

あいみんさん、コメントありがとうございます。おっしゃる通りです。そういう意味では今回のテロは、人的被害を最小限にとどめ、最大限の効果を引き出すことに成功していると思います。中には政府陰謀説(田中宇の国際ニュース解説http://tanakanews.com/f0719London.htm)みたいなものもありますので、なんともいえないのですが、、、。
より大局的な観点を持てるように、遅ればせながら孫子の兵法を勉強しようかと思っております。いずれにせよ安心して暮らせる世界が拡大していくことを願います。
by 三平太 (2005-07-24 23:31) 

usagi

歴史を辿ると宗教戦争や領土争い、経済戦争などなどあります。原因や、結果的には何が戦争終了の決め手になったかにも、様々な形があるようです。この戦争はどんな形なら終わらせる事ができるのでしょう。何となく終了の形というか、ビジョンみたいなものが見えてきて、それが両方の人々が共有できるといいな、と。ランスアームストロングの腕輪ではないけれど、何か実態を伴った形で平和への思いを共有したいと思います。
by usagi (2005-07-25 01:19) 

三平太

どんな形で終わらせるのか。ほんとにそうですね。。usagiさんのコメントで、ぼくも終了のビジョンを持つことが大切なことに気づきました。アームストロングの腕輪ですか。今調べたのですが、これは自転車競技ツール・ド・フランスで6連覇の選手、ランス・アームストロングが創設したガン闘病基金が「気軽なガン患者支援」のために売り出したものだそうですね。ほんとうに、そういう形でだれもが共有できるものを築いていきたいですね。
by 三平太 (2005-07-25 06:58) 

春日野

はじめまして、こんにちは。 http://32188062.at.webry.info/  にきていただきどうも遅くなりました。あなた様の部屋はとても奇麗でまとまりがありますねぇ。ロンドンに在住とのこと、御身くれぐれも後安全を祈ります。先ずは挨拶まで。
(イギリス, ロンドン における現在の日付・時刻:=2005年 7月 25日 3:51a.m.に書き入れました)
by 春日野 (2005-07-25 11:53) 

春日野

誤字を書き入れてしまいました、失礼しました。御詫びして訂正させていただきます。

誤り>くれぐれも後安全を祈ります。
訂正>くれぐれもご安全を祈ります。
by 春日野 (2005-07-25 11:57) 

AMNESIac7

トラックバックどうもです
そうですね、テロは戦争のひとつの形でもありますね
自国内で行われるゲリラ行為と違って、相手本拠に侵入してのゲリラ行為
いまや、イラク戦争に加担したとされる世界の国々がすでに準戦争状態にあるといってもよいのかもしれません

ですが、ボクは「アルカイダ」という団体が絡んだテロリズムに関していうと、
実際のところかなり半信半疑といいましょうが一信九疑くらいの感覚だったりします
というのも、アルカイダはアメリカCIAがアフガニスタンでの戦争を長引かせ、ソ連にいやがらせするために支援・育成したという歴史があるからです
いまもアルカイダの一部(上部)とCIAが繋がっているという疑念が常に頭にもたげています・・・ので
by AMNESIac7 (2005-07-25 20:24) 

happy

ロンドン、エジプト、レバノン。。。テロのニュースばかりですね。イスラム国にいるので、複雑です。アラブの人たちはとても純粋です。最近では新聞の投稿欄なんかにもテロについての投稿や、イスラム教の理解を深めようとする投稿が目立ちます。このまま戦争になっちゃうのかな~。とっても心配です。
by happy (2005-07-25 22:31) 

igakiti

平和ボケなんですね。
どうしてもテレビの画面の中の世界っていう感覚が拭えない。
きっと打たれ弱い人間になっているんだと思う。
そんな人間が沢山いる日本に戻ってきて、三平太さんはどんな思いを抱くんだろう?
またお邪魔します!
by igakiti (2005-07-25 23:49) 

リンム

こっちもね~、なんだか、物騒な感じになりつつあるよー。平和と言われてる(らしい)日本の中でも特にのどかなこの街だけど、かすかに嫌な感じがするのは、気のせいなのか?それとも、本当に嫌な方へ向かってるのか?
by リンム (2005-07-27 02:24) 

三平太

春日野さん、こんにちは。

コメントありがとうございます。春日野さんのブログで拝見した「東京・町田で企画された『小中学生向け靖国ツアー』には賛否の声」、興味深く読ませていただきました。「靖国問題」は、個人的にはできるだけ避けたいの話題なのですが、避けて通れない問題なのかなとも思っています。

AMNESIac7さん

なるほど。田中宇氏もそう言う考え方ですよね。結局は全て手前みそなのだと。あまり陰謀説にのめり込まないようにしているのですが、そういった可能性、もしくは類似の可能性が十分にあることは考えに入れておかなければいけないと思います。

Happyさん

デイツの記事で、おや? とは思っていたのですが、イギリスに居られると勘違いしていました。イスラム国にいると、またぜんぜん違った観点や感じ方があるのでしょうね。イスラエルを含め、イスラム諸国を訪ねてみたいです。

igakitiさん

はじめまして。海外生活がながい人が日本に帰ると、海外に出た時に体験したのと同じようにな文化的なギャップ=「逆カルチャーショック」を体験して、慣れるまで時間がかかるという話があります。帰国後は「逆カルチャーショック報告」しますね。お楽しみに。

リンムさん

ご無沙汰してます。「我が心の故郷サッポロ」でそういう雰囲気が感じられるのは残念なことですね。実際がどうであれ、自分たちの周りからいい方向に持っていけるといいですね。
by 三平太 (2005-07-27 21:29) 

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