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「学び」で組織は成長する [読書日記]


吉田新一郎著『「学び」で組織は成長する』                    光文社新書、2006年1月

出版社/著者からの内容紹介
上司が学ばない、部下が学べない
そんな組織を変える!

日本におけるほとんどの組織では「学び」が不在であるために、様々な問題が引き起こされている。従来の学びといえば、ただ講師の話を聞かされる「やらされるだけ」「役に立たない」「楽しくない」「身につかない」研修のみ。なぜ、いままでは学ぶことができていなかったのか?どうすれば、組織のなかに効率的で「成長できる」学びを生み出すことができるのだろうか?本書では、企業、行政、学校、NPOなど、あらゆる組織で使える学び方、二十二例を詳しく解説。これまでの研修のイメージが変わり、自分と自分の組織に合った学び方が必ず見つかる。

最近、社員研修のデリバリーの仕方をどう工夫したら効果的な学習ができるのかといろいろ考えることが多い。本書の冒頭で、著者が6、7年前に出した『会議の技法』からの引用で、多くの組織が、①コミュニケーションがうまく取れない、②上から降りてくるものしか実行できない、③こなすだけで精一杯、④考えない人が多すぎる、⑤チームとして機能していない、などの問題を共通に抱えていると指摘している。これらは全て今僕が自分の組織について感じている問題である。そして、著者は新刊書の中で、これに加えて⑥学んでいる人が少ないという問題をさらに指摘している。要は組織の中に学びがないというのである。

本書はその、組織の「学び」を促す様々な方法を紹介している。まあ、22もあれば全て紹介することは難しいので、僕がブログに感じている「学び」の可能性についても触れていることぐらいは述べておこう。

昨秋から始めた昼休みの自主勉強会も、方法論としてはありらしい(「哲学クラブ」という名称だったが)。それと、昔働いていた米国の会社では、やたらと「リトリート」と呼ばれるオフサイト・ミーティングをやっていたが、オフサイト・ミーティングも年1回くらいなら職場を離れて組織の方向性を皆で確認するにはいいらしい。残念ながら、日本では社員旅行は若い世代に敬遠されがちで、今の僕の部署では企画が全然ない。職場の中でのミーティングでは、革新的なアイデアというのはなかなか生まれてこないかもしれない。米国の職場の同僚からは、「お前達日本人は、インフォーマルなリトリートは毎晩のようにやってるだろう?」と皮肉られたことがある。飲み会のことだが、それすらややもすると敬遠されがちである。毎晩リトリートというのは僕も勘弁願いたいが、単なる親睦を目的としないリトリートなら、年1回くらいはやってもいいのではないかと思う。

著者は「サバティカル」も職場を一定期間離れて斬新な発想を生む良い機会であると述べている。いわば長期休暇の勧めのようなものだが、完全に頭を休ませるというよりも、別の視点で物事を見てみようということなのだと思う。仕事が回っていないとついつい休暇も控えがちであるが、無理してでも距離を置くことは必要なのかもしれない。

最後に、メーリングリスト(ML)。僕は職場の中でのメールのやり取りがあまり好きではない。MLのように複数の人に同時に情報発信する場合はやむを得ないが、1人のスタッフにメッセージを送るのにメールを使用するのはあまり良い気がしない。キーボードをたたいている間に口頭で言ってくれれば済むことだろうと思うからだ。複数のスタッフに同時に情報伝達できるからといってメールを多用するのもどうかと思う。組織には一応、「一般社員」⇒「係長」⇒「課長」のタテの連絡・報告のラインがあると思うのだが、最近、係長の僕と上司に部下から同時にトラブルの報告メールを出されたことがあり、僕がすぐに気付かないうちに上司である課長がそれに反応し、「あなたも善後策の検討に加わりなさい」と暗に批判される内容のメールをもらってしまった。(それをメールで返信しちゃう上司も同じようなものだと思うが。)

何にせよ、メールの多用は注意が必要だ。本書でも指摘されているように、出した相手がすぐに受信メールを開封して読んでくれているとは限らないからだ。


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コメント 2

NO NAME

状況にもよりますが、トラブルをメールで報告というのは、センスがないと思います。部下も部下だが、課長も課長ですね。「悪い報告ほど早く。」
by NO NAME (2006-02-08 08:36) 

Sanchai

どなたかは存じませんが、コメントありがとうございます。
トラブル報告は直属の上司に先ず口頭で第一報を入れるよう
部下には指導しました。
by Sanchai (2006-02-09 03:34) 

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