エイズを巡る親子の会話 [家族]
今、帚木蓬生著『アフリカの瞳』 (講談社、2004年7月)を読んでいるところだ。430頁の大作だし、今週末も子供絡みの行事がいくつかあったので、読むのは遅々として進まないが、暇を見つけては読むように心がけている。南アフリカに蔓延するエイズの話だ。読み終わったら、僕の超真面目なもう1つのブログの方で書評でも書いてみようと思う。
ところで、昨夜、子供達を寝かしつけるために長男と娘と一緒に布団に入りながらこの小説を読んでいた時、親子の間にこんな会話があった。
娘: ねえ、お父さんは何読んでるの?
父: アフリカで流行っている病気の本だよ。この病気にうつると、ほとんどの人が10年ぐらいしてから病気にうつっていたことがわかる。その間は元気だからなかなか気がつかない。その間に赤ちゃんでも産んだら、その赤ちゃんも病気がうつったままで生まれてくるんだ。だけど、そうしてうまれてきた赤ちゃんも、すぐに死んじゃうんだ。
娘: お薬で治らないの?
父: ちーちゃんたちはちょっと熱があったりしたらお母さんがすぐにお医者さんに連れて行ってくれるけど、アフリカにはお医者さんの数が少ないし、アフリカにはお金を持っている人は少ないから、病院に行くのはお金がかかるので行けない人が多い。それに、病院に行けたとしても、今度はその病気を治すための薬がまたとても高いので簡単に買えないんだよ。
(暫く、娘は考え込んでいる様子)
父: それじゃあ、どうしたらいいんだろうね。
長男: わかった。日本が助けてあげればいいんだ。日本だけじゃなくて、他の国も助けてあげればいい。
父: 助けてあげるのはいいことだと思うよ。でも、アフリカの人たちが、「他の国が自分たちを助けてくれるんだから、病気にかかっても平気さ」と思ってふだんの生活を変えなかったらいけないよね。大事なのは、自分たちで病気にかからないように気をつけたり、お薬が買えるように頑張って働いたりすることなんだ。だから、日本は助け過ぎてもいけないんだよ。
おやすみ前のちょっとした会話であったが、遠いアフリカで起こっている大きな問題に関して、少しでも興味を持ってくれればいいなと思った。援助では全てが解決できるわけではない。大切なのは、アフリカの人々が自分たちで立ち上がり、解決に向けた取組みを強めていくことなのだ。
父親が読んでいる本に興味を示してくれるようになった子供たちに少し喜びを感じた一幕でありました。
いいパパしてるね。
by ハンデクラルト (2005-11-28 21:28)
世界の貧しい人々の話をまともに聞いてくれたのはこの日が初めてでした。
by Sanchai (2005-11-29 00:37)