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クリスマス・ショッパーズ 前編 [国外旅行]

12月9日(金)~11日(日) 晴れ、でも英国も大陸も濃霧
 11月末から世間はクリスマス・モードだが、この時期には英国内外へのクリスマス・ショッピングが盛んになる。国内でも良いマーケットを開くところはあるようだが(例・隣街のサンダーランドはドイツから旅香具師がやってくるし、ここNewcastleでも開かれている)、やはり人気は海外のようだ。これには別の理由もあるのだが、それは後編で。今回はバスツアーである。この格安飛行機の時代、何故わざわざ延々バスに乗り続けて大陸に行くのか…という理由も、後編で。

 今回利用したような全国規模の会社の場合、イングランド各地のバス会社から運転手ごと借り上げたバスは、まずその地元に近い地域の客を乗せて1箇所(今回はユーロトンネルに近いKentの高速道路のSA。ドーヴァー・フェリーの場合もあり)に集合する。集合場所でそれらのバスはそれぞれの行き先(パリ、ドイツ、ブリュッセル、etc.)に変更され、客もそれぞれの行き先に乗り換える、といった仕組み。国外へのバスツアーのシステムが分かって興味深い。料金は140ポンド(約30000円)、ホテルはビジネス系で朝食のみ。
 面白いツアーだが、最大の難点は所要時間。大陸に渡ってからはせいぜい5~6時間といったところだが、なんせ我がNewcastleはイングランドの北の端。ドーヴァーにたどり着くのには(途中の乗降も含め)8~9時間を要してしまうのである。これにユーロトンネルの待ち時間やら昼食・夕食(間違っても日本のように移動中の食事はついていない)やらを含めると、ほぼ20時間くらいの長旅を覚悟しなくてはならない。この点についてはロンドン在住者や南部イングランド在住者には有利であろう。
 そんなわけで、Newcastleでの集合時間は午前3時30分。電話してタクシーを呼んでちゃんと来てくれて無事にCentral Stationまでたどり着きはしたが、さぶい。


 さて、ユーロトンネル。列車はもちろん通るが、車も専用貨車に積んで通ることが出来る。乗用車用の2階建て車両と、バス用の一層型、あとトラック用の無蓋貨車がある。運賃に関しては分からない。

 2階建てなのが分かるでしょうか?

 バスはこんな開口部から乗ります。

 午前中の列車が運休した(いつもの英国流だ!)とかでかなり待たされて、ターミナルで時間をつぶしていた(免税品店あり、しかしあまり安くない)のだが、やっと積み込みとなった時に2人ばかり乗り遅れたらしく、運転手がイライラしながら待っていたがついに見捨てて発車!どうやら後続の同会社のバスに乗ったようだったが。しかしそのあと積み込み待ちでも1時間近く待たされた。勘弁してくれっちゅうねん。ちなみにフランス側へはパスポートチェック一切なし。帰りはカレー(フランス側)で乗り込む前に全員降りて審査。まあ、ヒースローのように厳しいということは全くなかった。

 内部はこんな感じで、構造上仕方ないが空間がない。おまけに空気も良くなくてしんどくなる。実際の所要時間は20分程度のものだが、自分で選択しては絶対乗りたくない。フェリーの方が良い。

 フランス~ベルギー~オランダを経由。途中ベルギーで夕食。SAのファミレスのようなところだったが、高い。英国よりはややましだが。この値段は消費税率の高さ(21%!ただしパン・サンドイッチ・水・ジュースは6%)から来るもののようだが、スープの横に添えてあるパンやマヨネーズの小パックが別料金だったり、ベネルクス人はケチだという評判は正しいのかもしれない。ただし、スープやビールの味は良かった。
 やっと宿に到着したのは23時(時差1時間。18時間半かかった計算)。英国人たち、含む2名の日本人、は早速ホテル内の小さなパブへ殺到。(笑)宿泊地はレバークーゼン。フットボールでも有名な街だが、今回の目的地ケルンからは北へ20分、ボンへも1時間圏内の便利な街。製薬会社BAYERの本社工場があって、観覧車みたいな電飾がそびえ立っていた(写真後日)。ホテルの若い当直は義理の叔母が日本人だとかで日本びいきであったが、その叔母の口癖で覚えた数少ない言葉が"Yoshi-Nasai!!"だって。(苦笑)意味はちゃんと"STOP IT!!ですよね?"と、知っていた。
 帰りは8時半に出発し、いろいろ寄り道しつつ(後編参照)今度は順調にトンネルを通過したのだが、なんと今度はロンドンの北西郊外のHertfordshireで戦後最大級(!)の石油備蓄基地の爆発事故が朝に起こったとかでM1(高速国道1号)が閉鎖、渋滞と回り道で家にたどり着いたのはやっぱり夜中の4時だった。でも最後の乗客だったので、観光バスが家の近くまで運んでくれたのは助かった。爆発はテロではないようだが、出火から丸2日経った今現在でも燃え続けている。負傷者は出たが死者が出なかったのが不幸中の幸い。

 さて、3日のうち2日は移動その他に費やされるので、2日目だけがドイツ観光となる。
 まずケルンKöln/Cologneへ。D.自身は1999年以来の再訪だ。

 ケルンと言えば大聖堂Dom。13世紀に着工し、19世紀にやっと一応の完成をみた(今もずっと修復中)高さ157mのヨーロッパ最大級のゴシック建築。昨年バルセロナでサグラダ・ファミリアを観て登った時の感動も忘れがたいが、最初にケルンを訪れた時の感動には及ばない。大きく、迫力があり、そして分かりやすい双塔で非常に美しい。中央駅を出たとたん目の前にそびえたつのもまた良い(もちろん、駅が出来たのが後なのだが)。

 塔の上からライン川を望む。ケルンは鉄道と同様にライン川水運の中心地でもあり、いわゆるローレライを含む美しい眺めを楽しむことのできる遊覧船も運航されている。前回乗ったが、非常に優雅であった。


 さて、クリスマス・マーケット。ケルンは街の中で5つのマーケット(常設のNeu/NewとAlt/Oldの2つを含む)を開催している。売られているものは様々だが、圧倒的に多いのは食べ物と、キャンドル立て。定番はTamaが手に持っているこれ、Gluh Weinである。英語ではMulled Wineといって、赤ワインに果汁・スパイス・香草を入れて煮たもの(ラム酒を入れてもらうことも出来るようだ)。甘くスパイシーなホット・ワイン。一杯2.5~3ユーロ(400円前後)で、ほぼ同額のデポジットでこのブーツ型のコップももらって帰れる店もある。ケルンとボンで1種類ずつ集めた。


 午後、ボンBonnのマーケットにも移動。西ドイツの首都、大学の町、という印象しかなかったが、コンパクトにまとまった静かな街で、マーケットもこちらの方が楽しめた。観光客向けのケルンよりも、ドイツ人たちがやってきて買い物を楽しむといった風情で、英語の聞こえる率が低い。それでも店員は辛うじて英語が通じるのがドイツの良いところで、片言ドイツ語と英語のミックスでも嫌がらず相手をしてくれた。キャンドル立てなどはどのマーケットでも同じようなものを売っているようだが、ケルンよりボンの方が若干安く、またじっくり選ぶ余裕があった。最近夫婦でキャンドルライトに凝っているので多数購入したが、どれもせいぜい5~10ユーロ(700~1500円)くらいのもので大きな出費にはならなかった。ただ、精巧な家型の陶器のキャンドル立て(実在する家を模したもの)は50ユーロ(7000円)以上するのでやや高かったが、どうしても気に入って60ユーロのヤツを購入した。この写真は近日Tamaのブログで。


 夜は再びケルンに戻り、街を歩きつついくつかのマーケットを巡る。人が増えて賑わいはあるが、落ち着いて買い物をするといった感じではなく、むしろワインやビールでほろ酔いしながら屋台を冷やかす感じになってしまう。買い物をするなら昼が良い。ただし、この電飾の美しさは何と表現すればよいだろう。単色なのだが、大陸の冷えた冬をとても暖かく彩る、心温まる美しさとでも言おうか。昨年ウィーンを11月中旬に訪れた時にももうクリスマス・マーケットは始まっていて、市庁舎前広場にはやはり美しく、温かい電飾が広がっていた。短い日照時間は辛いが、この感動的な光は何にも代え難いものがある。

 おまけ。

 大聖堂の前で。Tamaはあまり気に入っていないようだが、女性のこういうアクティブな雰囲気の明るい表情が昔から大好きである。そういう表情をできる女性と一緒に旅をできるのは嬉しいことだ。


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コメント 2

SHIN

100回は行ったかな、出張の日本人の案内で。

なつかしさバクハツ。
です。

はい。
by SHIN (2005-12-14 07:03) 

KDN

それはそれは。とくにケルン~デュッセルドルファーのライン川観光船は日本人にウケたでしょうね。なぜかローレライって知ってますもんね、僕たち。
実はもっと観光したいのですが、ケルンもボンも名所はほとんど観られていないのです。また行きたいなあ。
by KDN (2005-12-14 09:39) 

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