SSブログ

中村俊輔の真実 [サッカー コラム]

 僕は現在の日本代表ではダントツで彼のファンです。彼がイタリアに移籍する前の日本での最後の試合も国立に見に行きました。彼は日本のファンタジスタです。

 日本がワールドカップ出場を決めた前日にTBSの『バースデイ』という番組で中村俊輔が取り上げられた。番組を見ることができなかった方のために放送内容を再現します。

天才?
そんなものは決していない。
ただの勉強だ。
不断に計画している
ということである。          ロダン


『中村俊輔の真実』

 日韓ワールドカップの屈辱の代表落ちから3年、悲劇の男が選んだ試練の道、彼はその時々に感じた率直な思いをかかさずノートに書き残してきた。

「高校のときからやっているんだよね。高校のときにさメンタルのコーチみたいな人がいて教えてもらってそこからずっと書いている」

「目標とか。試合で気付いた事とか良かった事、悪かった事を書いたりとかそういう感覚的なことを文字に残しておいて、あとで自分のモノにならないかな探して…」

 ノートをびっしり埋める力強い文字、そこに綴られていたのは自らを奮い立たせんとする心の叫び、試合や練習で浮かんだプレーのイメージ…
そして日本代表への思いがこう記されていた。

『代表では10番らしいプレー 責任のあるプレーをしたい 限界をつくらない 上へ上へ』

日本代表出場記録 50試合12得点
ジーコJAPAN    28試合7得点9アシスト

 ジーコ監督が絶大な信頼を寄せる不動の司令塔、テクニックにかけては国内では彼の右に出るものはいない。天才といわれる芸術的なプレー。想像力あふれる絶妙なスルーパス。そして芸術的なフリーキック。そんな彼の全ての思いが集約される目標、それがワールドカップ。

 ワールドカップ予選 初戦のオマーン戦試合前

『なるべく少ないタッチ数 スペースに走る動き ダイレクトスルーパス ロングシュート』

『自分で自分の道を開く』

 

 2002年5月17日、俊輔は日韓ワールドカップの直前にまさかの代表落ち。中村俊輔という選手は当時の日本代表に必要とされなかった。

「まぁやることはやったんで 特に悔いみたいのはないし」

 サッカー人生最大の屈辱、W杯落選の真実の思いをこう綴っていた。

『逆にこの悔しさをステップにしてまた上に行けばいい。あの頃があったから今があると言えるように絶対に妥協しない 負けない』

「あれだけギリギリでワールドカップに行けないっていう人の方が逆に少ない。そういう悔しい思いをする選手は逆に考えると一握りじゃないですか。この悔しい思いを次のワールドカップまで忘れないで…」

 

 2002年7月、俊輔はイタリアセリエAのレッジーナに移籍。4年後のドイツワールドカップで屈辱を晴らすべく世界トップクラスの厳しい環境に身を置いた。もっと自分を高めたい。チームからの期待は大きく与えられたポジジョンは攻撃の中心司令塔。新たな環境で俊輔が何より重視したのは精神面だった。

『相手をこばかにしてやるぐらいの気持ちの余裕』

『気持ちで相手を上回る自信、闘志が必要』

 その言葉を胸にセリエAの舞台に立った俊輔は移籍1年目から大活躍。失いかけた自信を完全に取り戻した。

移籍1年目 32試合出場7得点

 俊輔が活躍するとサポーターはこんな歌で彼を称える

♪ブラジル人ではないけれど すごいゴールを決める レッジョのアイドル ナカムラ♪

「イタリアの ヨーロッパの中でもこの俺がいる環境はそんなに良くないんじゃないかな(笑)何もないからね。家帰ってきてグラウンド行っての繰返し」

 俊輔の自宅は練習場から車で10分のところにある3LDKのアパート。イタリアに来て3年、その間に生活は大きく変わった。昨年2月に結婚。年末には長男が誕生した。だが俊輔は絶対に公の場に家族を出さない。サッカーと家族は別それが彼の確固たるポリシーなのだ。

※ミルクとかオムツとかお風呂とかちゃんとパパをやっているようです(笑)

 

 海外で自信を深めた俊輔は日本代表での存在感を徐々に増していく。ジーコJAPANになって最初の公式戦(コンフェデ2003)では当時世界最強のフランス相手にスパープレーを連発。中でも圧巻だったのはゴールを決めたフリーキック。フィールドで誰よりも強い輝きを放った背番号10。日本代表に中村あり、と世界中に知らしめた。

 だがそんな俊輔に思わぬ試練が訪れる。一流選手の宿命とも言われる怪我との戦い。

「腰と膝と足首(笑)ボロボロだよ何か知らないけど(笑)」

 日本とイタリアを行き来しての連戦が彼の細い身体に想像以上の負担をかけていた。怪我の影響からレッジーナでも試合に出られない日々が続いた。一人別メニューをこなす中彼はノートにこんな言葉をしたためていた。

『試合に出られない でも落ち込む時間があるなら自分に足りないのは何かを考えて練習』

『努力をしろ』

 体調管理に悩まされた俊輔はイタリア3年目のシーズンに新たな試みを始めた。日本で実績のあるプロのトレーナーを現地に呼び寄せたのだ。

「今までいろんなとこで妥協していたところを3年目はいろいろ直していこうかなと」

 俊輔を心配してジーコもたびたびイタリアを訪れた。そして日本の悩める司令塔にアドバイスを送った。

「いいか俊輔 私にも同じような経験がある 無理をしないでゆっくり治しなさい」

 

 そしてついに復活のとき日本をアジアの頂点に導いたスーパーゴール(アジアカップ2004対オマーン戦での左足アウトサイドキックで決めたあのゴールです)。このプレーに秘められた驚愕の真実がサッカーノートに書き残されていた。

<シュートの弾道と左足をアップにしたイメージ図>

『左に出してすぐに切り返してまた左のアウトサイドで横に出してシュート』

そして、アジアカップ2004対タイ戦でフリーキックもサッカーノートに

<フリーキックのイメージ図>

『普通はファーに蹴るがあえてニアを狙う』

反射的にその場で身体が動くのではない、俊輔の芸術的なプレーは常日頃から蓄積されたイメージの賜物だったのだ。

 

 小学校3年のときテレビで初めてワールドカップを見て少年は胸の高鳴りを覚えた。4歳のとき兄の影響でサッカーを始め、周囲の大人も目を見張るほどの上達をみせた俊輔、ワールドカップの舞台に立つそれは彼にとって少年時代からのかけがえのない夢だった。

「ワールドカップってみんなテレビに集まってブラジルの映像とかよく映っているでしょ。テレビの前にみんなが集まってこんな注目する大会でプレーするのは凄いしそういう大会に出たいのは誰でも思うでしょ」

 そしてついに始まった夢舞台への挑戦。3年前に叶えられなかった悔しさを胸に俊輔はワールドカップ予選に挑んだ。しかしイタリアと日本を行き来する相変わらずな過酷なスケジュール。身体のあちこちが悲鳴をあげ本来のプレーができなかった。俊輔の存在感が際立つほど相手のマークも厳しさを増す。

 俊輔の身体に刻まれた生々しい傷跡がそれを物語っている。

「打撲だからいいんだけど足着いたりするとさ痛いんだよね。今日もまた蹴られたの」

 だが俊輔は怪我を言い訳にしたりしない。

『代表戦はたしかに悪かった。サッカーを楽しむためのメンタルコンディション。1週間で3試合コンディション的には難しい モチベーションをキープし自分のプレーに集中する 大切なのは次だ 失敗した次の試合 二度と同じ失敗を繰り返さないのがプロ、いい選手だ』

 そして迎えた大一番6月3日のバーレーン戦決戦直前ある決意を書き留めていた。

『自分のプレーをして勝利に貢献する。FWの動きを常に見ておく 1対1で絶対に負けない』

 俊輔のヒールパスから生まれた決勝ゴール。天才が努力の末に勝ち取った日本代表の真のエースとしての輝き。

 中村俊輔の新たなるバースデイは日本代表がワールドカップ出場を決めたときから始まる。

 

「」:コメント 『』:ノート


 どうですか?俊輔はこんなノートをず~と書いていたんですね。

 プレーイメージを書き留めていたことには驚きでした。とっさの判断で試合中に行っているのかと思っていたら常日頃考えたプレーを試合で実践していたんですね。

 そして俊輔の言葉はすごく前向きでいてストイック。数々の苦難を乗り越えた俊輔はこういった精神で努力を積み重ねてきたからこそ今があるのですね。現状に満足しない、より高みを目指す。

 印象に残る言葉・・

「限界をつくらない」
「自分で自分の道を開く」
「あの頃があったから今があると言えるように絶対に妥協しない」
「落ち込む時間があるなら自分に足りないのは何かを考えて練習」
「二度と同じ失敗を繰り返さないのがプロ」

 当然これらはサッカーだけにかぎらない。勉強や仕事などそれぞれの道、それぞれの場面で当てはまる。参考になり、支えになる言葉だと思った。みんなつらい思いをしているかもしれない。でもつらいのは自分だけじゃない。みんなそれぞれに苦しんでいる。そういったときにこれらの言葉を思い出して前に進んでいけたら…

 

 そして本日、俊輔の移籍話が持ち上がりましたね!!

俊輔スペイン移籍!6月中に正式決定

俊輔、スペイン移籍に意欲

正式に決定したらスペインで頑張ってきて欲しいですね♪ 俊輔がんばれ!!!

 

 

最後に関係ないですが、このブログも10000ヒットに到達しました!!
(残念ながら瞬間は見れなかった…でも前から読んでも後ろから読んでも…のときをゲット↓)

そろそろブログを始めて3ヶ月になるのですが1ヶ月では1000ヒット2ヶ月目では5000ヒット、そして3ヶ月で10000ヒットとなんだか急激に増えてきてます…

みなさんいつもご訪問頂きありがとうございます。今後ともよろしくお願いしますm(_ _)m


2005-06-11 22:22  nice!(6)  コメント(14)  トラックバック(1) 
共通テーマ:スポーツ

nice! 6

コメント 14

リュージ さん、はじめまして。シュンスケが試練を乗り切っている様がリュージ さんが書かれた記事から知れ、思わず一気に読ませていただきました。彼が持つ強い心に感服です。10,000Hitsおめでとうございます。
by (2005-06-11 22:41) 

リュージ

木鶏さん、はじめまして。nice!&コメントありがとうございます。
俊輔はトルシエからは冷遇されていましたが、
本人が言っているようにあの頃があるから今の彼があるんですね。
僕はこの番組を見てさらに俊輔が好きになってしまいました(笑)
10000HITS祝いのお言葉もありがとうございます^^
by リュージ (2005-06-11 23:12) 

だんち

10000ヒットおめでとうございます!
僕も俊輔の移籍前の国立行きましたよ!すごく暑い日でビールをガバガバ飲んだことを覚えています。
スペイン移籍成立するといいですよね。イタリアよりもずっと向いてると思うし。
努力をしていくことは、本当に大事だし素晴らしいことですよね。
読んでいて非常にやる気にさせられます!
by だんち (2005-06-11 23:41) 

リュージ

だんちさん、こんばんは。ありがとうございます!!
そうですか、だんちさんもあのとき国立に^^
おっしゃるとおり俊輔のような攻撃的な選手はスペインの方が向いていますよね。俊輔には常に感動とサッカーの楽しさを魅せて欲しいです!!
by リュージ (2005-06-12 00:10) 

ユウ

はじめまして。番組が見れなかったので、記事にしてくださってありがとうございました。わたしも俊輔が大好きです。技術的なことはよくわからないけど、プレーを見てるうちに目が離せなくなって、次に何するんだろうとワクワクするようになりました。いつも物事をつきつめて考えてたり、常に前向きな姿勢でいようとしてること、尊敬してます。移籍前の国立、行きました! コーナーキックのとき、W杯のベッカムを上回るくらいすごいフラッシュだったのが印象的でした。
by ユウ (2005-06-12 00:55) 

リュージ

ユウさん、はじめまして。こちらこそありがとうございます!!
そうですよね♪俊輔って何かしてくれるんじゃないか!?と期待して見てしまう数少ない選手ですよね。
たしかにあのときのフラッシュは凄かった(笑)
僕あのときデジカメ持って行かなかったんですよ…ものすごく後悔してます。
でも今度俊輔を見る機会があれば必ずデジカメを持っていくぞ!!
これぞ俊輔イズム(爆)前向きに。
by リュージ (2005-06-12 01:13) 

リュージ さん、10000HITSおめでとうございます。
俊輔は、寡黙で、話し下手というイメージがなんとなくありました。今回の記事は、彼の内面が伝わってくるので、とても良かったです。
「二度と同じ失敗を繰り返さないのがプロ」、これは本当に何事にも通じる言葉ですね。スペインのほうが、守備重視のセリエAより、ファンタジスタ向きの環境だと思います。俊輔のさらなる飛躍が期待できそうですね。
by (2005-06-12 01:59) 

リュージ

lapisさん、ありがとうございます!!
俊輔は胸のうちに強い信念を持ってプレーしているんだなぁと感心しました。
そうですねセリエAは守備重視ですよね。スペインで俊輔は更なる輝きを放つかもしれませんね。ロナウジーニョのように大活躍して欲しいものです。
by リュージ (2005-06-12 12:56) 

Neoral

リュージさん、こんばんは。
遅れまして、失礼します。
10000hitおめでとうございます。3ヶ月で達成ですか!?速いペースですね。
サッカーの話題を楽しく拝見しております(あ、もちろんそれ以外もみてますよ)。シーズンは終わってしまいましたが、これからも楽しみにしています。
では。
by Neoral (2005-06-12 23:45) 

リュージ

Neoralさん、こんばんは。ありがとうございます。
くだらない記事も多いですが(笑)ご覧頂きありがとうございます^^
そうですねシーズン終了ですね。これからは移籍の話題とか代表の試合ですかね。
by リュージ (2005-06-13 00:22) 

y-okokodayo

おはようございます。
10000hitおめでとうございます!
すごいですね。
サッカーの話題を中心に読ませてもらっています。
私も早くみんなに読んでもらえるようになりたいですね。。
by y-okokodayo (2005-06-13 08:23) 

リュージ

ゆっきさん、ありがとうございます!!
ブログではサッカー好きの色々な記事が見られて楽しいですよね^^
僕はゆっきさんの記事も楽しみにしてますよ。
by リュージ (2005-06-13 23:12) 

nkzato

俊輔、私も大好きなんですが、努力と結果が結びついているという感じで、やれば報われるという世の中の正の考え方を体現しているような気がします。この文章を読んでさらに好きになりました。私も舞台は違えど体現したいですね。
by nkzato (2005-06-16 14:28) 

リュージ

nkzatoさん、コメントありがとうございます。
反応が遅れてすみませんでした。
そうですね。なかなかうまくいかなくて、挫折を味わう…
それでも前を向く。だからこそ前を向く。強い心が道を切り開いていく。
nkzatoさんも強い心で頑張ってください!!
by リュージ (2005-06-17 22:04) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証: 下の画像に表示されている文字を入力してください。

 

このブログの更新情報が届きます

すでにブログをお持ちの方は[こちら]


この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。