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医王寺に行くこと [古寺巡礼]

この暑さのせいか、やたらに本を買い込んでしまった。
世の中、面白い本が多すぎる。
柳田国男とか京極夏彦とか小松和彦とか。
随分偏っているが、気にしない気にしない。
古本屋は危ない危ない。

さて、今回やってきたのは東京都杉並区にある医王寺。
甲州街道に程近いところにある。

真言宗智山派の寺で、正式には明星山遍照院医王寺という。
開山したのは文和五年(1356)とか応永七年(1400)などと諸説があり定かではないがいずれにせよ古寺には違いない。

こういうことがさらっと云えると格好いい。
目指せ、京極堂。
その道程は果てしなく遠い。

実は、この医王寺にはある伝説がある。

【片目の魚】
境内に薬師の池という湧水がある。
魚を持ってきてこの池に放すといつの間にかその魚は片目になり、放流した人は眼病平癒するのだという。

ほう、なんとも興味深い。日頃、パソコンや読書で目を酷使している僕にはピッタリである。
現在では毎年十月十二日に「おめだま薬師大護摩供」が開かれ、参詣客
で賑わっているとのこと。


いざ中へ

山門をくぐり中へ入る。ちょっと緊張する。どちらかというと寺は神社よりも閉鎖的だ。山門の物々しさのせいもあるが。…はて、「山門」いや「三門」と書くのが正しいのか、どっちだろう。



枯山水

境内は割りと狭い。人がいる気配はなく、がらんとしている。がらんと、と云っても「伽藍」ではない。よおく目を凝らしてみると地面に渦巻き模様がある。枯山水だ。なかなか面白い。こんなに近くで見たのは初めてかもしれない。

ウィキぺディアによると「枯山水」という言葉は「唐山水」に由来しているという説があるらしい。出典が書かれていないのでアレだが。調べてみる価値はありそうだ。


ええと、あなたは…

参道を歩くこと数秒、左側に誰かが居る事に気がつく。空海だ。そう、筆を誤ることもあるというあの弘法大師だ。いや、実は智山派開祖である玄宥(げんゆう)だったりするのだろうか。…ちょっと自信がない。



本堂へ

さっそくお参りをする。最近、目がしょぼしょぼするので念入りにお祈りする。
…オン コロコロ センダリ マトウギ ソワカ…



鈴でいいのか?

面白い形だ。カスタネットのようにも見える。神社では普通丸っこい鈴だが、寺ではこういう形なのだろうか。いや、寺にこのような鈴の緒はあるものなのか?寺の知識がないので色々不安になる。


気になることはまだある。
例のあの池が見あたらないの。
どこにあるのかさっぱり分からない。

探し疲れてちょっと絶望し、思わず山門を出る。
と、由緒書きがあることを思い出し、読む。

…この医王寺、どうやら関東大震災で移動し、再興したらしい。
元々は甲州街道に面していたそうである。

という訳で甲州街道沿いを色々探してみる。
が、それらしい池は見あたらず。
通りすがりの人にも聞いてみたがさっぱり。

暑くてまいったので今回はこれまで。
ぱっとしない結果であるが致し方あるまい。
マァお参りしただけでも意味はあるだろう。
涼しくなった頃に再訪するということで。


薪の如く組まれた線香。八角形なのはやはり…


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