【赤塚不二夫編】足立正生 「幽閉者」 [君にMOVIEを!]
【スタジオボイス 創刊30周年記念特大号 2007年3月号】に寄せて。
【赤塚不二夫編】
昔にも幾つか記事を書いたけど、とにかく赤塚不二夫が好きなのです。
今は病に伏し、言葉を発せない容態だと聞きます。
それでも尚、赤塚不二夫の「馬鹿」への真摯で紳士な態度には心落します。
もう赤塚不二夫は好きすぎて、言葉への形容のしようが無いんです。
なんだろうな。
頭の良い人間は、おおよそ凡人が思いもつかないようなことをします。
でも、無知じゃないんです。
真剣に考えて、わからないから実行するんであって、そこに「度胸」とか「勢い」とかないんです。
馬鹿の科学。
実に原理的で数学的に練りこまれた馬鹿というのは、
世の中のために研究する科学者や研究者となんら変わらないと思います。
真摯で真剣な馬鹿は、レベルが違うのです。
大人の馬鹿なんだから、本気です。
そんな次元の違う馬鹿なんだから、お金だって沢山貰えば良い。
貰って、使い方も「みみっちく」あって欲しくない。
こんな風に、強引に馬鹿に使って欲しい。
そんな絵空ごとをやってのける理想の男こそ、赤塚不二夫だったんです。
偉大なる馬鹿。
唯一無二な男です。絶対に。漫画よりマンガな男なわけですから。
そんな赤塚不二夫と若松孝ニの対談の再録。(1989)
ステキというか、それもまた無茶苦茶なエピソードでした。
男という馬鹿な生き物は、やっぱりこういう話にはグラーっと来るものです。
この対談から出てくる男の名前が、足立正生。
9年前の対談から、現在。
なんの気無しに調べると。
この人は、日本に戻り35年ぶりの映画を撮ったことを知った。それも封切したばかり。
期せずして、何かを拾った気がした。
これは絶対にめぐり合わせなような気もしてるし。
いつも勉強しなくてはと思う、「日本赤軍」の話。
僕的には思想の複雑さから、未だにきちんと理解しきれていない日本史の事象。
その答えも、この幽閉者の映画の扉を開くと待っているのかもしれません。
いずれにせよ、赤塚不二夫から開いていく扉は、やはり興味深いもので。
中途半端だったり、自分にとってなんの役にも立たないオリコンのヒットチャートとは違って、
自分の人生の血となり肉になるもののような、瞬閃を感じます。
それは赤塚不二夫自身が、やはり人としての懐深く、そういう人生を歩んだんだろうなと。
そして、「間違いない」と自分が信じてるからこそ、感じることなんだと想います。
純粋な憧れ。
いずれにせよ、「幽閉者」と「タコシェ」には足を運ぼうと思います・・・・・。
赤塚さんの作品では、レッツラゴンだったかな。一番好きでした。
なんか突っ走って、行くとこまでいったという感じが。
で、「幽閉者」。
こっちもかなり気になってます。音楽、大友良英だし。
by TBM (2007-02-11 00:34)
>TBM様
僕、やっぱり「おそ松くん」(笑)
幽閉者。
確かPANTAも出てた気がします。
もう本気ですよね・・・。まぁ本気の匂いは監督のクレジットで感じますが。
by ルースターズ (2007-02-11 11:34)