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銘菓を支える鳴門金時-【第1話】創業以来こだわり続けた菓子の味- [甘くて懐かしいお菓子たち]

●八十年近い歴史の中で守り続けた味

焼いて、蒸(ふ)かして、そのままかじりつくだけで、
蒸(む)れて香ばしい濃厚な香りが広がる鳴門金時。
舌の上には、優しく深い甘みが幾重にも折り重なっていきます。

そんな徳島のブランド芋・鳴門金時の中でも、
最高級品と言われるのが鳴門市里浦産鳴門金時『里むすめ』。
そこからさらに厳選した芋だけを原料につくられているのが、
阿波の芋菓子の老舗、栗尾商店の銘菓『鳴門うず芋』です。

栗尾商店が、徳島県つるぎ町(旧貞光町)で、
和菓子屋ののれんを掲げたのは昭和4年(1929年)のこと。
以来、約80年わたり変わらぬ味で多くのファンを魅了する
『鳴門うず芋』をはじめ、手作りの和菓子をつくり続けています。


●初代菓子職人が惚れ込んだ芋

「先々代(栗尾常一さん)は、僕のおじいさんですが、
農家の長男として生まれたそうです。
菓子職人にあこがれたのでしょうか、
長いこと地元の和菓子屋さんで奉公し、苦労の末に
自分のお店、今の栗尾商店を立ち上げたと聞いています」と、
現在三代目を目指し伝統の技を受け継ぐ栗尾実太郎さん。

創業時、常一さんは県外に向け鳴門金時の積み出しが行われていた
鳴門市の撫養港まで足を運び、原料を仕入れていたと言います。
味はもちろん、赤い外皮、鮮やかな黄色い実、カタチの良さなど、
鳴門金時の魅力に惚れ込んでいたことは容易に想像がつきます。
ところで当時は、まだ鳴門金時の名は無く、撫養港から運び出される
芋であることから『撫養芋』と呼ばれていたそうです。

およそ80年の時を経て、現在口にする『鳴門うず芋』の味には、
撫養芋と呼ばれた時代そのままの優しい甘さに加え、
芋に絡める秘伝の蜜が生む奥深く豊かな風味が、
変わることなく受け継がれています。
表面はサクッと軽い歯ごたえがあり、中身はしっとり上品な食感。
次回は、その製法へのこだわりを紹介します。

(第2話へ続く)


取材協力:有限会社栗尾商店 http://www.kurio.jp/

一言編集後記:
取材に対応して頂いたのは、栗尾実太郎専務。
取材のご協力誠にありがとうございました。
知らないことばかりで、いろいろ驚かされっぱなしだったのですが、
一番驚いたのは、栗尾専務が、当ブログのライター兼
鳴門金時普及委員会(仮)会長と高校の同級生であったこと。
世間は狭い!
今後とも宜しくお願いします。
(水口)


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