SSブログ

宝塚BOYS(テアトル銀座 6/13 18:30) [観劇メモ(ヅカ以外)]

友人に、男の子たちがわやわや言ってるお話が好きだ、という人がおりまして、『木更津キャッツアイ』とかが大好きで、そんな彼女にこの舞台は絶対オススメだな、と。男の子って、どうしてあんなにしょっちゅう喧嘩して、女の子取り合ったりして、それでも仲良しで、固い絆で結ばれているんでしょう。にぎやかで楽しくて、そして切ない7人の男子の物語。すっごく良かったです!

宝塚歌劇団に男子部があって、大劇場で男女合同のミュージカルに出ることを夢見てた。でも夢は叶わず、8年で解散してしまう。「運がいい悪いって言わないでほしい」って台詞が、ぐっとくる。終戦直後が舞台なだけに、戦争とシンクロした表現が多いんだけど、戦争で死んだ人と死ななかった人、大劇場に立てた人と立てなかった人、「運の良し悪し」なんて一言で言ってほしくない。彼らはみんな、ただ懸命に生きただけ、がんばっただけ。

それにしても、ドキュメンタリーをよくここまで楽しい物語にしたなぁ、と原作本を読んでいた者としては驚きです。なるほど、「物語」というのはこういうふうに作るのだな、と思ったり。禁を破って女子生徒にラブレターを出した事件、男女合同公演の準備稿が出来て盛り上がる、寮のまかないのおばちゃんがじつは昔のスターetc. ちょっとした事件をちりばめていくのね。

それに、7人(史実では25人もいた)の男子生徒たちそれぞれが、みんな魅力的で。人間が描かれるってこういうことなんだ、と思った。中島敦彦ってすごい脚本家だなぁ。この人の脚本は毎回観に行かなくちゃってぐらい。鈴木裕美の演出もまた大当たりなんだと思う。(→事前の期待記事はこちら。)

ラストにはなんと、タカラヅカ風のフィナーレ! 階段もあり! 小さいけど羽しょって、シャンシャンも持って。これが笑えるの。だって、全然かっこよくないんだもん(除く、吉野圭吾)。前田清実の振り付けとはとても思えない(笑)。でも、すーっごく愛おしいの。だって、みんなあんなに練習したんだもんね。実際の男子生徒のみなさんの魂は、これでむくわれたかな、なんて思うと、目頭が。。。そして最後は、「さよなら皆様」をバックに、みんなが稽古場を去って行く。いつも劇場で、追い出しソングとして流れてる「さよなら皆様」、いつも楽しい気分でしか聞いたことがないこの曲が、こんなに悲しいなんて、切ないなんて。

吉野圭吾と佐藤重幸しか知らずに見ましたが、みんなイケメンばかりで(笑・ちょっとウソ。プログラムのブロマイド風写真は詐欺だよねぇ)ステキでした。佐藤重幸は、こーちゃん(越路吹雪じゃなくて汐風幸ね)に似てる。佐藤と柳家花緑が意外に男役ダンスだった。須賀貴匡て人がハンサムね。始まる前から全公演ほぼ完売らしいけど、7人それぞれがファンを持ってるからなんでしょうね。我らがカンさま(初風諄)の、娘役芸と歌声が披露されるのも感涙ものです。

そうそう、事前の懸念だった「追い出した形になっちゃったこと」は、「小林一三が気まぐれで罪な人だった」っつー結論になってたような気がします(笑)。でもたしかに、矛盾をいっぱい抱えてるからこそビッグな人物だった、小林一三。台詞では「ここが宝塚だったから(夢が叶わなかったん)だ」って言ってたけど、宝塚だったからこそ、こういう勉強ができた、とも言えるわけで。マイナスイメージというよりは、「一三に振り回されちゃった」という感が強い。それは、悪者になりそうな一三役や女子生徒役を一切登場させなかったというのもあるかも。上手いですね。

もう一度観たいけど、チケットは無し…。DVDは絶対買うぞ~! 男声で軍歌調の「おお宝塚」とか「モンパリ」が耳から離れません。。。

::::::::本家はコチラです→a posteriori takarazuka:::::::


nice!(0) 
共通テーマ:演劇

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。