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これも何だかおかしい

産経新聞によると「第四回『このミステリーがすごい!』大賞では、13才の中学一年生の作品が特別奨励賞に選ばれた。」 他にも、15才、16才の年少者が次々と文壇に登場しているそうです。大賞は43才の方でしたが・・・

若返りが盛んな時代ですが、何か釈然としないのです。

この手の文学賞には、応募の年令制限がないのですね。他の世界、例えばスポーツ、音楽などの分野では小、中、高、一般を順番に勝ち上がって来るのが順当な道筋です。

こんなことを思うのは、世の中には真面目に文学と向き合い、日夜研鑽を積み重ねながら公募に応じている大人が山ほどいるからです。勿論、この少女の文章は素晴らしいのでしょう、入賞に値いするのでしょう。でも、一般と一緒に審査されてもいいのでしょうか?主催者側がニュース性にだけ捉われているとしたらやっぱりおかしいと思います。この作品は来年2月に出版されるそうです。

「第42回文芸賞」(河出書房新社主催)でも中学3年生の女子生徒が最年少で選ばれたそうです。

中高生の作文募集というのがあるのですから、やはり文学賞と名が付くものには、年令で段階を定めるのが妥当だと思うのですが。この賞が少女の未来を輝かしものにするか、負担に押し潰されるか、当然私は前者であることを祈っておりますけれど。


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えむぬま

色々な文学賞の発表がある度に「史上最年少受賞」とか騒がれるコトが多いなと思い、私もちょっと不信感を抱いていました。
若い人が書く文章には、セオリーなどに囚われがちな大人では出せないような発想で攻めてくることがあるので、それを「新鮮だ」「斬新だ」と簡単に感動させられて、賞がついてしまうのでしょうか?。
by えむぬま (2005-09-22 22:11) 

南雲しのぶ

芸術の分野には年齢は関係ないのだと思います。
これらの世界は客観の最たるものですので、良いと思ったものが良いのです。
一部の自称芸術家は「若造が何を言う」と言ったりしますが、評価が伴わなければ歳など関係ありません。
ただ確かに、最年少(年齢)をメディア戦術として使おうとしているのなら大きな間違いだと思います。
とても良い作品と思えないようなものが受賞を切っ掛けにバカ売れするのを見ていると情けない限りです。
by 南雲しのぶ (2005-09-22 22:37) 

えいこう

okkoさん、こんばんは。
よくぞ、おっしゃって下さいました。私も、全く同じ思いでおります。しかし、自分自身小説を書き、新人賞へも応募している手前、なかなか声を上げられずにいたところです。
読売新聞によりますと、かの賞。
「応募時12歳としては完成度が高いとして、今回、特別奨励賞が設けられた」
とありました。文字通り、奨励する為の賞だったわけで、ならばと納得していました。がしかし、これが商業出版化されるとなると話は別です。他の作家や作品と、同じ土俵に上がるわけです。果たして、応募時12歳としては完成度が高い程度の作品で良いのかどうか。
また文芸賞に関しては、売る為の話題作りとして、受賞者の若年化があからさまだと言う批判が、以前からあります。今回、15歳で受賞した少女の作品を読んでいないので、その出来栄えについては何とも言えません。しかし、上記批判に説得力を持たせる結果になった事は、間違いないでしょう。
出版不況が言われるようになって久しい昨今。この業界も目先の利益ばかりを優先し、作家、作品ともに使い捨てられるようになったとも聞きます。彼女たちの才能を潰す事なく、伸ばし育てていって欲しいものです。それが、年少者を作家として世に送り出した、出版界の大きな責任だと思います。
by えいこう (2005-09-22 23:48) 

okko

えむぬまさま、eikohさん、ナイス、コメント、しのぶさま、コメント有り難うございました。
偶然ですが、23日付け産経のコラム「断」に同様の主旨の記事を、富岡周平さんと言う方が書いておられました。題して「文学賞のお子様化」。全文は省略しますが「いくら文学が(隆盛)といえども、早世したラディゲのような作家が、この日本からたくさん出現するとは思えない。若い人たちの作品が売れるからといって、出版社はすこしやりすぎではないか・・・中略・・文学は「畢竟遊戯文学の累積で、著者と出版業者の金儲けの材料にすぎないのかもしれない」と正宗白鳥も50年前に言っている。作家にと夢見る少年少女が犠牲になるのは痛々しい」以下略します。
しのぶさまの言われることはよくわかるのです。文学と芸術には評価の仕方に多少差があるようにおもいます。習い事は6才から、などと言いますが、頭角をあらわすのはごく一握りの天才と呼ばれる人たちに限られる、勿論、コンクールには年令制限がある筈です。商業ベースで選考が行われることはないと思います。出版業界も大変でしょうが、売らんかなよりも、才能をのびのびと伸ばしてあげて欲しいものです。
私も文学好きですが「若年層の(作家)たちの稚拙な「小説」のオンパレード」である最近の文芸誌には食指がうごきません。
by okko (2005-09-23 14:52) 

一つには出版界の不況がそれほど深刻なのでしょうね。
才能をのびのび育てている余裕がないのでしょう。
売れるものは何でも売るということなのでしょうね。
それが悪循環に陥る一歩とわかっていても。
by (2005-09-24 03:57) 

okko

NTHAWKSさま
コメント有り難うございました。
作家は、書き溜めておいた物がないと、次回の書き下ろしをせっつかれて苦労するという話をききました。賞を貰ったきりで書けなくなった作家や、自殺まで考えた人もいるとか・・・・・でも、現代ッ子は、意外にケロッとしているのかもしれませんね。
by okko (2005-09-24 09:47) 

えいこう

再びお邪魔します。
okkoさんに勇気を頂いて、上記私のコメントを元に、自らの記事にさせて頂きました。
リンクを貼るとともに、トラックバックさせて頂きます。
by えいこう (2005-09-25 00:37) 

俺

こんばんは。
まったくもって、同感です。巷では書籍作品に限らず音楽においても、「林明日香13歳!」なんてのがキャッチフレーズになったり、「若いのにすごいねぇ」というのを前面に押し出して売っているものを目にします。これは作品の出来云々よりも年齢がどうこうということを言っているようですが、同じ土俵に立たせるのならむしろ年齢は選考に際して考慮に入れるべきではないでしょうし、「若さゆえの良さ」「経験は薄いけど逆に新しい感性で…」「大人になると失ってしまうものが…」ということであれば、むしろokkoさんのおっしゃるように「若い人の枠」を別に設けるべきでしょうね。
よしあしはどうであれ、全ての人において共通するのは年齢が高くなればなるほどその分長く生きていて、経験の量が豊富になっていくということでしょう。段階を踏んで成長していく。時に遠回りしたり退化したりというのもあるかもしれませんが、若くして登り詰めてしまうような経験がその人自身のその後の人生にどう影響を与えるか。そこまで考慮しなければならないように思います。
by (2005-09-25 00:45) 

okko

俺さん
コメント、ナイス有り難うございました。 国会までが「ごっこ化」している現象、若返りおおいに結構です。「成熟した大人」の出現が待たれます。金儲けと絡んだ「ごっこ」はもう止めたいものです。
by okko (2005-09-25 11:05) 

岡崎佑哉

僕は六歳から書いて十二歳ですが、別にどんな形でも早くデビューできりゃいいです。潰されるとか誰かに悪いとか、考える余裕はないですねー。
by 岡崎佑哉 (2008-12-02 20:33) 

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