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今週の「バカは死ね」/結局「プライバシーの切り売り」じゃねーか! [Archives]

3ヶ月前『ジェネジャン!』でプライバシーについて討論した時
俺が「プライベートを切り売りするのが今のタレントだろーが!」
と言ったところ、出演タレント並びに視聴者からも非難が殺到
したのだが、奴らは今、この現状をどう思ってるんだろう?

「プライバシー切り売り」のオンパレード。
芸能人の結婚ラッシュだ。
上の2人はそこそこ大物感があるので騒がれるのもまあわかるが…

何なんでしょうかこの辺は?
顔は知られてるけど、とりたてて話題もなかった芸能人が
結婚をネタにここぞとばかりにテレビに露出してる。
業界7〜8位の中堅企業の生き残りをかけた合併みてえだ。

でもってテレビ界ではこれらの結婚をフィーチャーした番組が
軒並み高視聴率を記録している。
この手の「芸能人のプライバシー切り売り系プロモーション」が
特に顕著になったのは昨年だったか?
結婚発表直後の出川哲朗がバラエティ番組でノロケ話を披露
して高視聴率を獲得した辺りだったと思う。

他にも「格付けしあう女たち」とか有象無象の負け犬タレントが
互いのプライバシーを切り売りして罵倒する企画が人気になり
その1人、杉田かおるも結婚で話題をさらった。
挙げ句は藤崎奈々子がロンブーの片割れとのかつての関係を
番組でカミングアウトしたりしたのも一連の流れと符号する。
今、「プライバシーの切り売り」は高視聴率が見込めるバラエティ
のキラーコンテンツだと言える。

もっともこうした傾向は日本のテレビに限った事じゃない。
アメリカでもここ数年、「リアリティー系」と呼ばれるジャンルが
テレビ界の主流になってる。

MTVの「The Ozbournes」(ヘビメタ一家のドタバタ私生活)や
「Newlyweds: Nick And Jessica」(元々2流アイドルだった
ジェシカ・シンプソンの新婚生活をまんまテレビ化した番組。
この番組のおかげで彼女のアルバムはビルボート1位を記録し
妹のアシュリーも同じ手でさらに幅広い人気を獲得した)
なんかの「プライバシー切り売り」は日本の比ではない。

こうした流れを見てたら、かつてアンディ・ウォーホルが言った
この言葉が脳裏をよぎった。

    

「誰でも15分間だけ有名人になれる」ってヤツだ。

まあ現状は、より正確を期するなら
「話題性のない芸能人でも(プライバシーを切り売りすれば)
 1時間だけ超人気者になれる」って感じなんだけど
これは「誰でも15分だけ有名人」への過渡期って気がする。

一般にウォーホルのこの言葉の意味は
「万人が持つセレブ願望」の指摘みたいに思われてるけど
ホントのところはどーなんだろう?

ウォーホルは芸術家というより「戦略家の商売人」だった。

何しろ絵画の世界ではモダニズム以降、感覚よりスカした
理論的なウンチクで作品を評価するデタラメな評論家が
跋扈している。ウォーホルはそんな現状を逆手にとって、
有名人の写真や何の変哲もないスープの缶詰のラベルを
シルクスクリーンにしただけのイラストを「ポップアート」
と称して売り込むことに成功した男なのだから。

そんなわけで、ここからは俺もそれっぽい“スカした理論的
ウンチク”でウォーホルの言葉を読み解いてみるとする。
芸術論的にはヴァルター・ベンヤミンが言ってたところの
「複製技術時代の芸術作品」の思想の実践だとか何とか
言えたりするのかも知れないけど、
結局のところ、ウォーホルってのは使い捨てられるような
キッチュなアイテムでも「使い方次第で金になる」って事を
証明した人物と言える。

言い換えれば、どんなモノでも消費され、使い捨てられる。
そしてその傾向は時代の進化と共に強まっている。
要するに「誰でも15分間だけ有名人になれる」ってのは
「個人のプライバシーさえもが短時間で消費され、
使い捨てられる時代が到来する」って意味じゃねーのかな?
(意外と俺、芸術評論もイケるかも!)

「またウガチ過ぎだろ!」と思われるかもしれないが
事実、テレビ界の流れを見ても「芸能人のプライバシーの
使い捨て」傾向はますます強くなってる。

昔はタレントの結婚というと、披露宴がテレビ中継されて
高視聴率を獲得したもんだ。ところが最近は大物タレント
の披露宴特番でさえ、視聴率はさほど期待できない。

視聴者はそんな大仰なイベントを2時間見るよりも
2流タレントの下世話なノロケぶりを手軽に見たいのだ。
だから披露宴の中継なんかよりも「バラエティのネタ」で
1時間になってる方が数字が取れる。
「ワイドショー的ネタをバラエティに持ち込んだ」とでも
言えば、理解していただけるかな?

そしてそれは突き詰めると「芸能人の使い捨て」傾向が
強まっている事も意味している。
多分、「芸能人のプライバシーの切り売り」は行き着く所
まで行くだろう。
ますますテレビは「下世話なワイドショー」と化していく。
そして見てる人間もどんどんバカになっていく。


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