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テレビがたどる道 [メディア]

メディアには寿命があります。たぶん。
テレビの寿命は、あとどのぐらいなのでしょう?
気になって、昔のことを調べてみました。

今回は、かなり真面目なネタですよ。

日本における映画の黄金時代のピークは、1958年でした。
この年の観客動員数は、なんと11億2745万人です。
当時の日本の人口が9千万人ぐらいですから、
一人当たり、年間12本の映画を観ていたことになります。
ちなみに、2004年は1億7千万人程度ですから、年間1.5本ぐらいですね。
(出典:社団法人 日本映画製作者連盟

テレビの放送開始は、NHK、日テレが1953年、TBSが1954年。フジとテレ朝は、1959年です。
つまり、日本映画の勢いが一番いいときに、テレビ放送が開始されたことになります。

テレビというライバルの登場に映画界の取った対応は、5社協定、と呼ばれるものでした。
大手の映画会社である東宝、松竹、大映、東映、新東宝の5社が、1956年に、
「テレビには映画を売らない」「テレビには専属俳優は出演させない」
という申し合わせをし、テレビに対して敵対的な姿勢をとったのです。

そこでテレビ側は、海外映画(主にアメリカ作品)の輸入や、
音楽を中心とした、独自のタレント育成によってこの事態を切り抜けることに成功し、
ついには日本の映画ビジネスを壊滅させていきます。

余談ですが、ナベプロやホリプロは、この時期に出来た芸能プロダクションです。
ジャズを中心とした音楽畑の人たちが創成期のテレビを作ってきたわけで、
それが今でも「事務所の力」として生きている部分があります。
出演者を確保できなかったテレビにとっては、彼らは大恩人ですからね。

さて、映画には、1960年に10億人の観客がいましたが、1965年には3億5千万人、
1970年には2億5千万人と、見る影も無い凋落振りです。
一方、テレビの受信契約(NHK)は、1960年に1万件だったものが、
1972年には2千万件を突破しています。まさに爆発的と言ってよい伸びです。

だいぶはしょったテレビと映画の歴史なのですが、
なんか最近聞いたような話じゃないですか?

そう、今のテレビとインターネットの関係にそっくりなのです。

古くからあるメディアであるテレビは、新しく出てきたメディアであるWebを激しく敵視しています。
コンテンツ的には、テレビ番組のWeb再送信が認められる気配などありません。
もちろん、著作権処理の問題も大きいのですが、
実は法的な問題より、頭っからできないことだと決め付けている側面もあります。

仕方なく、Web配信を手がける企業たちは、
コンテンツを自分で制作するか、アメリカや韓国などの海外から輸入していますね。

気味が悪いぐらいの符合っぷりですが、
もし、映画のときと同じシナリオが再現されるのなら、
テレビはこれから完全に斜陽産業となり、衰退していくことになりますね。

では、果たして本当にそうなるのか、検証していこうと思います。

次回へ続く。
(改訂に付き再アップ)


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