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プルサーマル公開討論会での発言 [社会]

1401577.gif2016.10.12リンク修正
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23日の記事で予告した,プルサーマル公開討論会での私の発言です.スライドつきです.次にも掲示しています.
http://ad9.org/pegasus/EnergyProblem/kyudensympo.html

(第二部開始後1時間11分頃)
再処理事業所の安全性の話で,工場内の作業員の安全問題に限定されていたので,次のように発言した.

六ヶ所事業所からの放射能放出

 (九電の)松下さんにお尋ねしたいのですが,作業所内での安全性の問題だけでなく,放射能の放出という問題があるの思うのですね.それで,六ヶ所事業所での放射能の放出というのはどういうものか,あるいは,玄海原発の放出量と比べていただくと分かりやすいと思うのですが,どの程度のものであるか.
 (すぐには回答,資料が出ないので続けて)
 これは,六ヶ所事業所から予定されている,予定というか,最高限度ということでしょうか,これだけ出しますよということではないんでしょうけれど.例えば,一年間の排出量,これは,事業指定申請書という書類がありまして,それによりますと,希ガスが3.3×10の17乗ベクレルとなっていまして,これはたとえば原発の放出量と比べますと,その百万倍ということになる.まあ,全国の原発から(使用済み燃料を)集めますので,増えるのは増えるんでしょうけれども,それにしてもかなりの量です.他にも,例えばヨウ素とか,いろんなものが放出を予定されております.これは,どうしても燃料を切り刻みますので出ざるを得ない,と言うことがあるのではないかと思います.この点で,「リサイクル」と言えない面もあると思っています.

提示スライド:核燃料再処理工場である「六ヶ所事業所」からの放射能放出予定(上限値).このスライドの7ページを映写.

この後,司会の木元氏が,希釈されて,影響がないのではないかと聞いている,と述べ,専門家K氏がリスク評価のありかたについて述べた.木元氏は,「飛行機の中で浴びる宇宙線の方が影響が大きいのでは?」とも述べ,話がリスクを過小に評価するような流れになったので,

米英の再処理工場周辺での小児白血病

ひとこと発言させて下さい.すでに再処理工場がイギリス,フランスで稼働しておりますが,その周辺で健康被害が出ているという報告があるんですね,あまり大きく報道されませんが.白血病とか.これは私の専門ではありませんので,そういう,放射線生物学の専門家の意見も聞く必要があるのではないかと思います.

(1時間53分経過頃)次は話の流れを無視したほぼフライング発言.

使用済みMOXの放射能レベルと寿命

 九州電力の松下さんの資料の27ページ,廃棄物の放射能レベルが低くなるというグラフと関連しまして,私はこれとちょっと違った資料を入手しましたのでご紹介したいと思います.(松下さんの資料では)MOXで燃やした方が(放射能が)速く減衰するというようなグラフになっていますが,私が探しました国際原子力機関の資料なんですが,使用済みMOXは,ウラン燃料に比べて一桁近く放射能レベルが上がる,それから発熱量も,もちろん放射能による発熱ですから,上がる.しかも寿命も長くなっている.それから,これは先ほど話に出ました中性子線ですね,これも10倍くらい上がる.つまりMOXを燃やしてしまうとその使用済み燃料の放射能が非常に高くなってしまう,厄介なものになってしまうというようなことがある.これは国際原子力機関の文書なんですが,これとだいぶ違うような気がするんですが.

提示スライド:資料済みMOX燃料の放射能レベル.前と同じスライドの2〜4ページを見せました.

(2時間20分経過頃)
フロアから,チェルノブイリ事故に触れながら原発事故の危険性が訴えられたのに対し,演壇側からは原発の安全性を強調する発言ばかりが続いたので,次のようにコメントした.

国民放射能近隣度

 たしかにチェルノブイリとは型が違いますので,むしろスリーマイル島事故が参考になると思います.スライドをお願いします.リスクの評価と言うことでですね,定量的に評価する必要があるだろうと思います.先ほど保険の話が出ましたが,重大事故に備えて,いくら保険料を払うのか,という問題です.それは,被災者数の期待値で評価すべきだろうと思われます.もちろん期待するという意味ではなく,これは数学用語です.それを見積もってみますと,詳しい議論をする時間はありませんが,原発総出力掛ける人口密度という量に比例することになるんです.この論文を読んでいただければいいのですが,私のホームページに入れておきますが,これで評価しますと,--私は「国民放射能近隣度」と呼んでおりますが--ダントツに日本が大きいいということになります.それだけのリスクを抱えているということです.やはり人間は過ちをおかすものですし,スリーマイル島事故も,その発端は些細なことですよね.しかし一旦ことが起きるとそれからカオスに陥ってしまう可能性がある,カオスに陥ってしまうと,そのあと何が起きるか分からないと言うことですね.そういうことで,日本がやはり大きなリスクを抱えているということだけは自覚しなければいけないということを申し上げたかった,以上です.

提示スライド:原発立地の過密度の指標「国民放射能近隣度」
このスライドの2〜3ページを見せました.

参考:「国民放射能近隣度」を定義した筆者のメモ(古いのでイメージ,924KB)
「原発の重大事故による国民全体へのリスクの指標について」
(これは提示していません.)


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