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Voice of Wilderness ~ KORPIKLAANI [ ∟Finnish Metal/Rock]

再びFinnishです。結構前に買っていたんですが、何となく記事にしそびれていたアルバムです。KORPIKRAANI(日本盤ジャケ見るまで読めなかった・・・コルピクラーニと読みます)の今年出た作品です。

ジャケットからしてFinnish Metalの香りがし、期待してしまいます。

このアルバムは久しぶりに邦盤で買いました。理由は邦盤ボーナスのPVと(愛すべき)おばかな曲名です。

<おばか1>

邦盤の帯には、大抵私の聴くCDであれば<ロック>というジャンルを示す言葉が書かれていますが、このアルバムは<宴(うたげ)メタル>と書かれています。私は初めて見ましたね、こんなジャンル。

<おばか2>

「サウナでひとっ風呂」「燃えろ!キャンプファイヤー」「大自然って気持ちいい」「ビール飲み放題」「吐くまで飲もうぜ」 ・・・これこのアルバム収録の曲に付けられた邦題です。 笑いも怒りも通り越して何か呆れてしまいます。私は初めて見ましたね、こんなお題。

・・・こうしてみるとコミックバンドみたいです。そういう1面もある程度バンド自身が意図している様子もあるようですが、音楽そのものは至ってまじめというか、きちんとしていると思います。

以前紹介したAPOCALYPTICAはクラッシック、WALTARIはテクノやラップ(というか何でもあり)とメタルの見事な融合を聴かせてくれますが、KORPIKLAANIは、民族音楽(トラッド・フォーク)とメタルの融合したものを聞かせてくれます。フォークロア・メタルとかペイガン・メタルという呼び方もされているらしいです。

メンバーもトリプルギター・ベース・ドラムに、バイオリンとパーカッション(というか太鼓)の7人編成で、曲によっては木製フルート、エストニアのバグパイプ、アコーディオン、更には民族音楽専門のコーラスグループまでかつぎ出してプレイしてます。まさにそういう音楽をやるための構成です。

曲自体は、ディストーションギターによるヘヴィなリフと激しく速いドラムはメタル以外の何者でもないです。Speed Metal、Power Metal、Viking Metalといった雰囲気がベースにあります。

そこに上記のようなバイオリンや民族楽器が乗って独特の旋律を奏でます。 これがまた絶妙なさじ加減でして、ギターとまるっきり同化するでもなければ、思い切り浮いているわけでもなく、はっきりとフォークの特徴をバランスよく主張していると思います。 

彼らによるトラッドフォークのメロディは、クラシック系(様式美系)のメロディに比べれば洗練されていませんし、同じフィンランドでも、Sentencedのような絶望・悲哀感、To/Die/Forのような号泣メランコリックを感じさせる部分は少ないですが、が、フィトンチッドとか土の香りがしてくるような、自然の美しさを感じさせます。私のような田舎者には、親しみさえ覚えます。

冒頭で述べた「宴メタル」らしき雰囲気は、1,2,9曲目などで確認することが出来ます。特に2曲目は呑めや歌えのドンチャン騒ぎ、9曲目などは、「一気!一気!」という掛け声のする様が目に見えてくるようです。

 ・・・でもだからってアルバム全てがそんな感じのように思える邦盤の帯の書き方・邦題の付け方もいかがなものかと思いますが・・・ 歌詞を見ると更にそんな雰囲気とは違う、きちんとした歌なので、更に違和感を感じなくもないですが・・・ まあ楽しいからいいか。

 曲目:(右側括弧内は原題です)


1.サウナでひとっ風呂           (Cottages & Saunas)
2.旅行けば                            (Journey Man)
3.燃えろ!キャンプファイヤー  (Fields in Flames)
4.魔の森に立ち向かえ!        (Pine Woods)
5.森の中でハッスルハッスル (Spirit of the Forest)
6.大自然って気持ちいい      (Native Land)
7.「狩り」こそ漢の宿命        (Hunting Song)
8.ビール飲み放題         (Ryyppajaiset)
9.吐くまで飲もうぜ         (Beer Beer)
10.実録!フィンランド昔話     (Old Tale)
11.悲しみのコルピクラーニ   (Kadet Siipina (Hunting Song) )
※〈エンハンストCD内容:ウドン・パインツ(PV)/「狩り」こそ漢の宿命(PV)〉

http://www.korpiklaani.com/

PVは、どちらもヒッタバイネン(バイオリン・民族楽器担当、上の写真右端の薄い人)の飄々とした様子がメタラーらしからず、印象的で笑えます。他のメンバーも、中世ごろの衣装で、激しいヘッドバンキング・突き上げる拳・野獣のような咆哮といった様が、いかにもMetalらしいですが、プロレスしてじゃれあってたり、酔いつぶれて突っ伏していたりいたりして、一筋縄じゃないですね。 面白いPVです。もちろん曲も良いですよ。
 

荒野のコルピクラーニ

荒野のコルピクラーニ

  • アーティスト: コルピクラーニ
  • 出版社/メーカー: 徳間ジャパンコミュニケーションズ
  • 発売日: 2005/01/26
  • メディア: CD

 いっそのこと、もうこの路線のまま突っ走ってもらうのが他のバンドとの差別化が明確でよろしいですね。 仮に曲が似たようなものであっても、コルピクラーニの個性は出ると思います。 そんな訳で、本アルバムも十分に完成度の高い良い曲ばかりですが、更に「泣き」を強調出来れば、一躍メジャーに踊り出られる存在だと思います。 がんばれー!!

 


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コメント 2

この衝撃的な邦題センスはCARCASS以来ですね・・・。「屍体で花をさかせましょう」とか、「硫酸どろどろなんでも溶かす」等のCARCASSの邦題に勝るとも劣らないタイトルは、同一人物がつけているのでしょうね、たぶん・・・。
by (2005-07-16 21:31) 

stromblad

「屍体愛好癖」ですね? そんな邦題付いていたんですか。 笑えます。 「疫魔交響曲」もそんなんでしたよね。 ある意味凄いセンス・・・。確かに同じ人かもしれませんね。
by stromblad (2005-07-17 00:05) 

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