2006.03.11
リアリティ [アフガン・ノスタルジア]
破壊
カブール郊外の王宮跡にて , Aug 2004 Afghanistan
カブールの中心地から市バスに乗って約20分、
旧王宮とカブール博物館へ行った。
そこにあるのは立派な宮殿やガンダーラ文化の遺品ではなく、
『破壊』。
数百メートル四方にも渡る瓦礫の平野の中、
かつてアジア有数を誇った博物館の骸骨が
ぽつねんと土埃の風に吹かれている。
それまで頭の中にあった『破壊』という言葉と目の前の光景とがうまく結びつかない。
ペテンにかけられたような非リアリティを頭上で感じるうちに、
ふと世界の果てに取り残されたような孤独を感じた。
こうして『破壊』は『孤独』とともに僕の中でリアルになったのだ。
旅日記より
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Comment (7)
孤独な色だぁ・・
かつて銃撃戦の跡地や崩壊した建物を求めて出かけた時、頭でっかちな自分には消化できないものだけが残り、感情を込めて写真におさめるのは困難だと思ったものですが、この写真と日記をみていると残された者特有の気持ちが表れているのだなぁと思いました。
by tomy (2006-03-12 00:01)
破壊の後には再生があると光の射す空が言っているように思います。
でもこの場所に実際に立ち、朝の光に浮かび上がる博物館の姿を見たら、私は立っていられないでしょうね。シャッターを押すことは出来ないと思います。
by (2006-03-12 04:25)
やはり「訪れる」ということは
重いのですね。
by (2006-03-12 13:37)
もう、その場から動けなくなりそうです。
by HummingBird (2006-03-12 16:01)
その場で肌で感じたことって、きっとずっと忘れないのでしょうね。
by (2006-03-12 20:17)
受け入れられない光景を目にしてしまった時、どのように自分の中で整理すればよいのか難しいですね。
by tm-photo (2006-03-13 09:31)
非現実性と現実、目の前にしても結びつかない・・・、私のようにほとんど日本しかしらないならリアルを感じることができないかもしれません。
写真を一目見たとき「きれい」だと思いました・・・。
by (2006-03-13 14:15)