SSブログ

イタリアでやったら絶対、儲かる飲食店 [グルメ]

「ミラノ、ローマでやったら絶対、儲かる飲食店は…」

ミラノ在住のお友達は、年に何度か帰国します。
たまにおつきあいで、食事を一緒にするのですが、
食べる料理はいつも決まっています。

それは、冒頭の「儲かる飲食店は……」の
後ろにくる料理で、答えは焼鳥屋です。

その友人は、日本に帰ってくる度に、
東京や関東圏一帯の
評判の焼鳥屋を訪ねています。

その中で一番のお気に入りは、
常連客だけで手一杯、
マスコミにも取材に応じたことがない店なので、
残念ながら仁義を守って、ここでご紹介できません。

かつてあった「門扇」のような高級店ではありませんが、
誠実な仕事ぶりから、「食事し、そこで時間を過ごして良かった」
と心から満足できるお店です。

最近、行ったお店のなかでは、
西麻布にある名古屋コーチン専門の
焼鳥屋「」が印象に残っています。

内装は西麻布という場所柄なのでしょうが、
お洒落すぎて、逆に落ち着きません。
それはさておき、焼き鳥は素材を選び、
肉の旨味が存分に感じられる焼き加減で、
ちゃんとしています。

焼き鳥屋の紹介で親子丼を取り上げるのも気が引けますけれど、
一度焼いてから卵でとじた親子丼は、鶏肉の味が出汁として
出ることな閉じ込められています。弾力と肉汁自体の甘味が、
これまで食べてきた親子丼とは違っていました。

人形町に江戸時代から続く、行列の出来る、
親子丼で有名な某店がありますが、
そこのように甘すぎない味付けも好み。
(人形町近辺には地元の人しか知らない、
もっと口にあう親子丼の店がある)
韻の裏メニューの卵かけご飯も試してみたいですね。

数々の焼き鳥店の味を堪能してきたミラノ在住の彼女は、
もともと焼き鳥が好きなので、彼女のイタリアで絶対受ける
という答えは、割り引いて考えないといけないとは思います。

しかし何人かのイタリア人と焼鳥屋で食事した体験からいうと、
かなり受ける確率は高いと思います。

理由は、味、同種の料理がないこと、そしてパフォーマンスです。

味はおおむね好評です。
タレが甘いという人もいましたが、それは甘味を調節し、
塩を使うことで回避できそうます。(タレはダメという人でも塩は大丈夫)

イタリアには同じような料理がないこともポイントが高そうです。
グリルはありますが、大きなまま。始めから小さく切ったものを
味付けして串にさして焼く料理はほとんどありません。
(具の大きさが違う。ナイフで切って食べなくてはいけない)
串をもって食べやすいというのもいいですね。

パフォーマンスというのは、料理人が炭火で焼く過程が
見られるという意味です。
随分前からオープンキッチンは流行りですし、
少し前からは、高級なレストランも、わざわざ調理場内に
特別な客席を作り、それが人気を呼んでいます。
目前の食材が調理されるのを見ながら、
仲間とおしゃべりというのは、なかなか楽しいものです。

但し、焼き鳥をイタリアにもっていくには、
少し工夫が必要かもしれません。
「焼き鳥と酒」だけでは、難しいかもしれません。
何故なら、日本のように焼き鳥をつまみに酒だけ飲む
というスタイルは、イタリア人の食習慣にはないからです。
焼き鳥だけでなく、例えばサラダ、野菜焼き、鶏スープ、
ごはん、アイスクリームといったコース仕立てにした方が、
彼らの習慣にあうでしょう。

かつて紹介のみ、一日の客数も限定した焼き鳥専門店が、
麻布十番にありました。門扇というお店です。
多くの客に惜しまれながら、店を閉めました。
その門扇の店主岩本一宏さんが、焼き鳥、料理、
また自らの半生について、明かしたのが、
焼き鳥「門扇」、一代限り》という著書です。

そこには、店を訪れ、食べる客のあり方についても記されています。
耳の痛い所も多いのですが、素晴らしいアドバイスで、
非常に参考になります。

現在、岩本さんは、ハワイで暮らしていらっしゃいます。
何年か前にテレビ番組で現在の仕事ぶりが紹介されたので、
ご存じの方もいらっしゃるかもしれません。
岩本さんは、美味しいものがないハワイで、
ケータリングサービスを行っているのです。
門扇ケータリングサービス

いつの日にか、ハワイで岩本さんの料理をまたいただきたいものです。

そう、門扇は、《焼き鳥のコースで、フランス料理の
フルコースを食べたのと同様の満足感を味わ》えるお店でした。
あそこまで質を高めることはなかなか難しいでしょうが、
あのコースをイタリアで出来れば…。

優れた料理人の仕事に関する考え方・言葉は、ある種、哲学的です。
調理場という戦場 「コート・ドール」斉須政雄の仕事論》の中に
《本当は人間の生き方から出るダシが『一番おいしいもの』なのです。》
との斉須さんの言葉があります。

料理を作る方も食べる方も、最後は、その人間が
反映されるものなのかもしれません。


nice!(1)  コメント(2)  トラックバック(4) 
共通テーマ:グルメ・料理

nice! 1

コメント 2

ミカチ

ミラノも和食の店は増えていますが、中国人経営の怪しい店も多いですね。今、農林水産省で海外の日本食レストランの認証システムが検討されているとか。由緒正しい日本の焼き鳥の店が出来たら嬉しいな^^
by ミカチ (2007-02-05 18:51) 

nikitoki

五反田の「炭火焼き鳥たかはし」も書いときます。東京都 品川区 西五反田1-7-1リビオ五反田プラグマ.Gタワー2電話 03-5436-9677)、ここの焼きプリンが食べたい。店主は、駒沢の「ラ・プリムール」のシェフだった高橋さん。
by nikitoki (2007-02-08 20:30) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 4

トラックバックの受付は締め切りました