Vol.44 貯蓄も大切ですが自分への投資を
投資や保険など、お金に関する様々な質問や相談に
幅広い分野のプロフェッショナルがズバリ答えるこのコラム。
今回も前回に引き続き
「大公開！社会人の給与明細とその支出」について、
マネープランに関する個人相談で豊富な経験を持っている
ファイナンシャルプランナー 宮本久史さんに
貯蓄と家計に対するアドバイスをしてもらいました。
宮本久史 プロフィール
玉川大学工学部卒業後、食品メーカーを経て
現在は個人相談の業務を中心としたＦＰ事務所「お財布救急隊」代表。
公共機関・労働組合が主催するセミナー、講演多数。
近著：格差社会を生き抜くためのおカネの新常識（きこ書房）
・ＦＰが配信するメルマガとしては日本最大規模の登録者数
（１万３千人以上）を誇るメールマガジン運営責任者
・電話で相談ができる生命保険専門サイト「心配無用！保険相談室」監修・運営責任者
それでは前回の続きで
そもそもの貯蓄の目的である「車の購入」と、
「２０代でしかできない投資」についてお話をします。
現在の貯蓄目的が車の購入ということですので、
ちょっといくつか注意点を。
まず、今お住まいの場所では
移動手段として車がないと地理的に難しいのであれば
車購入は必要不可欠な買い物となります。
しかし大都市圏に住み、
仕事場へも電車で通勤ができる場合にはどうでしょう。
本当に必要かどうか、もう一度考えてみましょう。
車は購入をしてから、ある意味で本当の費用負担が始まります。
移動手段として車を所有している限りかかる費用には
自動車税、保険（自賠責・任意）、車検、駐車スペース費用、
ガソリン代金等々があります。
皆さんもマネー雑誌などで
FP家計相談を目にする機会があるかもしれませんが、
その中でFPが必ずといって良いほど
赤字家庭の家計の見直しでアドバイスに挙げるのが
クルマの保有継続についてです。
それだけ家計改善には欠かせない項目だと言っても
言い過ぎではないでしょう。
そのような理由で、車購入については
勢いではなくちょっと考えてから購入して欲しいのです。
しかし、男性であれば
車の保有に費用がかかるということは頭ではわかっていても
理屈ではなく購入したいと思うのも確かです。
休みの日に仲の良い友人や、会社の同僚（同期）と
車中で歓談しながら、遊びに出かけることを
想像しただけでも楽しそうです。
しかしその一方、最近は同じ２０代の男性でも
車に乗る機会は仕事が休みの土、日程度しかないので、
普段の移動は電車、バスを利用すればいいと考えて
車の所有は合理的ではないと判断する人も多いようです。
車を利用する時にはレンタカーを借りるという
現実派の人も多く見受けられるようになりました。
どちらが自分にとって優先順位が高いのか、
お目当ての車購入の資金が貯まるまでに
考えてはいかがでしょうか。
実はお金に関する投資以上に読書や勉強
（仕事関連でも良いですし、
ご自身が興味のあることでも構いません）
をして欲しいと考えています。
※学校を卒業したら勉強は終わりではなく、実はそれからが本番です。
FPのアドバイスというと
どうしても金銭面に関するアドバイスに限られてしまいますが、
ここは個人的に大切なところだと思っていますので
気に留めておいていただければ嬉しいですね。
仮に６０歳まで仕事をしていくとなると
少なくともこれから３５年、もしくは人によっては
それ以上仕事と関わることになります。
お金の運用に複利の効果があるように、
あなた自身の仕事力というか人間力を高めることにも
この複利の効果を活用することはできます。
ちなみに運用における複利の効果を高めるには、
投資金額、投資期間、利回りの３つの要素が大切だと言われています。
これを個人におきかえるのであれば、
・投資金額 ＝ 読書や勉強にかける金額
・投資期間 ＝ 継続的に続ける勉強期間
・利回り ＝ 一日の読書や勉強に掛ける時間
と考えられます。
実行したからといって、いきなり明日から
目に見えて「仕事ができる人間！」になって
来年から「年収１，０００万円！」にはなりません。
でも、今は周りの同年代の人と大した差がついてなくても、
３年、５年、１０年となると徐々にその成果
（数字で見れば、年収や仕事上の立場等）
は現れてくると思います。
しかも経過年数が経つほど、その差は広がっていくでしょう。
つまりあなた自身の力を高めることで
自然と稼げる力が身について、結果として収入増に繋がるのです。
もしかしたら自分への投資が
「一番確実で投資効果の高いもの！？」
なのかもしれません。
・変動費管理は緩やかな一括管理で！自分の中でお金配分の優先順位を決めておく。続けられることが重要。
・独身時代は今の生活レベルをできるだけの維持しよう。一度上げた生活レベルを落とすことは大変な作業。
・家賃などの固定費は最初の設定が肝心！
・車の維持費は馬鹿にならない。しかしお金だけでは計算できないものもあるので、自分で優先順位を考えてみる。
・金融商品だけではなく今しかできない自分投資も大切。２０代は自分の理想とする３０～４０代のための投資期間。
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