Vol.12 安全策ならMMF,投資なら新興国投信
投資や保険など、お金に関する様々なテーマに
幅広い分野のプロフェッショナルがズバリ答えるこのコラム。
今回も前回に引き続き
「ボーナスでチャンスをつかめ!とっておき運用術」について
新聞、マネー雑誌、経済誌など様々なメディアで活躍中の
ファイナンシャルプランナー 深野康彦さんに答えていただきました。
深野康彦 プロフィール
有限会社ファイナンシャルリサーチ代表
ファイナンシャルプランナー
様々なメディアを中心に、個人の資産運用や管理、家計管理や見直しなど、お金に関する啓蒙活動や、新聞・マネー雑誌、経済誌などへの執筆・取材協力および金融データの提供を行っている。
ラジオ日経ファイナンシャルBOX/木曜日のパーソナリティでもある。
主な著書に『家計崩壊──「見えないインフレ」時代を生きる知恵 (講談社+α新書)』(講談社)などがある。
前回はお金の色分け、運用の環境について述べましたので、
今回は前回の内容を踏まえて
具体的な運用商品について解説していきます。
安全確実に運用したいお金は、
金利の本格的な上昇が見込めにくいため、
変動金利型商品は時期尚早。
さりとて、日本銀行は景気が後退気味になっても、
利下げをしてゼロ金利政策に戻すつもりはないと思われます。
したがって、ここから大幅な金利の低下は考えにくいため
長期の固定金利商品も控えたほうがよいでしょう。
景気の動きを見ながら余裕をもって動けるように、
預入期間が1年以内の定期預金が良いと思われます。
ただし、大手銀行などの店舗を構える金融機関の金利は低いので、
少しでも有利に運用できるネット銀行の定期預金がよいでしょう。
あるいは、利回りが高く、
流動性も兼ね備えるのであれば、
元本保証ではないもののMMFあたりも
お勧めできる金融商品と思われます。
景気が悪化せず盛り返してくれば、
MMFは政策金利に同調して 、
運用実績が上がるのも心強い限りです。
リスクがあっても運用益をしっかり確保したい方は、
株式や投資信託がよいはずです。
ただ、国内に限れば、個別株に自信があるのなら別ですが、日経平均株価などに連動するインデックスファンドやETFは、景気後退に歯止めがかかるまでは、見送ったほうがよい気がしてなりません。
であれば、外国株式で運用される投資信託がよいでしょう。
2008年は北京オリンピックの開催、2010年のサッカーW杯の地区予選の本格化などで、2007年に引き続き新興国にスポットライトが当たることが予想されるからです。
もちろん、
新興国の経済成長率が先進諸国を凌駕しているのですから、
業績面での不安は少ないはずです。
ただ、新興国の株式市場は、
先進諸国と比較してマーケットが脆弱な分、
価格変動の振幅は非常に大きいと肝に命じておいて下さい。
最後に、外貨についてですが、
米ドルは不安定なためお勧めできません。
ユーロも景気に不透明感が出始めているので、
2007年のような強気基調が続くかは微妙なところ。
資源高が2008年も続くと予想される専門家が多いので、
資源国通貨であるカナダドルやオーストラリアドルあたりが、
2007年に引き続き注目されるのではないかと思っています。
・まずは運用に回せる金額を把握しよう。
・金利の本格的な上昇は見込みにくく、国内景気も低迷気味になりそう。
・安全確実に行くのであれば1年以内のネット定期かMMFへ。
・投資するのであれば、新興国の投資信託がよい。
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