Vol.1 銘柄は四季報で,市場は新聞でCheck
投資や保険など、お金に関する様々な質問に
幅広い分野のプロフェッショナルがズバリ答えるこのコラム。
今月の質問は「最近、株式投資をはじめたのですが、
情報はどのように収集するのがいいでしょうか?」です。
このまま銀行に貯金をしていてもお金を増やすことができないと考え、
最近、株式への投資をはじめました。
でも、株に関する情報を集めるにも
「新聞」「雑誌」「TV」「四季報」「インターネット」など
メディアがたくさんありすぎて混乱してしまいます。
また市場では、落ち着いたと思ったサブプライム問題がまた浮かびあがり、
急に株価が下がったりするなど、毎日が予測できないことの連続です。
私のような初心者はどのように情報を収集するべきでしょうか。
(30代男性)
今回は株式投資に関する著作も多く、
ファイナンシャルプランナーの資格も持っている
ライターの藤本 壱さんに
答えていただきました。
藤本壱(ふじもとはじめ)プロフィール
1969年兵庫県伊丹市生まれ。
神戸大学工学部電子工学科を卒業後、パッケージソフトメーカーの開発職を経て、
現在ではパソコンおよびマネー関連のフリーライターや、
ファイナンシャルプランナー(CFP(R)認定者)などとして活動している。
ホームページのアドレスは、http://www.1-fuji.com/ 。
また、Blogのアドレスは http://www.h-fj.com/blog/ 。
株式投資を行う上で、売買する銘柄やタイミングを判断する際には、
さまざまな情報を元にすることになります。
しかし、株式投資を始めたばかりの方だと、ご質問のように、
情報をどのように集めれば良いかが難しいことでしょう。
そこで、株式投資に関する情報集めの主な方法と、
その使いこなし方などを、2回に渡って紹介します。
株式を買うにあたって、まずは銘柄を決めることから始めます。
その際には、「会社四季報」が非常に役に立ちます。
会社四季報は、株式市場に上場している会社について、
業績や財務など、会社の主な情報をコンパクトにまとめたものです。
多くの情報を素早く見ることができる点が便利です。
特に、株式を長期保有するつもりであれば、
しっかりした会社の株式を選ぶことが重要です。
そのためには、会社の業績や財務等の情報を
十分にチェックすることが必要であり、
会社四季報は欠かせないツールになります。
基本的に、業績が伸びて利益も増加傾向の会社は、
今後も株価が上がりそうだという判断をすることができます。
会社四季報には過去数年の業績の情報が出ていますので、
それを見ることで売上や利益が増加傾向かどうかが分かります。
また、株価は1株あたりの利益に比例して決まる傾向があります
(おおむね、1株あたり利益の20倍程度)。
したがって、利益の割に株価が異様に高い銘柄は、
買うべきではなさそうだといった判断をすることもできます。
四季報は年に4回発売されますが(3/6/9/12月)、
日本の会社は3月決算のところが多く、
6月に発売される四季報に決算の情報が掲載されることが多くなります。
したがって、6月の四季報を特に重視すると良いでしょう。
ただし、情報の「鮮度」の点では、
会社四季報は新聞やインターネットにはかないません。
会社四季報で会社の情報を一通りチェックした後、
その会社のホームページのIR(※)のコーナーを見て、
業績予想の修正などが行われているかどうかを
チェックすることが必要です。
(※注)IR
「Investors Relations」の略で、
投資家向けに広報を行うことを指します。
経済は日々変化していますので、その流れを知る上で、
新聞にも毎日目を通すことをお勧めします。
まず、何か株式を買ったのなら、その銘柄に関するニュースは
欠かさずチェックしておくべきです。
特に、悪いニュースが出れば、たいていは株価が下がります。
「ニュースを見逃していたがために、売り損ねてしまった」と
いったことがないようにしたいものです。
また、個別銘柄の情報だけでなく、
経済全体の動きも見ておくべきでしょう。
「木を見て森を見ず」になってしまうと、
株式投資はなかなかうまくいかないことも多いです。
たとえば、GDP(国内総生産)や、
日本銀行の短観(短期経済観測調査)が報じられると、
それによって株式市場全体が動くこともよくあります。
また、為替や金利の動向によっても、
株式市場全体が影響を受けます。
今回は、株式投資の情報収集の方法として
会社四季報と新聞を取り上げましたが、まだ他にも方法はあります。
次回は、インターネットからの情報収集の方法を中心に取り上げます。
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