道成寺 [アート]
古いLDを持ち出してきました…
道成寺・火宅
あまりに有名な話で恐縮ですが、引用しておきます
昔、奥州白河に安珍という修行者がいた。彼は毎年、紀州熊野権現に参詣していたが、そのための宿に真砂庄司の家を定めていた。清姫はその庄司の娘であった。
ある年、安珍はたわむれに清姫に向かって、嫁にして奥州へ連れて行く、と言った。安珍は美男であったので、清姫はたちまちのぼせ上ってしまった。そして安珍に、早く嫁にしてくれ、早く連れて行ってくれと迫った。だが、安珍は修行者であるので、妻帯はむずかしい。たわむれに言った言葉を真に受けとられて、ほとほと困りはてた。
やむなく、何とかごまかして逃げ出したが、清姫もすぐに追いかけて来る。
切目川という川をも渡り、あやうく追いつかれそうになった。安珍は呪法を使って押し止めようとしたけれども、今度は蛇体となってなおも追いすがる。これまでと思った安珍は、道成寺に逃げ込み、捨て身の覚悟で大きな鐘の中に隠れた。しかし、清姫の蛇は、その大釣鐘を七巻きも取り巻き、身をこがす恋の炎で焼きつくしてしまったという。
かくして、清姫は妖怪として後世に名を残すことになります
道成寺鐘(鳥山石燕『画図百鬼夜行全画集』より)
ラシーヌの「フェードル」にも匹敵する、狂気の恋の物語だと思いますが…
清姫を、ただの執念深い勘違い女、偏執的ストーカーと考えるのは、ちょっとかわいそうかな
これは、やっぱり悲しい、悲しい恋の物語
なぜなら、恋は「障壁」
行く手をさえぎる壁が高ければ高いほど、ますます激しく燃え上がるもの
逆に言えば、たやすく手に入るものなど恋の名に値しないのです
今日の1曲
Ashes Are Burning 「燃ゆる灰」/ Renaissance
http://www.youtube.com/watch?v=8Nldd3zJCEY&feature=related
燃ゆる灰 紙ジャケット仕様
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