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プロパガンダ / シークレット・ウィッシュ [ミュージック]

一番よく聴いたアルバムは? と聞かれたら、これをあげるしかないでしょう
プロパガンダ / シークレット・ウィッシュ

↓ジャケットはワイヤーの拘束着、1万ボルトの電流が流れます、たぶん…

このアルバムは、アナログ盤も含めて4枚持ってますから、最低でも4回は聴いたことになります(笑)

(左)アナログ盤 1985年 ポリスター R25D-2006
(右上)CD用特別編集 1985年 ポリスター P35D-20007
(右中)+4 1994年 ワーナー WPCR-20
(右下)20th Anniversary Edition 2003年 Repertoire REP 5003

イエスの「ロンリー・ハート」で一発当てちゃったトレヴァー・ホーンが、ZTTレーベルから送り込んだ3番目の刺客、プロパガンダ
ドイツ出身の4人組で、ロマンティック・ノイズの旗手などと騒がれました
彼らが1985年に発表したデビュー・アルバムが“A Secret Wish”=密かな願い?

収録曲は(CD用特別編集と20th Anniversary Editionに準拠)
Disc 1
1. Dream Within A Dream 「ドリーム」
オープニングは、
All that we see or seen is but a dream within a dream
エドガー・アラン・ポーの詩「夢の夢」から
この一節が、アルバム全体のモチーフです
物憂げなトランペットの音(=サンプリング、つまりは偽物)とともに夢幻の世界に堕ちていく…
CD用特別編集では、アナログ盤よりも長いヴァージョンを採用

2. Murder of Love 「マーダー・オブ・ラヴ」
チョッパー・ベース炸裂
もちろん、これもまがいもの(=サンプリング)ですが…
オシャレなサウンドに載せて、クールな歌姫クラウディア・ブルッケンが「貴方を、第1級殺人罪で告発するわ…」と歌います
ここにまた一人、愛の犠牲者が…

3. Jewel 「ジュエル」
4. Duel 「不思議の国のデュエル」
ジュエル(宝石)とデュエル(決闘)、一卵性双生児の2曲(アナログ盤では、連続一体化)
「ジュエル」は、「デュエル」のハイパー・ヴァイオレンス・ヴァージョン
アナログ盤ではインストでしたが、CD用特別編集では錯乱ヴォーカル入り
ノイバウテン風ノイズの中をジェットコースターで急上昇・急降下…酔えます
一転、次の「デュエル」は超ポップなアイドル歌謡
2ndシングルにもなりました
邦題からもわかるように「不思議の国のアリス」を相当意識してますが、いくらブリッ子しても個性派クラウディアにはアリスは無理…どう見てもユダヤ人収容所の女看守だな~
(ちなみに、男性メンバー2人はナチスの将校顔です)
ドラムは、スチュワート・コープランド(ポリス)のサンプリングだとか…

5. Frozen Faces 「フローズン・フェイス」
ひねったテクノ・ポップにクールなヴォーカル(ドイツ語ラップ)
アナログ盤には未収録

6. P-Machinery 「P-マシナリー」
3rd シングルで、典型的なピコピコ・サウンド
これは、もしかしてテクノ・ポップの到達点?…ヤズーの「ノーバディズ・ダイアリー」と並ぶ名曲です(下世話なメロディがイイ!)
作詞は…デヴィッド・シルヴィアン(JAPAN)だったんだ…でも、another hope,another dream,another truthのところしか覚えてないや
アルバム・タイトルも、この曲に由来だそうです

7. Sorry for Laughing 「ソーリー・フォー・ラフィング」
ノイジーだけど幻想的
過剰なスネアとキックは…やはり、にせものです

8. Chase 「チェイス」
映画のサントラのような…って、これは全曲共通の特徴でした
ラストへ向かって無気味な雰囲気を募らせます

9. Dr. Mabuse 「マブーセ」
CD用特別編集では、ようやく最後に登場する怪人マブゼ博士(アナログ盤では、「マブーセ」の後、間に「チェイス」をはさんで「ラスト・ワード / ストレングス・トゥ・ドリーム」=「マブーセ」のリプライズでエンディング)
アルバムに先駆けて発表されたプロパガンダのデビュー・シングルでピカレスク・ソング
フリッツ・ラング監督の映画「ドクトル・マブゼ」にインスパイアされた作品だとか
(この映画、昨年9月の映画祭「ドイツ時代のラングとムルナウ」の中で上映されたのですが、結局スケジュールの調整がつきませんでした…ずっと観たかったのに、残念! 仕方ないので、カリガリ博士のような映画だと思っときます)
Why does it hurt when my heart misses the beat(なぜ心が痛むの、私の心臓が鼓動しなくなると)で始まり、Sell him your soulやNever look backのファウスト博士風リフレインは決まりすぎ
サウンドの方は、金属ハンマー、銃声、逃げ惑う足音、神経質なヴァイオリン…コラージュの嵐です
やがていつしか雨が落ちてきて、その勢いを増していき、そして暗闇の中、一瞬光ったかと思ったら、雷鳴が鳴り響き…
避雷針から集められた電気は、怪しげな実験装置に送り込まれ、新たな生命の息吹を呼び覚ます…
そのとき、マッド・サイエンティストの“It's alive!”の絶叫が…
ラスト・ワードはもちろん、
All that we see or seen is but a dream within a dream
私たちの眺めてるものといったら、それはただの夢の夢…

20th Anniversary Editionは、DVD付き
それも紹介しておくと、
Disc 2 (DVD)
1. Duel (Version 1)
ヴィデオは、ウルトラヴォックスのミッジ・ユーロがプロデュース
ダリ風デザインのシュールなステージ、アクション・シーンもあり

2. P-Machinery
人間操り人形、人間振り子…ま、くだらないですが

3. Dr. Mabuse (Version 1)
モノクロームの世界…
ドイツ表現主義を堪能できます

4. Dr. Mabuse (Version 2)
クラウディアのヴォーカルはSo cool!
他の連中は、メタル・ジャンクたたいてます
ドラムは、えっ、デヴィッド・シルヴィアンの弟スティーヴ・ジャンセン?


(上)不思議の国のデュエル(アナログ盤12インチ・シングル)
ジャケットは、エクソシスト(悪魔祓師)に扮するクラウディア
(下左)マブーセ(CDシングル)
(下右)P-マシナリー(CDシングル)


Wishful Thinking
国内盤発売なし
「シークレット・ウィッシュ」の解体新書ヴァージョン
名曲は、脱構築されてしまいました


(上)プロパガンダ / ワン・トゥー・スリー・フォー
1990年発表の2nd
クラウディアの脱退、そして、ヴァージン・レコードへの移籍…ああ、プロパガンダは、ただのAORバンドになってしまいました
(下)クラウディア・ブルッケン/「愛は万華鏡のように…」
1991年発表、ソロ・デビュー作
これもFMオンエアーをねらったAORアルバムですが…
でも、いい曲そろえてます
特に、「アブソリュート」「アンフォギベアブル」「ラヴ・イン・アナザー・ワールド」は絶品…

今日の1曲
Femme Fatale (The Woman Orchid) 「ファム・ファタル(宿命の女)」 / Propaganda
もちろん、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドのカバーです
+4やシングル盤に収録
こちらでも聴けます↓

Outside World

Outside World

  • アーティスト: Propaganda
  • 出版社/メーカー: ZTT
  • 発売日: 2005/10/25
  • メディア: CD

こんなのも見つけました…

Produced by Trevor Horn

Produced by Trevor Horn

  • アーティスト: Various Artists
  • 出版社/メーカー: ZTT
  • 発売日: 2004/11/22
  • メディア: CD

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コメント 15

音楽になると、途端について行けるようになる私。
プロパガンダ懐かしいですね~。かなり世代です。
一番聴いていた時代だモノ。でも4枚は凄いです!
最後のスペシャルは、何がスペシャルなのでしょう?
by (2006-02-04 05:38) 

nobby

これは、モバサム兄貴ご推薦とあれば、聞かないわけにいきません。
プロパガンダ。いっときます。(笑)ジャズ研の先輩がアナログ時代に
通常用に1枚、バックアップに1枚、永久保存用に1枚と聞いてびびりましたが、デジタルを3枚と言うのはすごいっす。
by nobby (2006-02-04 10:04) 

おかあか

こんにちは。
何かこんな(素晴らしい)レヴュー書かはるなんて....
私は聴いた事ないけど、師匠の(めずらしく)熱い思いは
もんのすごく伝わりましたよン(^^)v
(また、聴きたいリストが増えちゃった....(^^;))
nice!押せなくてごめんね。
by おかあか (2006-02-04 12:46) 

モバサム41

>あきつさん
最後のスペシャルってのは、20th Anniversary Editionのことでしょうか?
だったら、DVD付きってところです。
音も鮮明になった…ような気がします(笑)
by モバサム41 (2006-02-04 23:18) 

モバサム41

>nobbyさん
この手の音が、実は一番好きなんですよ。
不響和音いっぱい、でも超ポップって感じで、しかもインテリジェント。
自信を持ってお奨めします。
by モバサム41 (2006-02-04 23:23) 

モバサム41

>おかあかさん
聴いたことなかったですか?
80年代中頃には結構人気ありました。
でも、純粋な音楽ファンよりも、新しモノ好きの人たちが好んで取り上げてた気もします。
確か、P-マシナリーはCMにも使われました。
by モバサム41 (2006-02-04 23:30) 

yubeshi

nice!(所詮訪問履歴ですが)を100個あげたいくらいです!
パララララ〜パララララ〜ですね。
パーパッパパ、パッパパララー、パーパッパパですね。
個人的には隠れた名盤扱いだったのですが、こんなに評価されていて、こんなに奥が深かったんですね。
あんまり余計な事書かない方がいいですね。完璧です!(←嫌がらせ)
by yubeshi (2006-02-05 11:27) 

yubeshi

あと、質問。グループ名はスパークスからですか?
by yubeshi (2006-02-05 11:29) 

モバサム41

実は、この記事、yubeshiさんのアルバム・レビューのパロディなんですよ。
熱い(熱苦しい)でしょ?(笑)
スパークスは、新作が出るそうな…
by モバサム41 (2006-02-05 11:42) 

知らなかった。
でもフランケンシュタイン博士の雄叫び入りなら聴いてみよかな・・・
by (2006-02-06 21:29) 

モバサム41

え~っと、雷鳴までは事実ですが、そっから先はfictionです(笑)
でも、そんな映像が音聞いて浮かんでくるんです。
by モバサム41 (2006-02-06 23:50) 

TAN

こちらも過去記事ですが、素晴らしいのでTBさせていただきました。
by TAN (2006-09-18 14:43) 

モバサム41

TANさん、ありがとうございます。
プロパガンダは、実質これ1枚きりでしたが、忘れられないインパクトを持ったアーティストでした。
by モバサム41 (2006-09-19 01:19) 

おっさん

初めてコメントします。

「で、999(銀河鉄道ではありません) そう言えば、こんな曲がありましたよ~ いや~、今回UK篇では、これが一番ハマッてしまいました。大げさでわざとらしい悲壮感がサイコーです。
結果は、もちろん、999(UK)の大勝利。」

本文の前半に上記の文がありますが、「999」の読み方、或いは呼び方を教えてください。

by おっさん (2009-05-18 08:57) 

モバサム41

おっさんさん、コメントありがとうございます。
お返事遅れて申し訳ありません。
でも、これって「ザ・パンク対決 後半」へのコメントなんでしょうか?
999は、当時「ナインナインナイン」と言ってた気がします。
「スリーナイン」ではなかった気がします。
by モバサム41 (2009-05-22 02:35) 

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