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『夜は短し歩けよ乙女』 森見登美彦 [読書]

かわいくとぼけた味わいのドタバタコメディでした。
舞台は京都。京都の地名はきれいですね。
こちらで立ち読みできますのでぜひ
http://www.kadokawa.co.jp/tachiyomi/book/200601000288/index.html#

役者に満ちたこの世界において、
誰もが主役を張ろうと小狡く立ち廻るが、
まったく意図せざるうちに彼女はその夜の主役であった。
そのことに当の本人は気づかなかった。
今もまだ気づいていまい。

そんなかわいゆい乙女が主人公です。
もうひとりの主人公は彼女に恋する「クラブの先輩」
「黒髪の乙女とともに歩む薔薇色のキャンパスライフ」
を夢みて、ロマンチック・エンジンを暴走させる「先輩」

「その後ろ姿を見つめに見つめて数ヶ月、
もはや私は彼女の後ろ姿に関する世界的権威といわれる男だ。」

彼女の眼中に入ろうと七転八倒し
「ナカメ作戦」を敢行している。
「ナカメ作戦」とは
「なるべく彼女の目にとまる作戦」

頻発する「偶然の出会い」は偶然の域をこえているのに
「あ!先輩、奇遇ですねえ!」
と天真爛漫な笑みをもって応え続ける乙女。
さてこのふたりの関係はどうなることでしょうか。

舞台となるのは新緑も盛りを過ぎた五月の終わり
彼女が酒精に浸った夜の木屋町から先斗町界隈、
夏の下鴨神社の古本市、晩秋の学園祭
季節は冬に変わり風邪の神が跋扈する街。

狂乱の学園祭パートが特に楽しかった!
「阿呆の祭典」
「学園祭とは青春の押し売り叩き売り、いわば青春闇市なり!」
巨大な緋鯉のぬいぐるみをなぜか背負い
黒髪の乙女はここでも主役となってしまうのであった。

個性的な登場人物はみんな魅力的でした。
わたしのお気に入りは「事務局長」

「多彩な男で、その才能の発揮しどころは、
学園祭事務局の雑務、軽音サークル、
趣味の落語から女装に及ぶ。」

「わけても、男にはもったいない美貌を駆使した
彼の女装は有名であり、
戯れに顔を出した「女装喫茶」で多くの男たちを
不毛な恋路へ誘ったことは悪名高い。」

女装姿を拝見したいです!

夜は短し歩けよ乙女

夜は短し歩けよ乙女

  • 作者: 森見 登美彦
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2006/11/29
  • メディア: 単行本

 


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サンフランシスコ人

映画「夜は短し歩けよ乙女」....2018年8月24日....サンフランシスコの映画館で公開...

http://www.roxie.com/ai1ec_event/night-is-short-walk-on-girl/?instance_id=28601
by サンフランシスコ人 (2018-08-17 03:02) 

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