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『天と地の守り人<第一部>』 上橋菜穂子 [読書]

『蒼路の旅人』はチャグムが ひとり夜の海に飛び込み、
ロタを目指す場面で終わります。
目的はロタ国王に、祖国新ヨゴ皇国との
同盟を持ちかけること。
無事に島にたどり着けるのか、
ロタ国王に会うことが出来るのか、確かなものは何もない。
それでも、この道を選ばなければならないと決断します。
強大な国タルシュに降伏し、祖国を枝国にするわけにはいかない。
南の大陸で、多くのものを見たチャグムには、
枝国になることが民の幸せにつながるとは思えない。
それならば、ロタとの同盟に希望を託すしかありません。

『天と地の守り人』第一部はロタ王国が舞台。
行方不明のチャグムを救出するために
バルサが活躍します。

バルサは三十半ば。
もう若い頃のようにはいかないと自分の年齢を意識している。
それでも、チャグムを救うためには何者をも恐れない。
その強い気持ちがこの物語に貫かれていて、胸を打たれます。

それぞれの国がそれぞれの事情を抱えている。
それが一気に噴出して、ゴチャゴチャです
(わたしの頭のなかが^^;)
ナユグに異変が起きていて、その影響でサグ<現世>に
何かの危機が引き起こされそうだし、
いろいろとたいへん。

 

チャグムが持っているサンガル王の贈り物、
その中で、最もめだつ宝石、
タルファ<紅炎石(こうえんせき)>の頭帯飾りを手がかりに、
バルサはロタの港街ツーラム港で足取りを辿りはじめます。

行く先々で襲いかかってくる敵。
タルシュ国内の跡目争いを反映して、
<南翼>と<北翼>の敵対する勢力が
それぞれ、拮抗しながらチャグムを追っている。
タルシュの密偵を追うロタのカシャル<猟犬>も絡んできます。

カンバル王国のなかにも裏切り者はいる。
ロタ王国には、故国を敵に売り渡し
政権を握ろうとたくらむ南部の大領主たち、
事態は複雑になるばかりです。

新ヨゴ皇国では葬儀と、故国をまもる守護神として
チャグムを神にまつりあげる儀式がおこなわれる。
第二皇子が皇太子になり、
それゆえ権力の座を強固にした者にとって、
チャグムが生きていることは不利益にしかならない。
チャグムの立場はあやういものになっています。

新ヨゴ王国の帝は枝国になることを拒絶し、
民を道連れに滅びの道をひた走る。
国を滅亡させるよりも有利な立場で枝国になる道を選ぼうと、
タルシュに通じる者がいる。
その者に、星読博士シュガは近づいていく。

バルサはチャグムに会うことができました。
自分より背が高くなってしまった若者、チャグムに。
あ~、会えてよかった!
読んでいて、ホッとしました。

自分が見たのはあまい夢にすぎなかったと嘆くチャグム。
皇太子として、自分のなすべき事をやりとげようとしているチャグムに
バルサはヒュウゴからの伝言を伝える。
「ロタとカンバルの同盟」
チャグムの胸に希望の灯がともる。

第二部では、バルサの故郷カンバルへと舞台がうつります。
カンバル王国はどのような状況になっているのでしょうか。
国王はチャグムの話に耳を傾けてくれるのでしょうか。

天と地の守り人〈第1部〉

天と地の守り人〈第1部〉

  • 作者: 二木 真希子, 上橋 菜穂子
  • 出版社/メーカー: 偕成社
  • 発売日: 2006/11
  • メディア: 単行本


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コメント 2

books_2

こんばんわ。天と地・・はそう言うないようだったんですね。
第2部は1月下旬に第3部は2月中旬に発売になりますね。
これからどうなっていくのか楽しみですね[ぴかぴか]
by books_2 (2007-02-02 21:08) 

miyuco

> パキ さん
はやく第三部まで読みたいです[ぴかぴか]
どんな結末になるんでしょうね。
nice!とコメントありがとうございました♪
by miyuco (2007-02-04 09:42) 

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