『親切なおばけ』 若竹七海・作 杉田比呂美・絵 [読書]
杉田比呂美さんの素朴な絵が大好き。
若竹七海の本のイラストで好きになりました。
宮部みゆき『名もなき毒』の装幀もよかったな。
きれいな水色の本。「親切なおばけ」ってなんだろう?
近所の人から「おばけやしき」と呼ばれるほど、
古いお家に住んでいるノノコちゃん。
それが理由で、いつもひとりぼっちです。
おばけでいるのが好きなら、
いっしょうけんめい、いいおばけにならないとね。
大好きなおじいさんは、こう言います。
「親切なおばけ」になればノノコにはきっといいことがある、と。
ミゼットが走る「ほんの少しだけ昔」の物語。
昭和30年代かな。
お母さんの髪型や子供たちの遊んでいる様子から窺えます。
おじいさんが急に亡くなってしまい、お葬式にてんてこまい。
昔のお葬式は本当にたいへんでした。
人が大勢集まってきます。
(汲み取り式トイレのタンクがいっぱいになってしまった家もありました^^;)
お台所も目が回るほど忙しい。
子供はどこにいてもジャマにされてしまうわけです。
「とても親切で、ひとのためにがんばる、優しいおばけになるわ」
そんなノノコのがんばりが、
思いも寄らぬカタルシスを引き起こすことになります。
ノノコちゃんをひっかついで、
家から走り出るおかあさんの表情がすてき
親切なおばけになろうとしたノノコちゃん、
ごほうびはいただけたでしょうか?
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