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『ナイチンゲールの沈黙』 海堂尊 [読書]

「チーム・バチスタの栄光」の続編です。
おもしろく読みましたが、ちょっと期待はずれだった。
いろいろと詰め込みすぎ。
それでもこの作者には400ページを読ませる力があります。

メインの殺人事件にもう少しひねりがあっても
よかったのではないかな。
周りでがちゃがちゃ騒いでいるわりには、
たいした事件ではないし。
当事者が隠蔽しようとする気持ちがよくわからない。

白衣の歌姫の唄の力が現実離れしすぎて、
「メディカル・エンターテインメント」にはふさわしくない、
違和感が残ります。
ロマンティックな部分が今回はありますが
(セカチューもどきだったり)
こういうの、作者は得意ではないみたい。
あまり響いてこなかった。
瀕死の歌姫は、ダークな雰囲気が印象に残ります。

レティノ患者、五歳のアツシくんの扱いが好きではない。
過酷な試練を受けなければいけない子供を、
ストーリーを動かす駒としてしか扱っていないように思える。
子供相手の失言の数々、なんなのよ。
腹をたてながら読んでました。
牧村瑞人の心はもっともっと揺れているはずなのに、
あまりにも描写不足。

   
東城大学医学部付属病院・小児科病棟に勤務する浜田小夜。
担当は、眼球に発生する癌―網膜芽腫(レティノブラストーマ)の子供たち。
眼球を摘出されてしまう彼らの運命に心を痛めた小夜は、子供たちのメンタルサポートを
不定愁訴外来・田口公平に依頼する。
その渦中に、患児の父親が殺され、警察庁から派遣された加納警視正は院内捜査を開始する。
小児科病棟や救急センターのスタッフ、大量吐血で緊急入院した伝説の歌姫、
そこに厚生労働省の変人・白鳥圭輔も加わり、事件は思いもかけない展開を見せていく…。
   

桜宮病院について、思わせぶりなセリフがいくつかありました。
これは次回作『螺鈿迷宮』への布石なんですね。
二ヶ月連続刊行です。

ナイチンゲールの沈黙

ナイチンゲールの沈黙

  • 作者: 海堂 尊
  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 2006/10/06
  • メディア: 単行本



 


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