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『桃色トワイライト』 三浦しをん [読書]

信条・・全力で(漫画を)愛す。
プロフィールのこの一文がいいですわ。

私の人格と理念のほとんどすべての部分が、
漫画から影響を受けてできあがったものだと言っても
過言ではないっぽい。

…私もそうです。
彼女の「漫画」と私の「漫画」は違うかもしれないけれど、
同じ部分も多いような気がする。
私はもう彼女のような現役の漫画読みではないのですが。

しをんのしおり」に掲載されたものをまとめたエッセー集。
松苗あけみの美麗なイラストが表紙です。
この本、笑える。そしてこの世界を理解できる自分がコワイ

ホ○漫画を三千冊は持っていなかったが、
少女漫画は千冊近く持っていた。
もちろん、家族からは家が潰れると責め立てられていた。

BUCK-TICK(バクチク)の櫻井敦司の美しさを理解できる。(かつてファンだった)
BUCK-TICK 大好きだった美しい曲 『Jupiter』
http://www.youtube.com/watch?v=P554AnqZXqY

オダジョーを愛するあまり「仮面ライダークウガ」の
DVDを全巻揃えたりはしないが
クウガ放送時はリアルで観ていた。
当時は変身ポーズも完璧だった。

ロード・オブ・ザ・リングを観てから
ヴィゴ・モーテンセン(アラゴルン)大好き。
「キーロフバレエ団にミロノフ先生
(山岸涼子『アラベスク』のヒーロー)は実在する!
ミロノフ先生は私の心のなかでいつだって輝いている!」
と私も思っている!
以上、共感できる部分でした 

私の読んでいる本を何気にチェックしている長男が、
このピンクの本を見つけて
「なに、この綺麗な表紙」と言いながら、パラパラとめくって、大爆笑。
そのまま部屋に持っていってしまいました。
そして一言…
「ホモが嫌いな女子はいません!」
だそうです  ↑何かの名言らしい。

う~む、こんな事を言われると、
この一年以内で最も心を動かされた映画は
『ブロークバック・マウンテン』と『メゾン・ド・ヒミコ』だと
口に出すのは勇気がいるではないか。
(いや、リアル世界では誰も私にこんなこと聞かないけれど。)
大好きな映画です。

そして、こういった文章にも共感します。以下、引用です。

私がこのごろ考えていたのは、物語で扱う題材を、
単なる「アイテム」に堕することなく表現するには、
どうすればいいのか、ということだ。
「恋愛」でも「暴力」でも、なんでもいい。
自分が表現したいと思うことを、
話を展開させるためのただの小道具としてじゃなく、
登場人物の魂に寄り添って、
ドラマとして抽出するにはどうしたらいいんだろう。

私たちは漫画に、
「こうあってほしい、と願う人間の理想の姿」
を見いだしているのだ。
泥にまみれていても、情けなくてもいい。それでも、
「こうあってほしい。自分もこうありたい」
と思える姿を、登場人物に仮託しているのである。

私は漫画に、夢と希望を見る。
明るい意味だけではなく、すべてを内包した夢と希望を。

今回、直木賞を受賞した『まほろ駅前多田便利軒』からは、
彼女のこういった考え方を感じたように思います。
そして、同時に受賞した森絵都の全ての作品からも。

桃色トワイライト

桃色トワイライト

  • 作者: 三浦 しをん
  • 出版社/メーカー: 太田出版
  • 発売日: 2005/08/06
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

三浦しをんは人気作品『N**A』には否定的みたいですね


タグ:三浦しをん
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かいろ

miyucoさん、こんにちは。
わたしもmiyucoさんや三浦しをんさんと同じく‘全力で(漫画を)愛す’ひとりでーす(でもあまりいろいろ読んでいるわけではないのですが。同じものを何度も何度も読み直して、は~やっぱりこれいいわあとひとり悦に入ってます☆)。

>私の人格と理念のほとんどすべての部分が、
漫画から影響を受けてできあがったものだと言っても
過言ではないっぽい。

まさにこの通りです!わたしは漢字や歴史や人の心の機微を漫画から教わりました!ここ何年かは映画の方に比重が移っていますが、やっぱり漫画が大好き。

>私は漫画に、夢と希望を見る。
明るい意味だけではなく、すべてを内包した夢と希望を。

・・・愛ですね・・・。なんだかなんでもいいから大好きな漫画を読みたくなってきちゃいました。それではこの辺で。
by かいろ (2006-09-02 13:35) 

miyuco

かいろさん、こんにちは。
漫画家さんって映画好きな方が多いので、その影響で私も映画を
観るようになったところがあります。70年代の漫画家さんに一番人気は
たぶんヴィスコンティではないかな。豪奢で耽美的な映像!
あっ、またコメントが長くなる^^;
この辺でやめておきましょう☆
by miyuco (2006-09-02 17:38) 

miyuco様、ナイスすぎる記事で、嬉しくなりました。
私も漫画と本と映画でできあがっている、と自分のことを思っています。
70年代、私が夢見る少女だった頃、文学界は若者に冷たかった。漫画の方がずっと、心に訴えるものがありました。私の感性は漫画に育ててもらったようなものです。
今や家に書庫を作り、廊下の壁一面に書棚を作り、それでも自室の床に本が山積みの生活です。でも幸せ。そして今だにコミケに通っています。
>私は漫画に、夢と希望を見る。
明るい意味だけではなく、すべてを内包した夢と希望を。
…同感です。人間性を教えてくれる、豊かな泉ですよね。しをんさん、良いことをおっしゃいますね。
映画好き、ヴィスコンティ好き(「ルートヴィヒ神々の黄昏」が…あ、長くなりそう。)も同じ経緯かもしれません。オダジョー、ミロノフ先生、ヴィゴ、皆好きです。
あああもう、コメント長くなりそうなので、終わりにします…。
by (2006-09-05 10:20) 

miyuco

>灰色猫のミミさん
書庫!なんてすてき♡ でも、今、我が家に書庫があったら
息子たちにジャンプコミックスを山積みにされてしまいそう(v_v。)
彼らは立入禁止にしなければ…
>70年代、私が夢見る少女だった頃、文学界は若者に冷たかった。
本当にそうでしたよね。日本の作家さんの何を読めばいいの?って
思ってました。少女漫画のあの凄さに匹敵するものを見いだせなかった。
コミケ、ふふっ、カート持ってお出かけでしたか^^v
nice!とコメントありがとうございました♪
by miyuco (2006-09-05 13:26) 

miyuco

ミナモちゃん、nice!ありがとう!
文庫本が発売されたんですね^^
by miyuco (2010-03-10 17:10) 

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