ニッポン硬貨の謎 北村薫 [読書]
- 作者: 北村 薫
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2005/06/30
- メディア: 単行本
幼児連続殺害事件に挑む、来日中の名探偵エラリー・クイーン…。
敬愛する本格ミステリの巨匠に捧げる、北村薫の華麗なるパスティーシュ。
北村薫作品を読むと、いつも国語の先生の語り口を感じてしまう。
この本をミステリーとして読むのはムリがありますね。謎解きがウーン…
でも読んでいて楽しかった。
作者が楽しそうに書いているのが伝わってくるかんじ。
外国人が誤解していそうな日本が上手に表現されていておもしろかった。
途中、エラリー・クイーン論にずいぶんページを割いています。
国名シリーズ、読んでいると思うんだけど、中高生の頃だからすでに30年近く経過してます。
くっきり覚えているのは『Yの悲劇』ですね。あの異様な一族、当然のように起こる殺人。
心臓が凍りつきそうなミステリーでした。
夢中になってふと気づくと夜中の3時すぎ。怖くてトイレにいけない状況になってました。
バーナビー・ロス名義の作品が好きだった。
北村薫さんがミステリーマニアだと本当によくわかる本でした。
タグ:北村薫
>北村薫作品を読むと、いつも国語の先生の語り口を感じてしまう
ほんとうにそうですね。
語り口だけでなく例えば“時と人の三部作”の主人公達の品行方正さは私には眩しすぎます。決して同様な行動はとれないでしょう。現役時代さぞ立派な教師だったのだろうと(皮肉でなく)想像します。
そんな拗けて見れば煙たいとも云える優等生達を主役において尚イヤミにならない辺りが力量なのでしょうね。
>途中、エラリー・クイーン論にずいぶんページを割いています。
『六の宮の姫君』もそうでした。アレ評論、文学論ですよね (*^-^)b
by けろろ軍曹 (2006-01-29 01:47)
>けろろ軍曹さん
『円紫さんと私』シリーズが気に入っているらしい連れ合いに
『六の宮の姫君』を薦めるのはためらわれるところがあります。
通勤途中で読むのはちょっとつらいかなと思ってしまって…
登場人物が清廉潔白すぎてリアリティーがないという批判も多いですよね。でも、そういうジャンル(?)があってもいいじゃないですか。
北村薫さん自身もそういった批判をご存じだと思うのですが
ちっともブレないところが、また先生らしいなと思ったりします。
by miyuco (2006-01-29 10:23)