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死神の精度 伊坂幸太郎 [読書]

死神の精度

死神の精度

  • 作者: 伊坂 幸太郎
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2005/06/28
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

装幀がすごくすてきです。
6つの話それぞれにも写真が添えられていて、
これがまたいいんです。(「魔王」の装幀はチョット…でしたが)
この本は好きです。
チルドレンも好きだったし、伊坂幸太郎の短編は相性がいいみたい。

俺が仕事をすると いつも降るんだ
クールでちょっとズレてる死神が出会った6つの物語

確かにズレてる。
日本語が不自由のようです。
ミュージックをこよなく愛する死神のお話。

「オール讀物」で「吹雪に死神」だけを読んだときは
なんか物足りないなと思ったのに、
6つの短編をまとめて読むと印象が変わります。
それはラストに「死神対老女」があるからですね。

死を実行する一週間前に、対象の人間と接触し、
二、三度話を聞き、「可」か「見送り」か決定する。
それが「千葉」という名前を使う死神の仕事。

後味が悪くなるはずの物語を、
作者は思いもよらない所に着地させます。
予想は心地よく裏切られていきます。
死神はただ平常営業しているだけなのですが。

「藤田」と「老女」と、特別出演の「重力ピエロ」の彼がカッコいいです
(「重力ピエロ」は受け付けなかったのに、
ここに出てくる彼はすごく好き。何故だ?
イメージは窪塚洋介。
高いところから飛び降りたつながり…もあります。)

「偽りと嘘に大した違いはない。
微妙な嘘というのは、ほとんど誤りに近い」
ゴダール「女と男のいる舗道」より引用。

最近、ゴダールと打ち込むのは3回目。
あがた森魚「最后のダンスステップ」のナレーションの引用。
恩田陸「三月は深き紅の淵」、
気狂いピエロのラストのランボウの引用。
奇妙に続きますね。
「女と男のいる鋪道」はまだ観ていないのですが、
観なさいってことかな?
う~、ゴダールに向き合う力が今の私にあるのか?
若いときならともかく。

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タグ:伊坂幸太郎
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コメント 2

びっけ

ようやく今日この本を読みました。
私もゴダールの映画『男と女のいる舗道』は未見です。
ゴダールの映画・・・清水の舞台から飛び降りるくらいの(どっこらしょ)が必要そう。
私も最後の「死神対老女」が一番好きかな。
これを読んだ後、『陰日向に咲く』を読んだのですが(今頃!!)、なんとなく構成が似ていて、ちょっと混乱しちゃいました。
登場人物が他の話にも関わってくるところとか、いくつか時間軸が過去の話があるところとか・・・。
次は『魔王』を読んでみようと思います。
by びっけ (2007-03-22 21:00) 

miyuco

>びっけさん
死神の千葉の大ファンなんです[ラブラブハート]
『陰日向に咲く』を読んで伊坂幸太郎を連想する方は多いみたいですよ。
時間的なトラップがとてもうまく使われています。
『終末のフール』が私的にはオススメでございます[目玉]
ゴダール…若い頃は【がんばって】観ましたが…
でも、ヒロインは綺麗でしたよね。
ジーン・セバーグ、アンア・カリーナが画面に出ると釘付けでした。
小悪魔的でコケティッシュ、魅力的だったな。

niceとコメントありがとうございました♪
by miyuco (2007-03-23 11:19) 

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