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永遠の出口 森絵都 [読書]

永遠の出口

永遠の出口

  • 作者: 森 絵都
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2003/03
  • メディア: 単行本

主人公の紀子の小学校3年生から
高校卒業までのエピソード、9編の連作短編集です。

この本は、一度読むのを挫折した作品です。
どうにも馴染めなくて。
中学生になったときからの話は本領発揮ですね。
閉塞状態にある中学校生活の息苦しさ。
叔母から母へあてた手紙
(グレた娘に頭を悩ませた経験者からのアドバイス)
を読んで
「大人から見た自分とここにいる自分との間に
太陽系ほどの開きがあるのを感じた」
この手紙がケッサクです。

家族4人で別府温泉二泊三日の旅にでかける「時の雨」
「カラフル」でも感じましたが、父と母の描き方がいいですね。
大人はしたたかです。
子供が知っている親の姿はほんの一部にすぎないから。
良くも悪くも。

私が一番好きなところは高校生になってからの
カッコ悪い恋愛話です。
「この人に恋をしてよかったと、1年2ヶ月経って、
ようやくそう思えた。」
読んでいる私もそう思えましたよ。

 

 

 

「児童文学の枠を超えて綴られた初の作品」とあります。
成人向けとして書いたために、
違うフィールドを意識しているからなのか、
最初の方はいつものキレがなかったように思います。
相変わらず上手いのですが。
森絵都の力はこんなもんじゃないよと、
私まで成人向け作品デビューを意識して、
読者の方たちに言いたい気持ちになります。

「黒い魔法とコッペパン」
エピソードが「女王の教室」と被っているらしいですね。
でもこっちの先生は理想などない、ただのおばさんですから。
自分たちの力で魔法を(呪縛かな)解いた
五年一組のみんなは素晴らしい


タグ:森絵都
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コメント 2

こんばんは!
わたしも以前「永遠の出口」読みました!!
いいですよね、森絵都さん。
わたしは「カラフル」を読んでから好きになりました!
この作品を読んだのは1年以上前なので、miyucoさんの記事を読んでもう一回読んでみようかなぁと思いました!
by (2005-09-19 20:12) 

miyuco

madoccoさん、こんにちは。
「永遠の出口」の後半部分、中学校からの話は、森絵都さんがいままで
書いていた作品の延長線上にあるからでしょうか、とてもよかったです♪
次は「いつかパラソルの下で」を読む予定です☆
nice!&コメントありがとうございました。
by miyuco (2005-09-20 08:26) 

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