カラフル 森絵都 [読書]
森絵都の作品で一番好きなものは「つきのふね」そして「DIVE!!」
「つきのふね」はきっと読む人を選ぶと思う。
私には琴線に触れたという言い方がぴったりですが。
「DIVE!!」は4冊でシリーズが完成するから
、読むのをためらう方が多いかな。
一冊だけでも話としては成り立っているので、
ぜひ読んでいただきたいです。
出てくる男の子達、そして大人達も、とっても魅力的です。
何より読んでいて楽しい。
「カラフル」も大好き。
プラプラは大島弓子さん「四月怪談」の弦之丞をクールにしたイメージ。
- 作者: 森 絵都
- 出版社/メーカー: 理論社
- 発売日: 1998/07
- メディア: 単行本
いいかげんな天使(アイツ)が、一度死んだはずのぼくに言った。
「おめでとうございます、抽選にあたりました!」
ありがたくも、他人の体にホームステイすることになるという。
前世の記憶もないまま、借りものの体でぼくは
さしてめでたくもない下界生活にまいもどり・・・
気がつくと、ぼくは小林真だった。
ぐっとくる!ハートウォーミング・コメディ--------------------(帯より)
せっかく抽選に当たったのに、<ぼく>は辞退を申し出る。
前世を覚えていないのに、
「もう二度とあんな下界には戻りたくないという、
漠然とした浮き世づかれだけが残っていた」から。
もちろん却下されてしまうけれど。
却下したのはプラプラという名前の天使。
<ぼく>のガイド役。
美形の優男。
雨の日には広いふりふりの日傘みたいなのをさしている。
「配給品だよ、おれのセンスじゃない」
ブラブラはぶっちょうづらでぼくをにらんだ。
とっても不幸な小林真のからだに、
違う魂がはいったのだから、
周囲の人間には、人が変わってしまったように見える。
<ぼく>は予備知識として持っていた
小林真の不幸を、実際に体験し、
でも小林真ではないから、違う対応をしてみる。
そうすると新しいことが見えてきます。
小林真にとっては絶望的だった景色が違う色に見えてくる。
森絵都は本当に上手い作家さんだと思う。
「ユーモア」のセンスがここまで良いと、心地よいです。
真くんの家族の描き方もすごくいいな。
妻の事をちょっと誤解していて、
それでもそんな妻といるのがしあわせな父。
自分自身の事をよく把握していない実はバイタリティに溢れた母。
本心では弟の事を何より気にかけている表現能力の低い兄。
以前の真には、全く見えなかった家族の姿。
プラプラの持っていたガイドブックには
載っていなかった佐野唱子ちゃんもいいですね。
暗闇の中で、思いがけない場所から光が射してくる。
そんな時には、目を閉ざしたり、光を塞いだりしないでいてほしい。
きっと違った風景が見えるから。
「カラフル」を読んで、こんなふうに思いました。
視点を変える事ができれば、いろいろな事が見えてくる。
現実の世界では、真くんのような考え方や性格の人には
それはとても難しい事です。
だからこそ、この本はそういう人に読んでいただきたいです。
そしてタイトルの「カラフル」の意味を
感じていただきたいなと思います。
映画になっています。
KATーTUNの田中聖くんが主演ですので、ご覧になっても楽しいかも。
こんばんは(^^)
わたしも「カラフル」読みました!
この本を読んで森絵都さんを好きになりました。
森絵都さんは児童文学の作家さんみたいですね。
だからあったかい気持ちになるんでしょうか。
DVDはまだ観たことがないので、今度観てみたいと思います!
by (2005-09-01 00:10)
madoccoさん、こんにちは。
「カラフル」では天使のプラプラの存在がいいですよね。
今の私でも、天使のガイドさんがいたらどんなにいいだろうと思うのですから
若い方にはもっと切実にそばにいて欲しい存在なのではないでしょうか。
森絵都さんの作品はどれも大好きです。
コメント、どうもありがとう(*^^*)
by miyuco (2005-09-01 08:21)