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蹴りたい背中 綿矢りさ [読書]

いまさら何で読んでるの?と自分にツッコミを入れたくなるほど時季はずれの読書です。
図書館に行ったら目についてしまったんです・・・いつも貸し出し中なのに
ポツンと置いてある水色の背表紙が。

感想・・・言っても仕方ないことだけれど、この長さは必要あるのかな。
この内容をこの長さにできるのは、すごいけれど。
昔の少女マンガだったら16ページ読み切りだと思ってしまう。

「綿矢りさ」『蹴りたい背中』徹底解剖
これを読むと、大森、豊崎、メッタ斬りコンビも誉めていますね。
新人作家の小説をたくさん読んでいるお二人には、きらめく才能が見えるのでしょうか。
私には、良い感想は書けません。

「あんたの目、いつも鋭そうに光っているのに、本当は何も見えてないんだね。一つだけ言っておく。私たちは先生を、好きだよ。あんたより、ずっと」
これは「今年は先生ともみんな仲良しで、部活楽し~」という先輩に
「先生は飼い慣らされてるだけじゃないですか。」と思わず言ってしまった後の先輩の言葉です。
私は何も分かってないのかもしれない、でもそんなのあるわけない。
さっきの先輩の言葉はただの虚勢だ。主人公はこんなふうに思います。

心が揺さぶられて自己嫌悪寸前なのに、必死に自分を守ろうとしている
そんな意固地な気持ちが感じられます。
虚勢はどっち?
もう、あまりに学生時代の自分にシンクロしてイヤになる。

「人にしてほしいことばっかりなんだ。人にやってあげたいことなんか、何一つ思い浮かばないくせに」

 高校一年生の時の日記に書いたことと同じでビックリして、そして思い出して鬱です。
どうして自分は、みんなのように自然に人と接することができないんだろうという劣等感。
自分は他の人よりも感受性が強いからだと密かに思いこんでいた優越感。
自意識過剰な日々。
(そんな人間恐怖症気味な私も、接客のプロとしてリッパな社会人となりました。今、同じような事を考えている学生さん、生きていればものすごい転換期を迎えます。ご安心を)

グループ分けで余り者になったことも、お弁当を一人で食べていたこともある私には、
理解できすぎて、どう評価したらいいのかわからないのかもしれない。
そんなにみんなが誉めるならば、彼女がこれから書く小説を待つしかないですね。

蹴りたい背中

蹴りたい背中

  • 作者: 綿矢 りさ
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2003/08/26
  • メディア: 単行本


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KANAchanMaMa

〔読書・インデックス〕が できていたので、迷い込んで(!?)来ました!
同世代の娘が居るから。…という口実の元、娘を理解したく 選んだ本
でしたが、どうしても 若かった頃の自身を投影するばかりの 感想でした。
“グループ分けで余り者になったことも、お弁当を一人で食べていたことも
ある”私で あります。そうそう。“連れトイレ”も できなくて…。自分に
用が無い時は。。。
不器用に生き続けて、なんとか社会人の端くれに なった私も、
彼女が これから書く小説に 期待しております。
どんな風に ある部分を 変遷させていくのか…を。
by KANAchanMaMa (2006-08-27 16:11) 

miyuco

>KANAchanMaMaさん
私にとっても、ヒリヒリと痛いようなところがありました。
こういう感覚を文章にできるのはやっぱり才能なんでしょうね。
でも、この感覚を表現したものを、かつての少女マンガで読んでいた私には、やっぱり物足りない。これだけではダメなんですよね。
作者さんは三作目を書くのに難儀しているようです。
まだ若いんだもの。マイペースで自分で納得できるようなものを
書いていってほしいです。
nice!とコメントありがとうございます♪
インデックス作った甲斐がありました♡
by miyuco (2006-08-28 13:16) 

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