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シモキタ再開発問題を考える 【シリーズ・景観法④】 (下北沢再開発問題) [主張-学問]

お待たせしました。
きょうは知っていた人も知らなかった人も改めて「下北沢の死活問題」について考えていただけたらと思う。

先日の筑紫哲也ニュース23でも取り上げられていたが、今、下北沢の街が大きく変わろうとしている。

まずはじめに、きょうはこれまでのシモキタ再開発について、一連の流れをまとめて紹介したい。

まず、下北沢という街はそもそもどのようにして今のような「ロックな街」になったのか。
それは、1980年代の小劇場建設が契機となっている。本多劇場や、スズナリなど、入ったことがなくても名前だけは知っているという方も多いと思うが、こうした小劇場を拠点に小劇団がつどい、またライブハウスが数々できたことによりミュージシャンがつどい、古着屋ができ、スポーツ店ができ…それからは、兎に角雑多な街になった。
下北沢を一言で表すなら、やはり「雑多な街」という表現が一番適切なのではないかと思う。
それは、整然と碁盤の目が敷かれた中にお店屋さんがきれいに収まって行ったのではなくて、
渦潮のように全国各地の芸術肌を吸収して肥大化していったのだ。
割と下北沢に対して悪いイメージを持っている人はその理由を「スラム街っぽさ」に見出しているようだが、むしろ小生としては色んな境遇を持つ色んな人間が雑多に集い、何もないところ、何の共通点もない人たちが、シモキタという街で出会って接点を見つけていって互いを認めていって…というところに、人間の素晴らしさを、コミュニティの理想像を、見出す。
これが、「同じ年収の同じ家族構成の人たちが次々と箱の中に101から306まで詰め込まれていった集合団地」に見出せるだろうか。むしろそうした整然さにこそ恐怖を感じる。

さて、そんな下北沢が今岐路に立たされているわけだが、その原因となっているのは、新しい道路建設の話が浮上しているからだ。
「都市計画道路補助54号線」という名を持つその道路は、その位置づけはこのようになっていて、下北沢の北部の商店街を真っ二つに横断しているのだ。大変傍若無人な計画である。
これは元々、戦後復興の際にあちこちで出された様々な道路計画うちの一つで、その需要のなさゆえに埋もれていたのである。
ご存知の通り東京都内にはすぐ必要とされなかったり金銭的事情で計画倒れになっている道路が山ほどあるが、この54号線もその一つとして、記憶のかなたに葬り去られていたのである。

しかし、近年突如として54号線の建設計画が再浮上した。
この背景には、小田急線の複々線化工事がある。
沿線住民や利用者の方はご存知だと思うが、小田急線は輸送力アップのために、都心部分で普通の倍となる複々線化、つまり線路を2×2=4本敷く工事をおこなっていて、狛江あたりから梅丘までや東北沢あたりなど、殆んどの区間では既に工事が完了しているのだが、下北沢ではまだ着工中だ。複々線の大部分は高架化されているが、下北沢駅周辺においては、駅を地下に埋める計画がなされている。
そうすると、工事完了後は今地上にある駅や線路の部分の土地が空白になる。
ここに、地元・世田谷区は目をつけた。駅前を再開発するのだ。
別に、再開発して駅前がきれいになるだけなら、何ら問題ない。しかし、それだけではなかったのだ…
世田谷区は、下北沢駅前に車が入れるロータリーを造り、大幅に町並みを変えようと試みた。ここで、先ほどの道路が必要となる。
この計画がなされた当時の法律では、駅前ロータリーを整備するにあたっては、それに接続する、ある程度の交通量を確保できる補助道路の建設なしには許可が下りなかった。そこで、世田谷区は古い資料の中から54号線の計画を掘り出してきて、急遽ロータリー建設に付随させる形で54号線計画を発表した。
しかし、これは下北沢の北側の商店街の10件近い店舗に立ち退きを応じるものであり、同時に太い幹線道路で街の連続体を遮断し、大幅に人の動きを変化させてしまうものであったのだ。
そこで、下北沢を愛する人たちが、下北沢の独特の景観・店達が失われることへの危惧から、立ち上がったのである。

ちなみに、現在は法律が変えられ、補助道路なしにもロータリーの建設が可能となった。しかし、世田谷区は54号線計画を撤回することなく、十分な告知なしに、着実に工事を開始しようとしている。何故だろうか。

実は、54号線はもう一つ、ある重要な役割を果たすのである。
現在日本の法律では、高い建物を建てる際に、その地区が住宅地であるなどの理由で高さ制限がない限りにおいては、対面する道路の道幅により高さが決まるようになっている。
(このあたり、論点を明確にするため相当大雑把な表現をしているので、正確な法的知識・事由については各自お調べいただきたい。)
そのため、世田谷区は下北沢に太い幹線道路を敷いて交通を活発化させるとともに、そこに高層のビルをいくつも建設させ、高層マンションや商業地を建設し、街を渋谷や新宿に匹敵させたいと考えているのだ。もちろん、高層ビルにおける誘致は世田谷区にとっても利益となる。

こうした利権ゆえの計画というのが、本音のところである。「下北沢を巨大な街に」とは言っているが、実際あそこに高層ビルを何本か建てたところで、誰がどう考えても渋谷や新宿に匹敵しないのは明らかであり、むしろ新宿や渋谷のミニチュア版として、何ら味のない、普通の全国どこにでもある街に成り下がってしまうのではないかというのが一番懸念されるところである。

実際、下北沢という土地は新宿から小田急で10分足らず、渋谷から井の頭線で6分と、都心へのアクセスは優れている。むしろ、それを考慮すると、同じような高層ビルがシモキタと渋谷に立っていたとして、明らかに力の差はあるから、皆渋谷に流れてしまう。
つまり、極論としては下北沢が商業的価値を喪失し、空きビル街になる危険性を含んでいるというのが今回の計画の行く末なのだ。
大体、下北沢という場所は元々住宅街だ。今ある街並みや店達は、地元の人たちが努力してつくったわけではない。下北沢という雑多な街を愛する人たちが全国から集まってきて、成り立っているのだ。下北沢の魅力は高層ビルとは対極のところにある。空の広い、高さの低い建物が立ち並んでいるからこそ可能なのではないだろうか。

ただ、本音として現在シモキタがおかれている状況は極めて危うい。
STSKの方々をはじめ、下北沢を守ろうと懸命になっている方々は毎日頑張っていらっしゃるが、正直なところそのパワーはまだまだ大きくない。ここ数ヶ月、やっとテレビや雑誌に取り上げられ始めた程度で、知名度が低く地元の人たちにすらこの深刻な事態が浸透していないのが実態だ。

小生も、たまたま都市地理学の先生に薦められた「月刊・現代思想 5月号」

現代思想 (Vol.33-5)

現代思想 (Vol.33-5)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 青土社
  • 発売日: 2005/04
  • メディア: ムック

を手にとっていなかったら、おそらく今日までこの深刻な問題を知ることなく生活していたかもしれない…。

そして、力不足の一因となっているのは、敢えてここでは痛烈に批判させていただこう、
地元商店街の連合がド阿呆なことにこの道路計画に賛成しているのだ。
彼らは、「防災面を考えると、現状ではシモキタの中心で火事が起きても、消防車も救急車も入れない。太い道路は是非ともほしい」と主張する。確かに防災面においては道路はとても重要だし、今シモキタの駅前は車両など入れる状態にない。
まぁそうだろう。確かに車は入れないが、それゆえにあの街は栄えたのだ。あの南口の商店街に車が日常的に通過するようになったら、今の「自然歩行者天国」的状態は喪失されるし、それにより店の活気も減るだろう。シモキタの良さの一つがスローペースで歩けることだと思うので、これは確かに防災面では危険だが、かといってそれをなくして道路を整備したところで、地元商店はそれ以上に喪失するものがあるのではないだろうか。

つまり、商店街の連合(どちらかと言うと、古着屋や音楽系ではなく、昔から根付いていた地元商店街)の方々は、何故シモキタに若者が魅力を感じて吸い寄せられているのか、全く理解していないのである。いまやシモキタは全国区の知名度で人も多いから、道路を作ったところでその集客力は変化しないだろうと、何ともとぼけた見解を示しているのである。
自分で自分の首を絞めていることに、一刻も早く気づいていただきたいものである。
それとも、集客以上に何か別の分野での利権が背景にあるのだろうか。兎に角、理解に苦しむ。

さて、先日、STSKは「シモキタに住んでいる」と自ら住所まで暴露していることで有名な
曽我部恵一を呼んでライブを行ったらしい。こうした活動を契機にもっともっと多くの人に
現状を知ってもらうことが必要なのではないか。
まだまだ知名度は低いし、活動は不十分だと思う。今は何より全国の一人でも多くの人に
事の重大さをアピールし、味方をつけていくことが重要ではないかと思う。

その一端を担うべく、小生はSTSKの関係者でもなんでもないが、別にSTSKだけでなく
シモキタを愛する人全員の考えるべき課題だと思うので、こうして微力ながら宣伝
させていただいているのである。

さて、ここまで相当大雑把にシモキタの現況をまとめたが、ディテールは是非とも
←こちらでご確認いただきたい。


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コメント 28

DIJ

TBありがとうございました。
とても分かり易く下北の危機を伝えていらっしゃると思いました。下北への愛を感じましたと同時に、全面的に賛成の意見でした。もう断言して良いくらい、下北を完全に改悪させる計画ですよね。
確かに、その商店街の人々が反対しているということは噂の東京マガジンでも取り上げられていて、彼らが、強引に破壊をしようとしているということが大きな計画を進める原動力になってはいると思います。

その迷路のような歩いて楽しめる、下北の特色で、それがあそこまで発展させた大きな要因だったということを理解してくれることは無いのでしょうかね。
60年前の計画だなんて、時効も甚だしいですよね。
by DIJ (2005-07-26 02:47) 

羊子

こんにちは。秋山です。
トラックバックありがとうございました!
by 羊子 (2005-07-26 12:52) 

千

TBありがとうございます、やはり地元の住人が賛成しているとなると部外者の自分のような人間が立ち入るべきではないのかな?と思ってしまいます。
あそこにロータリーですかぁ・・・下北に集まる人はアノごみごみしている所が好きなんだと思うんですけどね。
by 千 (2005-07-26 14:30) 

ピカチュウ

この問題、ホントどうなるんだろうね~。
下北は今のままでいいと思うけどなぁ
by ピカチュウ (2005-07-26 21:25) 

俺

こんばんは。皆さん、コメントありがとうございます。

どうも商店街の人たちの反対への反対というのが大きなトゲとして刺さっているように感じるのです。ただ、商店街の人には生活もありますし、長年その地に住んでいて思うところもあるでしょうし、一概に否定はできないと思います。ただ、道路建設は明らかに商店街の人たちにも良い結果は生まない気がするんですがねぇ。
こういう問題を考えるときに、「じゃあ街って誰のものだよ?」ということが議論すべき課題として挙がるように思います。景観法について語る際も同様ですが、そこに住んでいる人が絶対なのか、行政の計画が絶対なのか、その街を愛する部外者はどうなるか…総括的に考えなければならないように思います。それぞれ思惑の異なる人、価値観の違う人たちが共存していくには、やはり街を愛することを忘れてならないように思います。愛される街ゆえに人が集まっているとしたら、その集客を「部外者だ」と一概に掃き捨てることはできないでしょうね。
by (2005-07-26 23:36) 

コウスケ

トラックバックありがとうございます。

さて、下北沢の再開発ですけど、止まらないでしょうね。このままじゃあ。実際に事故が起きた時の対処において、それこそ5分違うだけで人が死んでしまう状況を想定すると、道路を広げるのは必要ですし、それを商店街、自治体が考えるのは当然の義務ですよね。

下北沢で飲んでいると、反対派の人が来て、「シモキタブランド」を利用しようとしてる!なんて言ってますけど、現実的ではないと思います。

問題は今の町並みと道路の問題、駅の問題の妥協点を見つけることですよね。計画を潰すのでは無く、どこを取って、どこをやめさせるのか。

感情論、思い入れで変えるほど、行政は単純では無いので。僕の中で駅前の闇市のようなエリアの店が消えた時点で、もう再開発された気分ですから。

ただ、できることがあるならやるべきでしょう。それが何かを考えている最中です。ちなみに僕が行く下北沢の店は、こちら。よろしければ一度足を運んでみて欲しいです。良い店ですよ。
http://www.plusdee.co.jp/idiot/index_f.html
by コウスケ (2005-07-27 01:17) 

俺

こんばんは。確かに、防災の面など安心を得たい、とか、高い建物を建てたいとか、こうした地元住民・商店の方の切実な思いは無視できないと思います。ただただ「好きだから、残してくれ」だけでは現実うまくいかない、というかそれが最優先事項ではない場合というのもありますよね。

10年以上居住していた元区民としては、世田谷区というところは割と抱えている問題はオープンにしてきた、クリーンなイメージがあったように思い、その反面、今回の件で区は十分な説明なしに工事計画を進めてきたなぁという印象があります。
思惑の異なる、されど下北沢という街に思い入れを持つ人たち全てがオープンに議論できる場を整えることが、まず最初の段階としてすべきことでしょうね。
by (2005-07-27 01:37) 

コウスケ

全く同意見です。「シモキタ大好き! 無くならないで」とか言ってる人は嫌です。もしも駅前でこないだの脱線事故みたいな大規模な惨事が起きた時に、道路が狭いせいで自分の家族が亡くなったら、文句を言うくせに、と思います。

出発点はそこで良いのですが、そこから何ができるか、それを考えるべきだと思います。

それと文中に書いていた、広い道路を作る理由ですが、道路が広いと大きなビルが建てられる、ということで、とうぜんそれで甘い汁を吸う人たちの利権の問題ももちろんあるのでしょうが。いま東京全体で行われている道路拡張工事を見ていると、まるで石原さんが有事に備えているように思うのは私だけでしょうか…話がズレちゃいましたね。すいません。
by コウスケ (2005-07-27 14:20) 

俺

「喉元過ぎれば暑さ忘れる」ですね。確かに、先日東京で震度5強の地震があったとき、なかなか運転再開しない鉄道会社にキレている人たちがたくさんいましたが、あれは「安全第一」で念入りに点検をしたからこそあのように遅れたわけで、まぁもちろんその安全点検のやり方が非効率だったという説もありましたが(某地下鉄は職員が歩いて点検したんだとか。そりゃ3時間も止まるわな)、でも「安全第一でやれ」と言った以上、それに即して仕事をしている駅員さんたちを罵倒するのはいかがなものかなぁと、テレビ越しに静観しておりました。

ただ、今回の件では、「シモキタが好きだ」という人たちの声については、
そうした人たちがいてこそ栄えたシモキタだ、という背景がある、という風にも考えられるのではないでしょうか。

ちなみに、有事に備えてというのは安心なような憂きことのような……
続きは、明日の記事に書こうと思います。
by (2005-07-27 16:22) 

lucksun

はじめまして。TBありがとうございました。
下北沢再開発問題については、大まかにしか知らなかったので
勉強になりました。
小田急線沿いに住んで16年ほどですが、
その間、複々線化が進みかなり便利になったとは思います。
行政側の論理だけで再開発を進めるのではなく、
便利さと快適さが共存する街づくりができるといいですね。
正直、なんとも言えませんが…。
ただ、いま下北沢がもつ雰囲気がなくならないでほしいと
願ってやみません。
by lucksun (2005-07-30 02:26) 

俺

コメントありがとうございます。
「便利さと快適さが共存する街づくり」、まさにその通りですね。誰にとっても納得できる方法を一番的確に表されていると思います。
by (2005-07-30 19:27) 

tyokyori-sousyano-kodoku

はじめまして。
下北沢は若い頃の青春の街です。
こんな事になっているとは、つゆ知りませんでした。
早速、リンクから署名をしました。
住民が主体の街に、行政はフォローするという形で参加するのが理想的なような気がします。目論見で壊さず、いい街のまま発展させる方法を探してもらいたいものです。
by tyokyori-sousyano-kodoku (2005-08-17 10:44) 

俺

そうですね。防災という名目での破壊になっていないか、余計な利害関係が絡んでないか、というところを追求してほしいものですね。
by (2005-08-17 16:10) 

NO NAME

はじめまして。
シモキタ徒歩20分の地に住んで1年になります。
職場からの帰宅時にはシモキタで降りて、日常の買い物をして帰るほか、休みの日には食事に出てきたりする、いわば日々の生活の場です。
 私にとって、シモキタが原宿の竹下通りなどのように遊びに行くところと割り切っていれば、あの雰囲気も許せるかもしれません。でも、シモキタは駅前の一部の通りを除くと住宅街です。かの地で普通に生活することを考えると、駅前までバスどころかタクシーも入れない、まして車1台通るにも難儀な現状は速く改善してほしいものです。
 このような窮屈な街のままですと、街としての防災面もさることながら、バリアフリーという観点でも取り残されてしまいます。それは、住環境としてはもちろん、結局は街全体の魅力をそぎ落としてしまうと思います。
 街の雰囲気に魅力を感じる人が多いのは承知していますが、やはり住民にと安心して生活できる環境あってこそのシモキタです。そんなシモキタはもうシモキタではないという人もいるかもしれませんが・・・
by NO NAME (2005-08-25 01:10) 

俺

コメントありがとうございます。
おっしゃるとおり、シモキタが単なる商業地ではないことが、この問題を単純に片付けることの出来ない一因となっていることは確かでしょうね。
「あれこれと文句をつけるのは勝手かもしれないけど、住んでる俺らが困ってるんだから」となれば、シモキタを守れの一辺倒では問題は解決できません。

これからますます高齢化が進むでしょうから、防災面に加えてバリアフリーという観点からも、危険な町の放置は許されないでしょうし、だからと言って今ある良さを全否定してしまうのかという疑問もあり、結局は両方を採用した街に生まれ変わっていく必要があるのだと思います。
しかし、現状は、反対派はただただ反対を叫ぶだけ、行政はただただ味のない高層ビル街を作りたいだけ、この両者が拮抗し、議論が平行線をたどるだけ、という感じに見受けられます。
by (2005-09-15 02:13) 

周

すみません、このページに勝手にリンクさせていただきました。
今日このことを知り、自分の日記につけました。
大変失礼ながら、無断リンクをお許しください。
もし問題等ございましたら、下記までお願いします。
juve@kobej.zzn.com
by 周 (2005-09-23 15:58) 

俺

恐縮です。問題はありませんが、当方としてはそちら様のページを知りたいところです。差し支えなければTBしていただけたらと思います。
シモキタ再開発は続編も書いておりそちらでも述べていますが、やはり一概に防災面重視とかビル群建設で潤うとかいった理想どおりにはいかないようです。
by (2005-09-24 23:17) 

も。

今の下北を愛している人はどこかに場所を確保して移る、というのは?
昔アメリカがやっていた災害対策のように。
30年近く下北に遊びに行ってますが、すでに雑多という感じは持ちません。いわゆる普通の街化が進んでいるように思います。
by も。 (2005-09-29 01:25) 

周

ありがとうございます。
大変申し訳ありませんが、mixiの日記の一部でTB等は困難です。
その日記の内容は、再開発問題を知って受けたショック、署名の呼びかけ、という構成です。
自分の勝手なので、もし少しでも不愉快でいらっしゃっるなら、削除いたします。

シモキタの自分の一番好きなエリアが丸ごとなくなりそうなので、自分としてはさらに大打撃です。
自分は横浜に住んでいますが、昔に比べると路上ライブの数が減っていてさみしい限りです。建物や治安は良くなるかわりに、街独特の空気というものを犠牲にしてしまうと、どこも同じような気がしてしまい愛着がなくなります。シモキタまで無くなったらどうすれば・・・
by 周 (2005-10-01 13:40) 

俺

コメントありがとうございます。
も。さんのおっしゃる移転論は、これはこれでありなのでしょうが、同時に恐怖感も覚えます。というのは、今の社会に特有の「合わない人とは付き合わない」「明確に区分を引いて対立するものを共有させない」的な思想をそこに垣間見てしまうからです。オタク・サブカルが前面に出て、「分煙」「女性専用車両」なんてものが時代の先端を駆け抜け、ネットの隆盛で進められる究極の「個人社会」。こうした文化とは相対するところに存在する雑多な街・シモキタを隔離してしまう…なんて時代が来たとき、本当の意味で「コミュニティ崩壊」が起きてしまうかもしれませんね。
ただ、も。さんのおっしゃるとおり既にシモキタの普通の街化が起きているというのは確かに小生も感ずるところはあります。時代に合わないものはやがて淘汰されていく。こうした観点でいくと、シモキタはもはや晩年を迎えつつあるのかもしれません。

>周 さん
不愉快に感じておりませんのでご心配なく。むしろ当方としては手薄な取材と溢れんばかりの私見で論じた記事が皆さまに取り上げられご高覧いただけることは大変光栄なことです。
路上ライブと言えば…小生の知る限り、今都内で盛んなのは大井町とか立川といった駅が挙げられるように思います。
by (2005-10-02 01:20) 

S

生まれてこのかた下北沢の商店街で生きてきた私としては、ここで言われている「下北沢の良さ」が正直理解できません。
マナーは悪く、一晩中路上で騒ぎ、ごみを散らして下北はいい街だといいながら明け方帰っていく。そんな人達にはこの計画はとんでもないものなのでしょうね。
下北沢のその「雑多」な雰囲気は決して作ろうと思って作られたものではない。
であればそれを守ることなどできるのでしょうか?
流れにまかせるのもまた、ひとつの考えであると思います。
私の母は60数年下北沢に暮らして商売を続けています。「どんな計画があるにせよ、見届けたい。この街がどう変わっていくのか楽しみだ」と言っています。
下北沢が廃れる、などという考えは外側に群がって勝手なことを言っている人達の考えなのでは。どんな結果になっても、ここを本当に愛している人は残るのですから。
by S (2005-10-17 22:43) 

俺

こんばんは。これまで実際に下北沢に長年住んでいらっしゃる方のご意見を伺う機会が少なかったので、大変貴重に感じております。ありがとうございました。
「マナーが悪く…」の部分については、小生も理解できる部分があります。シモキタは良い意味でも悪い意味でも雑多な街だなぁと思います。駅前の汚さは渋谷に近いものを感じますよね。
ただ、小生もシモキタ在住経験はありませんし、ここにコメントをいただいている方にも何人かいらっしゃいますが、下北沢に住んでいない、もっと言えば下北沢のある世田谷区に税金を納めていない多くの人々があの街を好んで訪れ、劇場に行ったりバーで飲んだりギターを弾いたり古着を買ったりしているわけです。そして、その中には「下北沢という街を愛している。だから、守りたい」なんて言う人もいるわけです。これはとても稀有な例ではないかなぁと思います。
こうなると、「じゃあ街は一体誰のものか」という議論が複雑になってくると思います。必ずしもそこに住んでいる人だけの主張で強引に再開発を進めていってしまって良いのかということですよね。勿論理屈からすると本来は「お前らここの土地で税金も納めてないくせに、都合のいい時だけ言いたい放題言って」となるんですが、果たしてどうでしょう。外から集まってきた人たちによって作られた雰囲気があって、その雰囲気が多くの人に嗜好されていたり、或いはそれが理由となって下北沢という街のイメージが変化したり、憧憬を抱く若者が増えたりと何がしか影響を与えているとしたら……

小生は、この問題に正解はないと思っています。どちらかの主張を認めて片付くものではないでしょうし、ただただ「今の街を守れ」「再開発反対」とだけ言っていればいい問題ではないと思います。しかし、少なからず今お役所が進めている案は強引かつ狡猾過ぎますから、もっと情報を公開して多くの人に事実を知らしめた上での議論が必要だと思います。その議論の結果、より多くの人が納得しつつ、かつ今の「多くの人を引き付ける魅力」を喪失せずに計画が進められればいいのではないかと考えます。
そしてもう一つ、本文中に書いたことですが、下北沢商店街にて商いを営んでいらっしゃる方々が何故今の再開発計画に全面賛同しているのか、下北沢という街がここまで「住みたい街」なんて言われて多くの人を集めるようになったのは何故か、その理由を理解していないことが残念でなりません。今の再開発計画では確実に下北沢が衰退し集客力を失うことに、気づいてほしいものです。
by (2005-10-17 23:54) 

S

>勿論理屈からすると本来は「お前らここの土地で税金も納めてないくせに、都>合のいい時だけ言いたい放題言って」となるんですが

なんだか誤解されているようですが・・・そんなこと思っているわけではないですよ。
どうも、反対される方はとても感情的になってしまうようですね。そこまで愛着をもたれることに住人として感謝しなくてはいけないことなのか?というのは私にはよくわかりませんが、少なくとも集客力が落ちる云々を心配していただく必要はないと思っています。街は生きているもので常に変化するものです。
なんだか私には、俺さんの主張が「地元民は外から遊びに来る人によって生活が成り立っているのがわかっているのか」と言っているようにみえます。
養っていただいている意識は、住民にはないと思いますよ。
by S (2005-10-18 00:10) 

俺

早速お返事ありがとうございます。
これはおそらく「誤解の誤解」でしょうね。小生の書き方が誤解を与えてしまったようで、恐縮です。というわけで誤解の誤解を解くべく発言させていただきますと、
「勿論理屈からすると…」の一文は、Sさんはじめ賛成派の方がそう思ってるだろうと思って書いた文ではありません。小生は(他の主張記事を読んでいただければご理解いただけると思いますが)常に「一面的な見方による考察は良くない」と考えていますから、様々な視点、視野からそこにある問題点、考えるべき点を見出そうという表現に努めています。ので、これはこの文字の通り、「理屈からすると~~だろうが」という一般論を書いたのだとご理解ください。
そして、これは小生の捕らえ方が間違っていたらご指摘いただきたいですが、「集客力が落ちる云々を心配していただく」「養っていただいている」という文からは、やはり地元住民とよそ者との区別を明確にされているように感じますが、いかがでしょうか。愛着をもたれることに住民として感謝する…ということは決してその必要はないように思います。そうではなく、シモキタという街を好んで入ってくる外部の人とシモキタに昼夜居住し生活している人とが対等にこの問題を考えていかなければならないのではないかと思うのです。
by (2005-10-18 00:46) 

Mari

TB・コメントありがとうございました。
とても詳細が掘り下げられていて勉強になりました。

計画中止となれば別ですが、これからの下北沢の発展がとっても気になります。どんな人々が集う街になっていくのでしょうか。
個人的にも、この界隈の不動産に携わるものとしても複雑な思いですが見守って行きたいと思っています。
またご意見を参照しに来たいと思います。
by Mari (2005-11-11 12:18) 

俺

コメントありがとうございます。
不動産の観点から論じられている文は初めてお見かけしましたので、こちらこそ、大変勉強になりました。
シモキタ再開発問題は、他の地区での再開発問題の話も含め、そのうちまた書こうと思っています。是非また遊びにきてください。
by (2005-11-13 09:24) 

くやま

こんにちは。下記イベントの告知をさせてください。

~1・18要望書提出アクションのご案内~

 このたび、下北沢の店舗の人々が、再開発見直しを求める要望書を区長に提出する運びとなりました。
 現時点で400軒近くの店舗の署名が集っており、このことは「地元の反対はない」として押し切ろうとする行政の姿勢の地盤を、大きくゆるがす効力を持ちま
す。

 要望書提出に先立ち、区長への面会を求める申し入れを昨年暮れ、行いましたが、「区長はお忙しいので会うつもりはない」と門前払いにされました。
 400軒もの商店主による直の要望に対し、どうして時間を割こうとしないので
しょうか?それでも熊本区長は「聞く耳を持つ区長」と自らを名乗り続けるので
しょうか?

 事業認可は刻一刻と迫っています。このため商業者は、要望を直接区長に届けるため、18日に区長室に出向くことにしました。

 商業者のこのアクションを、みなさんも是非応援してください!
ご一緒に区長室まで向かいましょう!

 また、音楽パレードにより記者会見会場から区役所まで移動しながら、この問題について沿道の人々にアピールします。みなさんも、是非音が鳴るものをお持ち寄りください。

 一人でも多い方のご参加が、事態を好転させることにつながります。みなさん
のご参加を心よりお待ちしております。

【記】

日時:1月18日(水)
集合場所:下北沢 シェルター (途中参加も歓迎します)
     (http://www.loft-prj.co.jp/SHELTER/

13:00~13:30 集会・音楽(曽我部恵一、大熊ワタル、志田歩)
13:30~14:00 記者会見
         大木雄高(“Lady Jane”オーナー、
             「商業者協議会」代表)
         平野悠(シェルター店主)
         石本伸晃(コモン法律事務所)
14:30~16:00 区役所(松陰神社前)へ移動
         音楽を鳴らしながらパレードをします!!
         (雨天決行)
16:00~  区長に要望書を提出

【主催】
「54号線の見直しを求める下北沢商業者協議会」
Fax:03-3419-6848
E-mail:bigtory@mba.ocn.ne.jp
電話:080-5426-8904(久山)
http://www21.ocn.ne.jp/~bigtory/stsk.html

<転載歓迎>
by くやま (2006-01-13 05:05) 

生まれも育ちもシモキタ

当方、シモキタの住商共存地域生まれで現在も移住し続けています。
本多劇場等が出来、マナーの悪い若者が集まるようになったのは多くの住民は歓迎していません。商店もそのようなマナーの悪い若者向けが増え過ぎて生活に必要な店は減少していくばかりです。長年住み続けている住民は高齢化して駅前の路上に座り込んだり、ライブ等する人に嫌悪感しかありません。道路を通すのは反対ですが、駅前の再開発は賛成です。

by 生まれも育ちもシモキタ (2008-09-15 00:11) 

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