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浜渦副知事問題 【上】 ~二人三脚~ [主張-時事]

冒頭断っておきたいが、これから先の文章、明日以降の文章を読んでいただくにあたり、下記二点を申し上げておきたい。
第一に、小生は石原支持者ではないこと。これから先の文章を「石原知事を熱烈に支持する人間の文章だ」という先入観を元に読まれてしまうと、大変大きな語弊・誤解を生む恐れがあり、小生の真意が伝わらなくなってしまうので、基本的なスタンスとしては、石原支持者でもなければ(都立大の8割以上の学生のように)アンチ石原でもない。元来そういった一面的な捉え方で政治家を応援したことはないし、とりわけ今回の文章を書くにあたっては中立的な視点から論じたい、と思っているので、それを踏まえていただけたら幸いである。
第二に、今回はより多くの方にご意見を賜り、積極的に相互オピニオンを繰り広げ切磋琢磨したいと考えているので、大変無礼講ではあるが無差別にTBしまくりたいと思うので、その点ご了承願いたい。
また、このページを初めて見たという方は、はじめに是非下記をお読みいただきたい。
浜渦副知事問題 はじめに

では、本題に入る。

一般的には浜渦副知事の恐怖独裁政治、そして石原知事の体制に批判が展開されていたが、小生は冒頭「それは批判に値しない」ことを主張しておきたい。
浜渦副知事の政治のやり方については、マスコミ各社で取り上げられている通り、「施策を提案するにあたって、副知事に『お手紙』を書いて許可を得なければならない」「週に2~3日しか登庁しない知事に代わって、あらゆる分野に顔を出し、実権を握っていた」など、その独裁ぶりが批判の的となっている。
しかし、これは石原知事ならではのやり方であり、そのやり方が気に食わないのであれば、当初から石原を選挙で選ばなければよかったのである。有権者の判断が招いた結果であり、何ら石原政治のやり方を知らずに一票を投じた都民の責任は重い。
そして、小生はこのやり方そのものに違和感を一切感じない。こうした独裁というものは、長く続けば様々な問題を生じる結果となるが、今の東京都の事情を考慮した場合、「応急処置」としての独裁は有意義なものであり、そうせざるを得ないと思う。
つまり、ボロボロになっている体制を立て直すための一時的なものであれば、独裁も大いに結構ということだ。むしろ、立て直しにはそれくらいの姿勢で臨まなければならない。

はっきり言って青島都政は「4年間何もしなかった」と言っても過言ではない。むしろあのような知事は人柄としても政治的なスタンスとしても現場からは大いに評価される。怒鳴られたりぬるま湯からの脱却を要請されたりしないので、仕事が楽だからだ。
しかし、それによって現場はだれる。惰性の現場は企業なら潰れて自分らが困るだけだから良いが、行政となると、税金を払っている都民に多大な悪影響を及ぼす。行政において馴れ合いやぬるま湯は断じて許されることではない。
そのぬるま湯都庁に、石原旋風が改革のメスを入れたのである。これは、まず最初の前提として評価をしなければならない。「やり方が強引だ」「一方的だ」と評されるが、まずは強引に動かなければ、変化は起きないし、悪しき体制は改善できない。

浜渦副知事は就任当初、「一日一個」を口癖に、都庁の隅々を歩いて現場の視察を行ったと言う。これをある都庁職員は「昔は5時を過ぎれば酒を飲み始めていたけど、浜渦さんはいつ視察に来るかわからないから気が抜けなかった」と取材に対し語っている。まさに象徴的な話だ。青島体制時、都庁職員は17時を過ぎるとデスクで酒を飲みながら仕事をしていたのだ。こんな堕落した現場に浜渦という監視の目が入ったのだから、都民にとっては多大な利益をもたらしたと言えよう。
石原体制の強引さ、タカ派ぶりは確かに問題な面もある。しかし、そういうパワーがあったからこそディーゼル規制はじめ様々な改革が行われたのだ。「現場の声を聞かない」「『お手紙』に象徴されるように、物を言えない状態だった」と言われているが、果たして現場の声は最優先されるべきか。石原体制は決して「石原が絶対」という体制ではない。彼は「俺は青島より1000倍の人脈がある」と豪語していて嫌味な印象を受けたが、その通り顔が広い。おそらく青島知事や他県の知事ではできないような、「国に押しかけて動かす」「国より先に都がやる」ことは石原知事だからこそできたのだ。国と対等に渡れるばかりか、専門家をブレーンに山ほど持ち、進めている。この状況下で、都庁職員の意見は必ずしも最優先されるべきか。「自分ら職員にとってやりやすい意見」だったかもしれない。

そして事実、良きも悪しきも全部通っていたわけではない。「お台場にカジノを作る」などたまに馬鹿げた発言をしても、それが本当に馬鹿げている発言なら、いつの間にか立ち消えしているではないか。そう考えると、勿論全面を支持するわけではないが、少なからず石原都政になって前向きに改善された部分は多々あるはずだと思う。

そして、その石原の影には有能なブレーンがいたことに着目したい。
一見すると表舞台の石原慎太郎がその有能さ故に何でもかんでも自分一人で全部扱っているかのような印象を受けるが、それは特に石原知事がその性質上パフォーマンスを得意としていたから我々都民にそう映るだけであって、実際は他の政治家同様、裏舞台のブレーンなしには今の実績はなかったように思う。
例えば竹花副知事。この人は今東京都の風紀、青少年の健全育成にとりわけ力を入れている。聞いたところ、竹花氏は以前広島県警の本部長を務めていたそうだ。広島と言えば言わずもがな、893の国。そして彼の就任時は祭事などでの暴走族の激化が問題視されていた。竹花氏は本部長として自ら現場に出向いてハンドマイクを手に取り、「お前ら何やってるんだ」と暴走族と対等にやりあっていたのだ。こうした行動派として知られる竹花氏だが、「でも青少年にはこの社会に帰ってきてほしい」と、本心かどうかは別としてその発言にも堅実さがにじみ出るような、有能な人だ。
そして浜渦氏。個人的には大反対なのだが、20年以上放置された外環道路の整備に乗り出したのは彼の行動力あってのものだという。また、石原知事の長男、伸晃氏によると「親父と浜渦氏との間には家族すら計り知れないものがあった」「浜渦氏は石原教の信者」というくらい、忠実な部下であったようだ。

政治家に、有能なブレーンはつきものだ。それは、選手とコーチの関係でもあるし、もっと分かりやすく言うなら、「セロリ」という歌を歌っているのはSMAPであり、曲を作ったのは山崎まさよし。日本の音楽業界は特に、表舞台に出る歌い手が注目されるが、名曲あっての歌い手だ。これと同じことである。

だから、副知事の中でも特に側近中の側近だった浜渦氏のとった「恐怖独裁政治」という行動は、石原都政を支える上ではやむを得なかったことと言えよう。今(正確には1998年当時)の都政において「幅広い意見を取り入れて職員と協調して政治を進める」余裕はないし、なおかつ現知事の性質上、都職員の意見をシャットアウトする結果になったことはやむを得ないし、またそれで良かったと思う。そして「一日一個」に象徴される職員の圧迫は、我々都民からすればありがたいことだ。公務員の横柄ぶり、大阪市に象徴される厚遇ぶりは、今や日本国民誰もが知っていて憤りを感じている話だ。そうした状況を他の行政に先駆けていち早く是正しようとした石原体制は、むしろ評価に値すると言えよう。

また、浜渦氏のみ退任時期が他の副知事より遅いことに批判が出ているが、副知事という要職が「明日から来なくていいよと言われたら明日から本当に来なくても良い」程度の仕事しかしていないはずがない。これも致し方ないだろう。
先日の定例会見での記者の質問は低レベルだった。ワイドショー的には使えるコメントなのかもしれないが、「週に2,3日しか知事が登庁していないのはおかしい」「他の日は何をしてるんですか?」など、本当にくだらない質問だったと思う。もっと踏み込んだ質問をしてほしかった。

ただし、独裁政治を全面評価しているわけではない。それについては【下】で述べたいと思う。
ひとまず、明日は視点をがらりと変えて、議会側の問題についても指摘したいと思うので、是非ご高覧いただき、ご意見賜れれば幸いである。



★追記★
長野県知事、ヤッシー氏このように述べているようです。


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コメント 4

俺

恥ずかしながら、漢字の変換間違い多いですね……勢いに任せて書き連ねていると、特に気付かないもので、お恥ずかしい限りです。
今見つけたものは全て直しましたが、まだあれば是非ともご指摘ください。
そしてそれ以上に、ご意見お待ちしております!
by (2005-06-05 02:22) 

アンチ石原都民

この人って、「三国人」とか発言した人でしょう。

こういう人を政治家として評価していいのか困ってしまいますけどね。

日本人の品格を著しく傷つけています。

これを機会に、とっとと辞職していただきたいのですけど。
by アンチ石原都民 (2005-06-05 03:21) 

la3751

こんにちは。la3751と申します。以前、niceを頂きましたので、
今日は訪問させて頂きました。
 私は浜渦副知事という方をよく知らないのですが、一般論から
いえば、知事の代わりに都庁を統括するのが、副知事の役目
でしょうし、知事の信任の厚い人を置くというのは間違っていないと
思っています。
 そういう意味で、一連の報道には疑問を持っていたので、それに
抗って、独自の視点からの記事を書かれていたので、nice!つけさ
せて頂きました。
 確かに独裁は問題ですが、改革にはリーダーシップが必要だと
思いますので、浜渦氏を重用することにより、石原知事が手腕を
発揮できていたのなら、退任させることはないのかなぁと思います。
 ただ、今回の問題の発端は都議会の政争ですからね・・・・。
長くなりましたm(_ _)m。
by la3751 (2005-06-06 18:39) 

zk

こういった話がこれから出てきますね。
http://plaza.rakuten.co.jp/bmwban/diary/200506080000/
本当のことなのか?
by zk (2005-06-12 22:55) 

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