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STREETS OF FIRE(SOUNDTRACK) [音楽(サントラ)]

1984年の映画「ストリート・オブ・ファイヤー」は、ウォーター・ヒル監督、マイケル・パレ&ダイアン・レインによる青春アクションドラマであり、劇中に登場する幾多の音楽も良かった作品である。(ただ、D.レインがロックの女王というのは、なんか違うように感じたんですが...)また、リック・モラニスやウィケム・デフォー、エイミー・マディガンたちが好演を見せている。物語は単純明快で、ロックの女王がライブの途中でさらわれてしまい、彼女を取り戻すというもの。おとぎ話としたら最も基本的な物語であり、それがどうした、となってしまうのだが、やはり、D.レインのための映画と言ってもよい作品である。当時の彼女は、コッポラ作品(「アウトサイダー」「ランブルフッシュ」)の後で、新たな道を探していた状況であったが、ロックの女王というのはねぇ...(やはりD.レインは「リトル・ロマンス」がいい...)でも、彼女のファンにとったら、動く写真集という要素(でも、それならば「愛は危険な香り」の方がベターだと思います)もあるので、それはそれでよろしいかと...

物語の方は今一でも、音楽の方は本物である。何せ、本作のためだけに結成したユニット・FIRE INC.の2曲とD. HARTMANはなかなかのものである。ちなみに、D. HARTMANの『I Can Dream About You』は大ヒットを記録し、1984年のBillboard年間シングル・チャートの29位(レギュラー・チャートでは最高位6位)となっている。

まずは、映画の冒頭のライブ・シーンで流れた『Nowhere Fast』(FIRE INC.)で幕が上がる。6分ちょっとというこのテンポの良いロック・チューンは一気に盛り上げてくれる。また、ボーカルを務めるのはFACE TO FACEのボーカリストであるローリー・サージェントである。(当時はデヴューしたばかりであった。)パワフルなボーカルが魅力的である。

続く『Sorcerer』(MARILYN MARTIN)は切々と歌うロックのリズムに乗ったバラード・ナンバーで、ちょっとウルウルとなる一曲、『Deeper And Deeper』(FIXX)は彼らの持ち味が十二分に活きたエレ・ポップ路線の一曲、『Countdown To Love』(GREG PHILLINGANES)はアカペラのコーラスで始まる(アカペラはイントロ部分だけです)美しいハーモニーが堪能できる一曲である。この曲はスタンダードナンバーでもあるので、他のアーティストたちが歌うものと比べるのもまたおつなものです。続く『One Bad Stud』(BLASTERS)はロカビリー調の一曲で、ブラスのサウンドが心地よく響いてくれる。

Tonjght Is What It Means To Be Young』(FIRE INC.)は映画の最後の場面で使われたロック・ナンバーであり、この曲をライブで演奏する中、主人公が去っていく、という印象的なシーンとなる。こちらの曲のボーカルはホーリー・シャーウッドとローリィ・ドッドで、この二人は数々のアーティストのアルバムにも参加しているボーカリストであり、なかなかの実力派である。尚、この曲の日本語カヴァー曲が、大映テレビ製作のドラマ「ヤヌスの鏡」で使われたことから、この曲は日本では有名である。

続く『Never Be You』(MARIA McKEE)はミディアム・テンポのボーカル・ナンバーであり、女性の心を切々と歌った一曲である。これに続くのが本サントラからの最大のヒット曲である『I Can Dream About You』(DAN HARTMAN)である。彼は元エドガー・ウィンター・グループのメンバーであり、元々実力はあった人であるが、この曲でブレークした。ややポップなナンバーは明るく楽しい一曲である。続く『Hold That Snake』(RY COODER)は、映画の音楽スコアを担当したRY COODERがロカビリー調のナンバーに挑んだものである。ラストはスタンダード・ナンバーである『Blue Shadows』(BLASTERS)となるが、'50'sや'60'sを感じさせてくれる曲が収録されていることで、映画の方で「いつか、どこかで」という設定の幅が広がることになり、ちょっと嬉しく感じます。

1984年と言えば、「FOOTLOOSE」をはじめとして「BIG CHILL」「FLASHDANCE」「GHOSTBUSTERS」など数多くのサントラ盤が大ヒットを記録し、映画と音楽の関係が新たな次元に入った年である。それらのサントラと比べると、本サントラのセールスは今ひとつであったが、本サントラには、いわゆるビッグ・ネームといわれるアーティストがおらず、新進気鋭のアーティストや、バック・バンドに参加しているアーティストたちが集っているが、それでもこれだけの内容のあるものが生まれてくるのである。映画の方の続編は不要であるが、本サントラに参加したアーティストたちについては、サントラの続編としてセッション・ユニットして何かを出してもらいたかったところである。(既に20年以上が経過しているから、今からは無理なのは分かっていますが...)

 

Streets Of Fire: A Rock & Roll Fable (1984 Film)

Streets Of Fire: A Rock & Roll Fable (1984 Film)

  • アーティスト: Original Soundtrack
  • 出版社/メーカー: MCA
  • 発売日: 1990/10/25
  • メディア: CD
 
 
ストリート・オブ・ファイヤー

ストリート・オブ・ファイヤー

  • 出版社/メーカー: ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン
  • 発売日: 2005/07/01
  • メディア: DVD

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