告白…というより激白 [あの日から今日まで]
何故、私?そう思わなかったわけではない!!むしろ、その気持ちで一杯だったかもしれない。でも、私自身がお酒に強い事もあって、泥酔モードで誰か電話するとしたら、ただごとではない時くらいだからと思った。
10ヶ月前、嫁が子供三人を置いて家を出たこと。
その嫁から昨日連絡が入り会ったところ、妊娠したので正式に離婚してほしいと言われたこと。
三人目の子供は多分貴方の子ではないから引き取る。と言われたこと。
嫁が出て行ってから長男が失声症になっていること。
”彼”が普通の状態でなかったのと、私自身も動揺していたせいもあり、はっきりと今でも覚えているのはこんな告白だったと思う。
聞いてから、何故私だったのか理解できた。
もう”彼”のなかで答えは出ている、でも誰かに話さないではやりきれない気持ちで、なにも知らない私にだから言えたのだと…。
「夫は中退出来ても、パパは中退出来ないよ。酔っ払ってる場合なの?水でもブッカケたいくらいよ!」
「今日、別のドライバーが来たらアンタとはもう話す事ないからね!!!」
というのが、全てを理解した上で私が”彼”に言った言葉である。”彼”を”アンタ”といったのは後にも先にもこの時が最初で最後。言った後で自分に驚いたけれど、この時はまだ、抱きしめて一緒に泣いてあげるような気持ちではなかったし、そんなこと”彼”も望んではいなかったはずだ。
「酔い醒めた、了解」 そう言った”彼”の言葉を信じて朝を待った。
この時の朝ほど10時の配達を待った日はない。当然荷物ではなく、ドライバーが誰かを確認したかったからに決まっている。
「毎度~!!」 (無理してる感は否めないがまぁ合格か)
「おはよう」 (私もまた無理矢理なテンションだわ)
「何で”アンタ”が目赤いわけ?」 (今回に限り許す)
こんな会話で信じて朝を待った気持ちが報われた。そして、それと同時に昨夜の激白は私の胸に封印することにした。
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