my birthday② [あの日から今日まで]
”彼”の気持ちを知りながらも、”彼”から次々に届く優しい想いを素直に受け止められない私は一体どうしてしまったのだろう…
本当は気付いている…でも、認めたくないだけだ。
その優しさの根底にある”本心”が欲しくてたまらない…何故その気持ちを隠しているかを知っていて尚、そう思ってしまう。
そして、気持ちを隠す”彼の決意”を揺るがし…その全てを受け入れるだけの”覚悟”もないくせに、”彼”にばかり何かを求めて苛立っている”ダメ女”
優しさに触れる度”もっと…”と欲張りになっているのに違いないのに…。それさえも否定するかのように≪優しくしないで…≫とは自分で自分に興醒めする。
そんな”トホホ…”な気分の帰り道…。それでも、ケーキを受け取りに立ち寄った。
注文されたケーキを受け取りに来た旨を伝えた。その返事が驚きである
「はい…ご主人様が注文されたお誕生日ケーキですね?ご用意出来ています。」 (はぁ???今ナンテおっしゃいました?)
アルバイトの学生さんの”大いなる勘違い”に赤面の私。(*^。^*)
「これでよろしいですか?」と確認を求められたのもソコソコに、急いでお店を飛び出した…。 (ずいぶん挙動不審だったハズだ)
そんなこんなで…少しだけ気持ちが和んだように思う。
そのまま家に帰り、つい今しがた包装されたばかりの箱のリボンを解いた…。
その時、プチ事件②は起きた
贅沢なデコレーションが施されたホールケーキ…。問題はチョコペンで書かれている文字…。
” おたんじょうび おめでとう ”
” みゆちゃん 1さい ”
状況的に、私は自分のお誕生日ケーキを受け取りに行ったお客さんではないらしい…パパが注文した”みゆちゃん”のお誕生日ケーキをママが受け取りに来る…と解釈されていたと思われる。
アルバイトの学生さんナイスです!!!今度の誤解は大爆笑。
(確認しなかった私の落ち度)
”彼”がろうそくを一本もらった事、それも誤解を招いた原因の1つであろう。
けれど、それだけではココマデ完璧な誤解は生まれない…と思う。
誰が見てもわかる運送屋さんのユニフォーム姿のまま飛び込んだケーキ屋さんで、”彼”がスラスラと必要事項を伝えられたとは考えにくい。
きっと、奥さん扱いをされた時の私以上の挙動不審な態度で、女の子の質問にボソボソと答えた事だろう…その様子は容易に想像がつく。
そして、それを見かねた女の子が気を利かせてくれた結果…私は”1歳”のお誕生日をお祝いしてもらえる運びとなった…おそらく、そんなコトだと思う。
ひとしきり笑った後…涙がコ・ボ・レ・タ…。
”私のバカ!!!このバチあたり!!!!”
自分の気持ちもコントロール出来ないで、たとえ一時でも≪優しくしないで…≫などと思ってしまった私が哀しかった…。
ゴメンナサイ…ゴメンナサイ…本当にゴメンナサイ…。
そういう”優しさ”をいっぱい持っている”彼”を大好きになったのに…。
”優しい”が故に自分の気持ちを押し隠している”彼”を私が一番知っているのに…。
この甘くて、しょっぱいケーキの味は絶対に忘れてはいけない…そう思った。
せめて、「ありがとう」と言いたかったけれど…その後”彼”からかかった3回の電話には出なかった。
電源を切るほどの勇気はなく、着信音だけを消音にして…点滅する”masaki”の文字をじっと見ながら、心の中で何度も「アリガトウ」とつぶやいた…。
今、”彼”の声を聞いてしまったら、「ありがとう」ではない言葉を言ってしまいそうで怖かった。
未だ何の”覚悟”も持てない、依存してばかりの私には、”彼”から≪ダイスキ≫を受け取る資格がないのだ。
≪大好き≫と伝えても貴方を苦しめなくて済むような私になれるまで、あと少し…本当にもう少しだけ時間をください。
何が起きても壊れない強い心と心で結ばれたいのです…。 1999.1.18 誓い
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