再会(八年前)② [あの日から今日まで]
≪電話して…≫って、そんな事言われても…(困) 私という人は元来、顔を見ないで会話するのが嫌で電話は得意としていない。
ましてや、10数年のブランクがあって好意的な感情のない人との電話…ありえない!!!
(裏に書いてあったンだもの、いいよね?)と自問自答の結果…シ・カ・トした。
そのかわり?この再会を報告しなければならない人がいたのだ。
高校時代からの親友で当時その彼女は”彼”のことが大好きで大好きで、
いわゆる”友達以上恋人未満”的な関係だった事を記憶していたからだ。
その後”彼”は自分の夢を実現すべく上京したため、自然消滅してしまったけれど、彼女は結婚が決まった時でも”彼”のことを好きだった時のような気持ちになることはもうない気がするから…と言って、愛されて、望まれて、それに答える結婚をした。
電話の向こうで彼女は悲鳴に近い声を上げて、その出会いに驚きを隠せないでいた。
しばらくして、普段の冷静さを取り戻した彼女は「運命かもよ」と意味あり気に言い「みんなで会いたいねって伝えて」と言って電話を切った。
当然その時の冗談めかした≪運命≫が現実になることは、彼女も私も知るところではなかった。
その翌日の”彼”との会話はこうなる…。
「昨日、奈央に電話しちゃったよ。びっくりしてたけど会いたがってた」
「懐かしいな。今でも仲がいいんだー」
「すごい偶然だって…」
「で、俺に電話は?」
「は???何???」←この時のトボケぶりには我ながら主演女優賞を贈りたいと思っている。
その直後、トラックに”彼”が乗り込んだのを確認して携帯からTELをした。
もちろん番号通知で…。
「これ、私の番号だからね。じゃあ、次は一時でお願いします」
「了解!」
こうして、電話で話をする件に関しては”彼”にゲタを預けるという手段を選び
少なからず、連絡を待つ風味の状態になった。
ただ、この時点で奈央が言ったような≪運命≫を思わせる感情は一切持っていなかった
のは言うまでもない。
そんな気持ちに気づくのもう少し先のお話…。
そして、その夜”彼”からTELが入る…Pi.Pi.Pi.Pi.Pi.少し緊張しながら受話ボタンを押した。
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